カテゴリー「本」の39件の記事

Kindleらいふ

読書好きの友達の命日なので、本と漫画の話でも。

昨年、引っ越してから通勤時間が増えまして。本を読む時間がまとまって取れるようになったのは嬉しいんですが、いかんせん重い。なんせ読書といっても「行きは勉強したい、帰りはマンガ読みたい」というテンションなので、これ実話だけど昨年夏ごろは例えば「エリザベス女王への道」と「ヘルシング」4冊ぐらいとお弁当持って出社してて、重いわかさばるわで流石に限界を感じ。
ふと思い立ってKindleの一番安いやつを買ってみました。
これが楽。すごい楽。もちろん荷物が減ったし、混んでる電車で紙のページめくんなくていいのがすばらしい。

見開きが表現できないから向かないレイアウトもあるし、電子書籍化の範囲はまだ限られてるけど、取り急ぎ何がありがたいかって
・名作系が安い。原書のアン・シリーズ全巻ワンボリュームで98円ですよ意味がわからない(苦笑)。日本文学系はタダで読めるのも多い。
・洋書が読みやすい。かさばらないのはもちろん、長押しで単語が引ける。
・かさばらない。長年やりたかったけど重さで断念していたハリポタ再読ができる…。
・ビジネス書の管理が楽。池上さんの本とか、わりとすぐ読み返したくなるのに本棚に収まってると効率が悪い類の本もパッと開ける。
・文字が読みやすい。iPhoneやパソコンとは発光の仕方が違うから、目が疲れないし、日光が射してもなぜか大丈夫。

というわけで重宝してます。
で最近読んだ本とか、読み返した本とか。

■「Dear Enemy」(続あしながおじさん)
ダディ・ロング・レッグスの続編で、るんせるさん確か「あしながおじさん」よりこっちが好きだって言ってたやつ。なんせAmazonで118円だったので(^^;)ずっと気になってた原書版をGETして読んでみました。
前作でジュディ(ジルーシャ)の書簡にしょっちゅう出てきた親友サリー・マクブライドが主人公で、ジュディが育ったジョン・グリア孤児院に、サリーが新しい院長として就任するところから始まる。前作と同じく主人公の書簡で綴られ、ただし相手は3人の人物。親友で雇い主であるジュディ、婚約者のゴードン、そして「敵様」ことドクター・マックレイ。明るくて朗らかで癇癪持ちのサリーと、陰気で頑固で融通が利かないドクターは、孤児院運営をめぐって何かとぶつかりあいながら、次第に協力しあうようになっていく。
とにかくタイトルがいいよね「ディア・エネミー」。語呂もセンスも明るさも素晴らしい。親愛なるエネミー、この書き出しだけでサリーの性格がわかる(笑)。前作のジュディの書簡でも「あしながおじ様」と「スミス様」を上手に使い分けてたけど、呼び方や文体で、はっきり言葉にせず雰囲気を読み取らせる、こういう情景の描き方が果てしなくツボ。原書だとスコットランドネタとかいろいろ粋すぎて結構手ごわかったですが(私は(^^;))最終章の書き出しを見てうぉぉぉ英語ォこればっかりは英語ォォォとなった(笑)。

■新・戦争論
「要するに、『嫌な時代』になってきたのですよ」
池上彰さんと佐藤優さんの対談。出版されたの昨年秋ごろでしたっけ…世界に渡って何が起きてるか、日本との関係は、知っておくべきことは、みたいなキーで、テーマは濃いし広いし深いし怖いし滅入るんだけど、なんせこの二人だからたいそう分かりやすくて一気読み。そして読んどいてよかった。この3週間で何度読み返したか知れないし、これから何度も必要になる、「嫌な」流れを知るヒントがある。
最終まとめの前にこの二人が情報収集について語り合ってるのも楽しいし助かる(笑)。お陰さまで読みたい本がザクザク増えました。

■ヴィンランド・サガ
昨年、一気読みして、新刊が出るたびに飛びつく日々。11世紀北欧。アイスランドからブリテン、ウェールズ、南へ北へ、東へ、やがて西へ。
わくわくするし切ないし面白いし泣くし笑うしマジ燃える。

■坂本ですが?
Kindleで初めて読んだんだけど「オチが見開き」だった際の申し訳なさは異常(苦笑)。

■七つの大罪
かーわいいなーwwでもKindleだと戦闘シーンの山場が見開きで出た際のry

■女の友情と筋肉
ネットで読みつついろんな人に勧めまくっている。祝・一巻発売(これは紙媒体)。
もともとLINEスタンプのデザインからマンガに発展したそうですが、本家のスタンプの方もようやく発売になったので即買い。「がんばれ私もがんばる」の汎用性は異常。(キャスト関連でくじけそうになったときとかよく使う)(黙っとけ)
オンラインでも毎日楽しんでますが、コミックス書き下ろしの温泉旅行編おぉもしろかったー。
最近、大活躍の某変態主任の声を脳内K吾さんで再生するのがマイブーム。DTFならあれくらいの空気は出せる(笑)。

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アンのゆりかご

「赤毛のアン」シリーズの翻訳で有名な村岡花子さんの評伝。
ちょっと前に読んで書きっぱになってた感想をサルベージ。

無人島に持ってくなら母は断固「モンテクリスト伯」だそうだが私はアン・シリーズ。さらにどうしても1冊に絞れと言われたら「アンの夢の家」。話が美しい風景が美しいドラマが美しいかつ凄い、登場人物の心根が美しい、アン・シリーズを読んで感じる幸福感の精髄が詰まってると思う。もう大好き。

