カテゴリー「レディ・ベス」の66件の記事

スペインあれこれ(拾遺)

「レディ・ベス」大阪語り残し、スペインまわりこまごま。

■キューあれこれ
「やめろ、わかった、進めろ、恐怖の結婚」でルナールは台の上で胸に手を当てて軽く一礼する。
で最後の「クールヘッド」の決めポーズの手前、キューをルナールからフェリペに渡す、ここでルナールがフェリペに目を合わせて頷くっていう動線。これは私は古川Verでしか見てないんですが、限定かたまたまかは不明。ちょっとしたバトルだった「クール・ヘッド」の締めであるこのタイミングで、ルナールから王子へのプラスの意志表示が入るのが好きだったんですよね。ほいで正常モードで「結婚式は…」ってフェリペが聞いてない、そこでまた舌打ち、っていうアップダウンもまた楽しい。

■「もういい、飽きた!」
平方王子。「アッハハハハハ誰の番だ?」「殿下の番でございます」このモードじゃウィンチェスター云々はそりゃ聞いちゃもらえないよと思う(笑)。
「もういい」→キューを放る、「飽きた!」
ここでフェリペは別段、ルナールを見ない。飽きたから他の遊びしよう、みたいな。この古川Verと真逆の「飽きた」もとても好きでした。なんていうか、ベクトルがルナールにも、誰にも向いてない。単に世界の中心である自分からパッと散らした言葉、周りは俺の意思表示に合わせて動くって信じてる「あきた」。この「自己を中心とした世界観」っていうと固いけど、こう、偉そうなんだけどそれが自然な感じ。ああ、王子様だなーっていう。(これが「王様」になれば自分中心でいながら周りも認識できるんだろうなっていう、そういう意味でも王子様(笑))。
余談ですがキューを放った時点でも平方君はあんまりルナール見てないので、わりと危険な飛び方をすることもあった棒をテキトーにどうにかする大使にいつもときめいてました(アレを中心とした世界観)。

■「もういい、飽きた。」
古川王子。東京楽でさんざん書いた舌打ち返し(笑)、大阪序盤ではなくなってたのが千秋楽では復活してて嬉しかったです。
「もういい」→キューを放る、ルナールを見たままこれみよがしに舌打ちして「飽きた」。ルナールは微笑したまま。この両者の楽しそーーーーな顔が本ッ当に好きでね(笑)。王子の笑いは嘲りととってもいいし宣戦布告とみても楽しいし、何が来ようがルナールは受け止める、それを楽しくやってんだなってあたりもゾクゾクするし。

■グラスの話
古川王子はなかなかグラスを置かない、かつ自分に寄せて持ってるので(平方君はベスに語りかけながら右手でサッとグラスを置く)、後ろのルナールがなかなか安心できない(笑)。王子のグラスをガン見して、よし、テーブルに置いた!ってところでやっと目を離して「警備兵ー!」叫ぶ。つぶやきにも書いたけど、往年の岡田マリウスが階段下りてちゃんと床に降り立つまでの吉野アンジョの視線ロック(「お前の危なっかしさに俺だけはだまされない」)が思い出されてたいそう楽しかったです。

■最後にちょびっとルナールの話。
今期、出番的に割を食ったスペインですが、東京楽ぐらいには「これは、楽しい!!!」となって結局大阪楽では「やっぱり、面白い!!!!!」となったにはなった。

再演ものでは基本、「全部ぶっ壊して新しい作品を」というスタンスに見える圭吾さんですが、今回みたく「壊してほしくなかった」作品において(言い切った(笑))それがどう見えたか、というと。

「いつものスクラップアンドビルドって本当はこういうときの為にあったんだな!!」という結果でした(^^;)。シンプルな怖さ、ストレートな黒さ、くっきりした「スペイン第一」っていう「軸」をまずドカンと据えて、そこに少しずつ味を足していく。初演で好きだった、メアリーに対する表層の優しさとか、ガーディナーとのキツネとタヌキの化かし合い表現とか(相手に隠れて酒をこぼすとかああいう)、あの頃だから成立したディテールは普通に失われ、そこに惜しさはあるんだけど「まあ今回の尺ではこの方が面白いよな」っていう納得。

なんせ、実にこう、あからさまな黒さだった(笑)。「ルナールは悪じゃない」って理屈はわかるけど黒いんだよアンタ!!!みたいな。ルナールの価値観てスペイン>>>>>>>>>>>>>>ほか、だと思うんだけど、イギリスは敵国なので「ほか」にすら入ってない。考えようによっちゃ「えいこくのためです。」って一番ヒドイ台詞だよな。

そして大事な「軸」のひとつ、「ルナールの芝居は王子次第」。初