この「好き」は作品自体の魅力ももちろんなんだけれど、日本語訳の美しさが心に刻まれてるってことも大きくて。魅力ありユーモアあり、情景が鮮やか、上品だけど辛辣でもある。作品の下敷きになってる世界観、聖書や詩や風景や環境そのものも伝えてくれる…子供の頃は単にお話を楽しんでたけど、何度も読み返すごとに「これ、ハンパなく上質な日本語の作品なんじゃないか?」と感じるようになりまして。

「アンのゆりかご」を読んでなるほどなあ…と思ったのは、根底に村岡さんには高い教育や教養もさることながら、キリスト教やイギリス文学や、さらにカナダの文化や考え方との深い縁もあったんだなというところ。それだからあんなに、もう数十年前の訳なのに、今も深くて豊かな味わいを保ってるんだなあと…「アン」を訳すことになった経緯、偶然や縁の積み重ねがこう、リアルでもあり、ドラマチックでもあり。

読み物や小説が「需要>>>>>>>>>>>>>供給」だった時代、特に十代の女の子が読んで楽しめる作品なんか絶無に近かった時代に、外国のわくわくするような物語を見つけてきて、美しい日本語に訳して広めていった。こういう人たちのお陰で我々オタクが精神的にすごく贅沢に暮らせてる、今のエンタメ日本があるんだよなあ。

一人の女性の物語としても、「翻訳」や「文学」や「仕事」に切り込んだ伝記としても面白かったです。学生時代の記述なんかワクワクしちゃって。時代は違うけど母の行ってた学校にそっくりだな、私より母の方が楽しめるかも…と思って貸したら意外と不評で、いわく「いまさら思い出したくない」そうな(笑)。大雑把で自由な公立共学出身者には、やっぱなんとなく昔のミッション系の上品で厳しくて迷いのない行き方への憧れがあるんだけど、出た人には出た人の言い分があるってことだ。

来週からのドラマがどんな雰囲気になるか、楽しみです。

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読んだり思い出したり

命日の友達を偲びつつ、最近読んだ本の話でも。

「船に乗れ!」藤谷治

★ネタバレです★

全三巻の2巻まで読み終わったとこ。年末のお芝居は観られなかったんだけど(アレ以外なにひとつ)、日比谷シャンテの八重洲ブックセンターにある某コーナーの平積み本、つまり演劇原作系のところに目立って積んであるのが気になってて(ZUCCA×ZUCAの売上が「ワンピ超え」しているという場所柄ならでは)。
音楽やる男の子の高校生活の話、という大雑把な知識だけで読んだのですが、読み出したら止まらない。
大人になった主人公の回想の形で語られていく、少年時代の「僕」の人となりでまず赤面。そして主人公の関わっていく音楽や仲間や先生、さまざまな出来事の情景でずわずわ蘇ってくるいろんな感情に圧倒される。
あの頃なんかしら音楽やってた人、
やってる友達がいた人、
生意気だった人、
子供だった人、
バカだった人、
…ひとつでも当てはまれば溢れる懐かしさと気恥ずかしさとの奔流に足を取られてぶっ倒れて、赤面して転げまわること請け合い。ぎゃー!身に覚え!わー!そうなんだよ音楽の人って!!うぉー!この自分スキーぶりとかホント身に覚えありすぎるごめんなさいごめんなさいごめんなさい!…みたいな。
その時点では本人が気がつかない周りのことごとが、もう大人になった語り手によって語られたり、語られなかったりするのも胸に響く。実は彼らはこうしてくれてたのが今は分かる、とか、あの人はこういう思いだったんだろう、とか、「情景」しか描かれないけどこの場面、絶対この子は彼に対してこう思ってるよ!が見えてくる描写とか。これ、年代によっていろんな感想があるだろうなあ。
そんな楽しいドキドキと「ひゃっほう懐かしい!恥ずかしいー!」で突っ走った1巻。…そこから淡々と、緩やかに、崖っぷちに向かっててくてくと歩いてゆくような、ドキドキの性質が裏返る2巻。1巻とは別の意味で転げまわった。どうなるんだろう、どうなるんだろう(T_T)。

登場してくるさまざまな音楽や楽器や音楽クラスのことごとはとても面白い。音楽用語もいっぱい出てくるんだけど、知らなくても分かるように、すごく丁寧な書き方がされてるのでとても読みやすく。知ってる話なら懐かしいし、知らないネタはひとつひとつがすごく興味深いし。オーケストラの練習のじたばたぶりとか合宿のあれやこれやとかは知らないことばっかりで、ワクワクしながら読み進みました。高校・大学の頃、吹奏楽や音楽部や音楽専攻の友達それぞれの美しさや脆さや攻撃性、実力とプライドと根性努力のぶつかり合いこじれあい、憧れてもいたし、オケだけは無理だとも思ったんだ、そうそう…あぁ、でも、一緒にやらなきゃけっしてできない音楽が作られていく、そんな体験ができてたんなら羨ましい!!!とも思うし。音楽を教える側の人達の手厳しさ、良くも悪くも人間的にこう「抜き身」だった先生方の一人一人を思い出したり。今思えばホント、音楽の先生ってな………(思い出のバリエーションがありすぎて言い表せない)

…いろんな本の話をしようと思ったのに、結局一本だけでタイムアップ(^^;)。

主旨は追憶と本しゃべりだったのでー。
最近「るんせるさん好きそうだなあ」もしくは「感想聞きたいなあ」と思った本を挙げておわる。

・「アンのゆりかご」(村岡花子評伝)
・「ふたりじめ」(戦国ご夫婦のお話連作)
・「ビブリア古書堂の事件手帖」(5巻出たー)
・「炎路を行く者」(流れ行く者の文庫も出てしまった…)
・「7SEEDS」(最近の新巻さんの立ち位置がさもうさ!!!)

またおいおいに。

【追記】「船」三巻読了。
★ネタバレです★

二巻ラストの崖っぷちを越えて、ある意味穏やかに緩やかに描かれていく三巻。ある時点のサトルの決断から先は、淡々と言っていいぐらいコツコツ、でも情け容赦なく進んでいく精神的しんどさに共感しつつ、音楽の作り手としての彼らがひとつの頂点を経験するに至るまでの駆け上がってく高揚感にはシャア!!!となり。わくわくして、感動して、ぃやったぜ!!…ってとこから、幸福感や充足感とはぜんぜん違うラスト(っていうより語り終わり)に至る。うん、行こうか、って頷いて終わる感じ。あぁうまく書けないなあ。
本当に、音楽のような、「体験した!!!」って感じの、多彩でしんどくて深くて鮮やかな物語でした。読んでよかった。

最後に心の叫び。
前にも書いたけど淡々と語られる周りのメンバー一人ひとりが本当に深いっていうか、豊かというか…それぞれの思いが胸にザクザク来て脳内で叫ぶ叫ぶ。

特に鮎川(T_T)、そして

伊藤ーーーーーーっ(T□T)

もう切なくて切なくて切なくて転げまわった。一巻からこっちいちいち彼の内心を想像して「あぁぁぁ…津島あんたさぁ……」と思ってきたけど、寂しさも清涼さも見事に、綺麗に昇華した屋上の場面でした…家に帰ってきて「シランクス」検索して聴きながら泣いた。ちょうどマンガ版のエヴァンゲリオン読んでたので伊藤のイメージがまんま渚カヲルに変換されて困…らなかったり(そういえばシンジはチェロを弾くんだ(爆))。

うぅ、お芝居観に行くんだったなあ。

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ろっくとーく

超人ロックの「アストロレース」を久しぶりに読みたくなって古本屋を探索。

ロックは昔、少年画報社版(商業誌ではいちばん古いやつ)を一通り持ってて、中学高校の頃何度も何度も何度も何度も読んだのだけどずいぶん前に手放しちゃってそれっきり。
久々に読みたいなあ、と何年も思ってたんだけどこの度ひさびさにブックオフで何冊か見つけ。96年ごろに出た文庫版で、アストロレースないなあ、と思いつつ他のエピソードをぱらぱらめくってった…ら。

…あのさあ。あのさあ。いつのまに こんなに 加筆 ……(絶句)

いや、量は多くないんだけど、話のキーになるところがさらっふわっさくっと1、2ページずつさしかわってて、それがまた、その内容がまた、

★★いちおうネタバレ警報★★

シャトレーズのラストでロックがミルバに一緒に暮らそうって言うとか!!
ロックがテオに「お前たちは家族」とかしっかり父親ヅラしてるとか!!
「魔術師の鏡」でフランがロックに「さようなら愛しい人」って言うとか!!!!!!!

なにそれ。ななななななにそれ。少年画報社版で「あぁぁそっけない。なんてあっけない。このそっけなさがロックなのは分かってるけどそれにしたってあまりにも名残惜しい!!」と歯軋りしていた場面、その全てに優しいオチがついている………。トレスの「セテの結婚式があるのよ!!」にゃ笑った笑った…。そして加筆してさえ悲惨なほどあっけなかったラグとレマの最期(T_T)。

そんなこんなで、うちに帰ってユーズド全巻大人買い(A席一回分以下だけですけどね。本は安いね…)ここしばらく浸ってます。ああロックはホント楽しい。

加筆場面たぁくさんについてはまたいずれ。本来の目的だった「アストロレース」について。

今でもあちこちで新シリーズが出てるロック、骨太の硬派未来史っぽい部分も大好きなんだけれど、その中で「一息入れようか?」って感じでたまに挿入される単行本一巻分のエピソードが大好きで。「シャトレーズ」とか「神童」とか「ソリティア」とか好きな話いっぱいあるけど、中でも別格なのが「アストロレース」。

ときは銀河帝国がそろそろヤバくなってきてSOEが胎動し始めたころ(オタクならこれで特定できる(^^;))、星間耐久レースで活躍するベテランチーム、デイブとヒルは、ポッと出の凄腕レーサー、イライザ・シムノンに出会う。彼女の正体は、ある任務を帯びたロックがレースに紛れ込むため変身した姿だった…。
ロックの女性化自体はこのシリーズ全然珍しくはないんだけど(笑)、どっちかというと若くて可憐な「ライザ」の流れが多い中、このイライザ・シムノンは珍しい「キュートな大人の女性」。有能で愛嬌もあって、抜群のセンスでレースを進めつつイカサマも相当にこなす彼女に、ちょっとよろめくデイブ。このへんの機微やレースの成り行きだけでも楽しいんだけど、繰り返し読んでしまうのがイライザの台詞

「テクノロジーは常に進歩するとは限らないわ。時にはすばらしい技術やアイデアを、過去においてくることもある。人類の一方的な都合で…ね」

もうこれ至言としか言いようがない。読んだ当時はイライザが、連邦末期のUAIの機体に乗ってるからこそこの台詞…ってところでグッと来たものなのだけど、今では仕事に重ねて胸の深いところにささる(笑)。はじっことはいえここ10数年の業界の変遷を見てきて、技術的ないったりきたりやら、ン10年前のアイデアの凄さやら、進化する技術やら、優れていても廃れていってしまう技術やらを目にしてきてる、そういう今では、「ホンッ……とだよねえ」ともうなんか泣くほど感動する。

…単純な話として「なんっであんた自分のアイデアをたかが2年で忘れるかな!」という優秀かつ忘れっぽい男性陣へのぼやきも混ざってますが(笑)。いわゆるIT業界って、よく言えば切り替えが早い、悪く言えば短絡的、過去に固執しない(しなさすぎる)人が多いというか。だからしつこく昔のことを覚えてる女子は、そういう過去の財産を彼らに思い出さすだけで食ってける面もある(笑)。まあ贔屓といい、さくさくと終わったことを忘れていくから「今」にあれだけ集中できるんだろう(いきなり話とんだ)。

レースネタとしては最近完結した「嗤う男」も面白かった…ロックが奴隷にされて(されたふりをして)辺境のエアバイクレースに潜り込む話。奴隷ネタのがんばった感はともかく(爆)、最初サドだけどレーサーとして開花するヒロインとか、レーサーたちのキャラが実によかったです。セテ・マイノックがロックの変身レパートリーとして定着してんのにもワクワクしたなー。
そしてこれ、イライザで出ても面白かったんじゃない?と今更思った(笑)。

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まんがとーく(19世紀英国縛り)

「ジキル&ハイド」効果による19世紀イギリスものぷちブームにつき、主にマンガネタいくつか。

■黒博物館スプリンガルド(藤田和日郎)
時代的に50年ばかり遡るけれど英国・ロンドンを舞台にした怪奇譚。1830年代以降に跳梁したといわれる「バネ足ジャック」伝説を元にした物語。切り裂きジャックが登場するまで、英国で「ジャック」といえばこれだったそうで…ちなみに「ジャック」ってイギリスでは「なんとか太郎」くらいの意味合いで使われるんだって。
不気味かつロマンティック、かつ藤田氏お得意のこう、微笑みながら泣いちゃうような切なさ優しさもたっぷり。聞き手のキュレーターさんにシンクロしながら「それでッ!それでどうなったのでございますか~!!」とのめりこんで一気読み。
たしかこれ「からくりサーカス」が完結したぐらいのころに出た単品だったと思うけれど、あれにも通じる中世~近世ヨーロッパの昏さ不気味さ美しさをどさっと詰め込んだ一品でございました。あ、あと外伝でメスマーさんがネタになってる(笑)。

■エマ(森薫)
こっちのエマはメイドさん。大っ好きな作品です。アニメタイトルの「英國戀物語エマ」には「そうなのか?まあ、そうなのか…」と当初ポスターの前をいったりきたりした(笑)。
これも舞台は19世紀末、ラストで20世紀に入ってるくらいなのでジキハイ年代よりはちょっとだけ後なのかな。事件やら血なまぐさい話は出てきませんが、当時のイギリスの世相、習慣、貴族やジェントリの社会、社交界…なんてあたりにとてもしっくりと浸れる。
今回やたら読み返したのが外伝に出てくるアーサーの学校時代のエピソード(笑)。寄宿学校の生活や学校の先輩後輩関係、監督生の役割やクラブ活動、自然~な描写の中にもの凄い情報量で「イギリスの学生生活」が組み込まれていてナイスです。だいぶヘンリーたちの学生時代はこれで脳内イメージ補完しました(笑)。

■ジョジョの奇妙な冒険
こないだ読み返したばっかりなのに第一部がほぼジャスト1888年だって忘れてた。そういえば切り裂きジャックも登場してたっけ。ジョナサンとエリナの運命もちょっとヘンリーとエマに重なるし…DIOはエドワードで…うわあはまる。エマの未来図ってきっと第二部のエリナばあちゃんみたいな感じ。スピードワゴンはジョンというよりプールですが。
ところで贔屓役者をJOJOキャラにあてはめるとシーザーか花京院かブチャラティかウェザーリポート…方向性が全部違う(^^;)四部ならイタリア料理店のトニオさんやってほしい…いや吉良吉影ぜったい行けるけど怖すぎて想像力が発展を拒んだ。わかるひとだけ笑ってください。

■原作ネタもうちょっと
「ジキル博士とハイド氏」を読んで凄いなコレと思ったのが、あの薬は人の心を善と悪に分離するんじゃなくて、人格の中の精髄を抽出し、閉じ込め抑圧した自己を開放するものだってところ。原作のジキル博士自身も言ってるけど、混合体である複雑な人格から迷いのないスピリットを抽出した結果がジキルの場合、あのハイドだったのであって、動機とか人格とかもともとあんなにアレじゃなかったら出てくるものは天使であったかのも知れない…というあたり。
「なに、それじゃミュージカルのヘンリーの動機はお父さんのためだし『科学の発展と人類の幸福』を目指してたんだからエンジェルハイド出ちゃうじゃん天使の声ーー」とか思ってみたり、「いや、結局薬の効能は原作と同じだけど、ああ言っといてヘンリーの深層は理事会メンバーを憎む当たり前の暗さを持ってたからハイド化した…って考えてみても辻褄は合っちゃうなあ」と思ってみたり。
もう一つうわあ…と思うのが意識の話。ハイドもジキルもぜんぜんお互いの記憶やら、意識まで共有してるってところ…彼にとっては「矛盾を抱えた人間」の葛藤と「純粋で自由な魂」の快楽が切り替わるだけで、ハイド時に犯した犯罪も、その時感じたこともがっつり覚えてるっていう(^^;)。そう思って読むとアタスン氏とハイドの会話とかまたスゴイ。

あれもこれも何度も読みたすぎるー。

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原作を読んだ

古本屋で「ジーキル博士とハイド氏」を目にしまして。なんとなく読みそびれてたけどいい機会かな、と思って手に取りました。そんなに長くない中篇なのと、内容が面白いのとでさくさく一気読み。

いや私、根本的に勘違いしてたわ、この話(^^;)。
こんなおっかない物語だと思わなかったです。

★★★原作ネタバレです★★★

前半はアタスンの視点で物語が進み、後半はジキルとアタスンの共通の友達であるラニョンの手記、そしてジキルの手記という形で語られる今作。
確かに物語を読んだ記憶はあったんですが(ドラえもんはおいといて)、やっぱり少年向け推理小説シリーズか何かだったみたいで、ジュヴナイルではストーリーはともかく話のエッセンスが全然入ってなかったんだなあ、と分かりました…いや、ムリだってこの話、怖すぎてデフォルメのしようがないわ(^^;)。

まあ何が怖いかって。

ジキルが本気で怖い。

実験の動機が怖い。ハイド化後の動向が怖い。その後の堕落っぷりが物凄い。善行の理由がなさけない。当然のように訪れる末路が悲惨そのもの。
あと元々性格がかなりアレ。

悪かった…ミュージカル初見のころ石丸ジキルをマッドサイエンティストなんて言ってホントーに悪かった。原作のジキル博士に比べたらミュージカルのヘンリーなんて天使!マジ天使!!

(あ、天使といえばアタスンさんはたぶん背中に羽はえてる)

ミュージカル版とはほとんど共通点がなく、時代も19世紀であることくらいで、ほぼぼかされてますね。ジキルもアタスンも50代くらい?だし、スティーブンソンの年を考えると「1888年」ぐらいの話であったとしてもおかしくないんですが、ストーリーはけっこう長い期間を扱ってるし。前に書いたようにこの作品が出たのが1886年なので、ミュージカル版で1888年9月にしたのはやっぱり切り裂きジャックきっかけなのかなあ。

サー・ダンヴァース・カルーは原作にも登場するけれどもエマもルーシーもいないし、理事会メンバーも原作には登場しない(そもそも理事会とかそーゆー世の中のしがらみにちゃんと縛られるようなハカセではない(^^;))。
あ、プールだけはまんまでした(笑)。

しかしジキルとアタスン(とラニョン)はやっぱり学生時代からの付き合いで、ハイドがとある犯罪で凶器に使ったステッキはアタスンがジキルに贈ったもの…という設定はちょっと嬉しかった(笑)。

そしてちょっと胸をつかれたのがアタスン氏の性格で。「ハイドという悪人とジキルに繋がりがある」と知って、友達が酷い奴に苦しめられている様子を想像して自分が苦しむ、そういう誠実さ。過去にそれなりにいろいろやらかしてるけど、「まあまあ無傷」な自分の生涯を思い起こせるまっとうな潔白さ、つまりはバランス。
パーマの人とは顔も様子も年齢も違うし(おそらく絶対髪型もちがうし)、あまつさえ友達をオンナノコいる店に連れてっちゃったり踊っちゃったりはもちろんしないんだけれど(笑)、根本的に「見捨てない」人なんだということ。「堕落してゆく人たちと最後まで立派につきあってやり、最後までよい感化を与えるような廻り合わせになるのだった」…ほんの2ページ目でほろっときたよ(T_T)。

つながる部分、つながらない部分、いろいろでしたが、とにかく面白く。お芝居のほうを考察していく上でもたいそう興味深い作品でございました。

いやそれにしても怖いわドクタージキル…(要約すると身もフタもないのでカットしましたがこれこそ真のMadness(^^;))

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本とマンガの話

最近たまたま続けて読んだ二冊。

■聖おにいさん
おーもーしーろーいー。普通に面白いからこれだけ大ヒットしてるんだろうけど、自分キリシタンなのでやたら細かいとこで笑えて仕方がない。
こう子供心に「その態度はなんなの」と思っていた聖殿で迷ったイエス様12才の両親への反応とか、「カナの婚宴」でのマリア様への「婦人よ、それが私に何の関係があるのですか」、とか。普段から「聖書の表現」と「現代の普通の世間の(さらに日本の)価値観」に距離を置く習慣があると、ああみんなそう思ってたんだ、と笑ったり、その解釈全然アリじゃん、再発見したりするのがとても楽しいっていう。さらに下手すると本気で「うっ…」とか感動してることもあるという…踏絵ネタの「私リアルで踏まれたって全然怒らないから」とかラファエルの「悔い改めるきっかけがそれでもいいと思ってます私」とか素で嬉しかったし(場違い(苦笑))。あと今回の最新刊、ペトロの「どこにおいでになるのですか?」ものた打ち回って笑った…なんて穏やかなクオヴァディスドミネ。
そんなキリスト教ネタの秀逸さから察して、仏教わからないけど「あーそうなんだーハハハ」って笑える部分も結構深いネタが隠されてるんじゃないかと思います。いろいろ読んでみたい。やはり手塚治虫から入るか(笑)。

■ヨブ(ハインライン)
いっぽうキリスト教の人は人でこういう作品を書いてるわけなんだけど(笑)。「ヨブ記」をモチーフに書かれたハインラインの長編。あと「ファウスト」もかな。
普通に聖書読んでる文化圏の人は掘り下げ方がよりシビア。主人公はコチコチの聖職者(というか原理主義的な聖書の専門家)、愛する人がクリスチャンではないことに対して、本気で「彼女は救われない」って思っちゃう、「自分で本気で信じていることに基づいて他者を救おうとする」ことの愚かしさと誠実さを両方、ユーモラスに、かつ優しく描いてみせる、この辺がさすがハインライン。
旧約聖書の表現の苛烈さに対して「なんでこの神様が新訳の優しいイエス様になるのか納得できない」って率直に言っちゃうマルガレーテの言い草とか、「魔女狩りは欽定訳聖書の誤訳がきっかけだった」みたいな話とか、コツコツ「それでいいの…?」と主人公に語りかけていく展開の末に、キリスト教的な意味での「終末」が訪れる。…それ以降はそれこそリアル「聖おにいさん」の世界なんだった(笑)。いや凄いわこれ。

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ダルタニャン物語

飛行機の中で「ダルタニャン物語」の11巻を読み終えました。
休み休み読んでたんでずいぶん長くかかってしまった本作ですが最後は一気読み。


以下、第二部と第三部それぞれ雑感。
★★激しく原作ネタバレです。★★

第二部「二十年後」
リシュリュー枢機郷の死後、宰相マザランの時代に起きたフロンドの乱。フロンド派のアトス&アラミス、王党派のダルタニャン&ポルトスと敵味方に別れてしまった四人…なんだけどイギリス行ってチャールズ一世とか助けたりしてるうちにいろいろうやむやになって合流・四銃士大活躍ーみたいな。

若い頃もそこそこ腹黒かったダルタニャンは「悪魔かあんたは」と言いたくなるくらいの緻密な頭脳と行動力をもつ油断のならないおっさんに成長。アラミスはアラミスで陰謀家としてダルタニャンと渡り合いはじめる。ポルトスは体格はラオウみたいになってるけど難しいこと考えずにダルタニャンやアラミスにいいように動かされちゃう、でも心の底では全員から尊敬されてる気高さも持つ人。
こんな3人の精神的支柱になってるアトスが実は第二部ほぼ主役。なんかすっかり素晴らしい貴族の鏡、王権神授説死守の人になっちゃって、あらゆる人に信頼され、すべてにおいてカッコよく、何でこんなに作者に愛されてんの、ぶりが第一部より凄い(笑)。でも本人はあくまでダルタニャンを立てるんだった。

宰相マザランは守銭奴かつ油断ならないおっさん、リシュリューには及ぶべくもない人物として描かれるけれど、史実の上ではダルタニャンが主として仕えたのはこの人なんだそうですね。
そのマザランに一貫して敵対するロシュフォール、一部ラストで和解して以来ダルタニャンとはいい友達。出番は少ないんだけどいちいちカッコいい…第二部冒頭で「ひゃっほう!」ラストで「うぉぉぉい!」とか叫んだのは私だけじゃあるまいよ(T_T)。

そして悪役。第一部の感想を一言で言えば「や、もう、ミレディーでしょう(笑)」なんですが二十年後は「はっはっは、モードントでしょう(笑)」ってなるのかな。ミレディーとド・ウィンター伯爵(アトスの後の夫)の間の子供であるモードント、母親の復讐のため四銃士、とりわけアトスをつけねらう…しみじみデュマ作品には後の娯楽王道プロットのすべてがあるよね(笑)。つか「彼女には子供がいたはず」って第二部で初めて飛び出した台詞ですねデュマ先生(舞台「三銃士」で最も原作準拠な台詞は「ツッコミはやめて」だと思う)。にしても一部ラストのミレディーの結末に対して、リルの首切り役人を筆頭に結構全員後悔してるのには「何だよ今更…」と思った(T_T)。

少年王ルイ14世、幼いルイズ・ラ・ヴァリエール、そして一応第三部の主人公であるブラジュロンヌ子爵ラウルもそれぞれ登場。ラウルがアトスの子、なのはすぐ分かるけれど母親がかつてのアラミスの恋人(ハンカチの人ね)シュヴルーズ夫人だったのにはぶっとんだ。この人第一部でも陰で大活躍してて、芝居とかでクローズアップしたら絶対に面白いキャラだと思うんだがなー。

第三部「ブラジュロンヌ子爵」
第二部のさらに10年後、ダルタニャンは50代。チャールズ2世の王位奪還、ルイ14世とルイズ・ラ・ヴァリエールの恋、マザランの死、コルベールの台頭、財務郷フーケの失脚…といった史実に絡めながら、王家の隠された王子フィリップを巡るアラミスの陰謀劇が展開する第三部。一部、二部に比べて史実ネタが多いせいか、若干王家の恋模様で間延びした感あり(サブタイ「三つの恋の物語」っておい)…とはいえ史実が頭に入ってるフランスの人にはその辺のくだりも面白いのかも知れない。

アトスは序盤にイギリスでまた大暴れ(笑)する以外はおおむねラウルを見守る存在として陰棲し、いっぽうアラミスは秘密結社の長の地位を得て大陰謀を企てる。
第二部ではなんだかんだ四銃士また仲間として戦えたけど、第三部後半はアラミスの陰謀とそれに巻き込まれるポルトス、銃士隊長としてそれに敵対せざるを得ない中、どうにかして彼らを助けようとするダルタニャン、という構図。終盤はドキドキしながら一気に読みました。それぞれの結末にはもう泣いた泣いた。

成長したラウルは父に似て素晴らしい軍人になったものの、幼なじみで婚約者のラ・ヴァリエールに裏切られ、失意のうちにアラビア戦線へ赴き…。
タイトルロールをタイトルロールと呼べないのは第一部同様(笑)ラウルいい子なんだけどね(T_T)こいつさえ幸せになればアトスはもちろん四銃士全員報われたのになあと思うと、幸せになってくれなかったことを本人に対して恨みたくなる。

あっちへフラフラこっちへフラフラの連載小説である本作、歴史上の出来事の裏側や実況、フィクションや史実を行ったりきたりで「なんでそうなるかな!」とか「その人そのまま放置ですか!」とか(約二名実に納得いかん(^^;))、「それでいいのかルイ14世!」「ラ・ヴァリエール爆発しろ!」とか実にいろいろありました。
けれどもそんな中、四人の友情だけは見事に一貫してこの大河小説を貫いているあたりがやっぱ凄いし気持ちいい。

再発見だったのがラストのせりふ。昔、第二部で挫折した時に斜め読みしたダルタニャンの死に際の台詞「アトスよ、ポルトスよ、また会おうぜ!…アラミスよ、永遠にさようなら!」というフレーズ。アラミスとは袂を分かってしまったゆえ、この言い方なんだろうとずっと思っていたのだけど。
実際読んでみるとそうではなくて、既にこの世を去っているアトスやポルトスにはこれから会いに行く、まだ生きているアラミスに対しては置いてゆくゆえの「Athos, Porthos,au revoir.Aramis, a jamais, adieu!」だったのかも知れないなあなんて。

貴族の鏡、偉大なる人として描かれるアトス、陰謀家としてリシュリュー顔負けの権謀術策を繰り広げるアラミス、そのアラミスにだまされたりダルタニャンに丸め込まれたりしながらも一貫して真心を貫いた真の巨人であったポルトス。ルイ14世という主君と渡り合い、反発しあいながら、最後まで「国王の銃士」であったダルタニャン。そして彼らのただ一人の相続人として幸福になるべきだったアトスの息子ラウル。
それぞれの輝きを追った華やかで残酷、愛情深くてそっけない物語。素晴しい娯楽小説でありました。

…ミュージカル4,5本作れそうだよね実際。いまのキャストでやらない?(笑)

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まんがとーく(作者固定)

和田慎二さんが亡くなった。と聞いて今日一日頭をぐるぐる回った作品たちについて書き殴り。
長編・短編ごたまぜです。

■スケバン刑事
夢中でした。何回読んだか知れない。未だに8月20日が来ると毎年「グランド・スラム作戦だー」とか思うし(笑)。
第一部の頃の荒削りな雰囲気も、第二部の緻密な迫力も大好きでした。当時も今もハードな話だなあと思うけど、それを補って余りあるこう、爽快感てか気持ちよさはなんなんだろうなあ。
自分、言葉遣いがかなりアレなのは基本的に親父の影響だと思うんですが、影の責任者は麻宮サキかもしれねぇ(笑)。彼女みたいなキャラクターはこれまでもこれからも出てこないだろうなあ。後の「スケバン刑事if」であんだけ設定が裏返しになってもキャラにブレがないあたりも凄かった。
うち三人姉妹なんですが全員、全員好きでねこの作品…ドラマ版は全員で「えーーーー」呟きながら観たモンですが二代目「少女鉄仮面伝説」になってから完全に情が移って「これはこれで」になったことも懐かしい。

■超少女明日香
通勤路にヘチマが植わってて、この気候でみるみる育ってく様子を見て「久しぶりに明日香が読みたいなあ、その後どうなったかなあ」と昨日ちょうど思ってた…(T_T)。
これは未完になっちゃったな。
「ウェディング・スター」のラストが本当に悲しかったことを今でも覚えてる。明日香には幸せになって欲しかったな…。ほんの少し、今度こそ和也と幸福になるほんのちょっと手前まで行って、それを失ってしまった瞬間が、シリーズ中で一番辛かった。

■銀色の髪の亜里沙
面白かった、本当に面白かった。読んだ年代とインパクトの問題かも知れないけどエドモン・ダンテスより亜里沙の復讐劇のほうが魂に刻みついてる気がするなあ…ごめん母ちゃん(母はモンテクリスト至上主義)。あ、神さんも似たような境遇辿ってるか(^^;)。

■我が友フランケンシュタイン
一話完結×4の名作(実はプラスアルファあり)。面白いわ濃いわファンタジーだわ説得力あるわで…サイラスはどこに行ったのかな…。

■快盗アマリリス
怪盗マンガととるかアイドルマンガととるか(笑)両方楽しかったなー。映画編で「明日香」を作るあたりなんか単体で読んでも楽しくて楽しくて。
当初、ヒーローのつもりで出てきた(しっかりしたキャラにするために神さんから三文字ももらったという(笑))カガミさんが、後から出てきた海くんに完全にその地位を持ってかれるあたりも好きでした(第三勢力が持ってくパターン大好き(笑))。

■忍者飛翔
これもほのぼのハードで好きなシリーズ。知らないうちにずいぶん続きが出てる…。「ゆかり」くらいまでしか読んでないなあ。ね太郎の方が飛翔よりはるかにカッコイイのは明日香が変身前のちんくしゃモードの方が正体よりずっと魅力的であるが如し。

■あさぎ色の伝説
あのホントにマジこれ復刻難しいんでしょうか(←元のコミックスもいくら探してもないし4巻以降もあるって最近まで知らなかったしで号泣)

■少女鮫
…これは堂々と残念な完結、さよなら花とゆめ(^^;)。アルの子供時代に未練があるままに終わってしまったけど、成長したアルの物語をもっと読み続けていられたら絶対好きになれたと思う(T_T)。

■深海魚は眠らない
「スケバン刑事」後のムウ・ミサ主役の短編…単品ミステリーとしてはこれと「オレンジは血の匂い」が双璧。ムウ・ミサの探偵事務所話は続いて欲しかったなあ(あったならやったであろうことはアマリリスが実現しているわけだけど)

余談だけど昔ファンロードのシュミ特かなんかで「その正体は、ムウミンさ」というのがツボにはまって未だに抜けません(どうしてくれる)。

…もうひとつ今日あたまを回って仕方がないんだけどパタリロのネタで、バンコランが電話してきたときに「わたしだ」「たわし?」「わ・た・し」「和田慎二先生が何のご用で?」っつう会話が…もう懐かしいわしんみりしちゃうわで今日はカオス。

■タイトル忘れたドリームチームネタ
アマリリスとムウ・ミサと飛翔が、「謎の黒幕」から依頼を受けて「あるもの」を探しに行く…登場人物のラインナップだけで血沸き肉踊ったね(笑)黒幕の素顔といい「あるもの」の正体がわかるくだりといい!!

■ピグマリオ
ちょっと前に一気読みしたのだけど、あらためてスゴイ話だなあと思った。終盤の「母」というものの描かれ方にゾクゾクして、その勢いで読んだあとがきマンガでまたぞわっ…と来た記憶があります。ちょうどこの作品の終盤手前で奥さんが亡くなって、しばらく何もできなかったこととか、復帰してから、ラスト手前のある台詞に辿りつくくだりとか…。
あとおまけのパラレル話が幸福で幸福で涙が出た…。

いずれも大好きな作品。
思えばいつも「この作家だから読もう」じゃなくて、作品に出会って、その作品を好きになってたんだなあ、と思います。身近でいつも懐かしくて、何度でも面白く読める物語ばかり。

…やっぱりなんか未だに訃報がピンと来ない。
サキが、明日香が、神さんが沼先生がサイラスが、現在形で大好きです。

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「天翔る少女」新訳が出た。

創元推理文庫の新刊棚で好きな作家さんを見つけてほくほくしてたら隅っこにハインラインの「天翔る少女」の新訳版が。うわあ、この話大好きなんだよな!と思って手にとってパラパラと。

けっこう全体に手が加えられてるっぽくて、主人公ポディの一人称で語られる口調があちこち今風になってて読みやすくなっった印象。そのうちGETして全体読み返そう、とか思いつつ、このへんのジュヴナイルを本屋で手に取るとついつい好きな場面をがっつり拾い読みしてしまうので(^^;)おおむねつまみ食いしてしまった。もったいない…。

しかしその勢いで読んだ解説にのめった。

★★★ネタバレです★★★

「ハインライン、ひどすぎ」の前振りにおおお?なんでなんで?とワクワクしながら読み進んだものの、そのヒドさ(おおむねポディの扱いに関する)については思ってもみないことばっかりでびっくりした。

いわく、これ全体がポディっていう自意識過剰のイタイ少女が宇宙旅行しながら酷い目に遭う話、っていう評価に近いんだけど(要約しすぎかもですが)。
…まずポディをイタイと思わない私がおかしいんだろうか(^^;)。いかにもハインライン調の、溌剌として頭が良くて、周りに愛される方法を知ってる、勇敢で正直、だけど根が優しいからちょっと現実に対して甘く出てしまう女性(まあハインラインだからさ完成形はそりゃパーフェクトさ(笑))…の、少女時代。「酷い目に遭う」って面も確かにあるけど、他のジュヴナイルみたく精神的に叩きのめされる要素は少ないと思うんだけど…。客観的にみて残酷だ、と言いたいのかもだけど。

特に驚いたのがラストに対する評価。
政治的理由で、おじのトムを脅迫するために誘拐されてしまうポディと弟のクラーク。天才クラークの冷静かつ冷酷な作戦行動で二人とも脱出するが、妖精の赤ん坊を助けに現場に戻ったポディは大怪我をしてしまう。
でトムおじさんが、慌てて電話してきたポディたちの両親にぶち切れるところに「おかしいんじゃないの?」と。
トム叔父さんは、ポディの大怪我も、クラークの性格が壊れてるのも両親が放任してきた結果だ、という。まずこの台詞自体にメッセージ性はなくて、単にジュヴナイルの隅っこに「大人の視点」をさしてふと「あ、そっか」って思わせるハインラインの手法だと思うんだけど(^^;)、「ポディも別段両親に文句言ってないし、クラークだって根はいい子だと思うし」…ってその行間に風穴を開けるのがいいんじゃん。解説者は母親に「家にいないからだ」って言うところもカチンと来たみたいだけど、おじーさんが身内に対してそういう言い方をチョイスするぐらいいいじゃない(^^;)。
(余談だけどこのトムおじさんの台詞は旧訳の冷静っぽい口調のが好きだったりする。その辺の印象の違いもあるのかな…)

ポディの語りでは一貫して「生意気な弟」として書かれてきたクラークは、ラストへきて彼の一人称で語られる中で、大人顔負けの判断力と冷酷さを持つ、自覚のないいびつさを持った子供として描かれる。
おじさんはクラークの幼くして完成されちゃったかに見える残酷さを知って「もうダメじゃないか」と考えてる(読者も「ああヤバイよこの子…」と思いながら最終章を読んできていると思う)。
それに対して、実のところポディを心配してるクラークが、「仕方なく」世話をしている妖精の赤ん坊に対して「こいつ僕のことが好きなんじゃないかな(旧訳)」っていう語りで締める、このラストがいいんじゃん(^^;)。
おじさんは気づいてないだけで、クラークには救いがあるかもしれない…っていうヒキに対する読後感が大好きなんだけどなあ。

しかしながらこの話と「ルナ・ゲートの彼方」をハインラインの「ひどいよシリーズ」と呼んでるという記述には爆笑と共感。
確かに酷いんだ。むしろ大人向け小説よりジュヴナイルの方が読み手に厳しい、そのへんがハインラインらしさの一つだってことには異論はないのです。
でも「ルナ・ゲートの彼方」もそうだけども、苦難を乗り越えて成長し一歩一歩山を登ってきた主人公たちの、後ろ頭をこづいて頂上から谷底に落っことして、そこから見上げる月の美しさを示して「ま、がんばれば?」って終わる、こういうのを十代にぶつける精神ってそんなヒドくもないかもなーとも思うんだ(笑)。

まあ同じこと思ってるのかも知れないけれども。
あまりにもモヤモヤしたので吐き出してしまった(^^;)。
「この話が好きな人は読んじゃダメ」って、ネットのレビューならともかく売ってる本の解説で言われてもなー。好きなら読まないわけにいかないじゃん。

あ、「タイトルが合ってない」って意見には心の底から同意です(笑)。

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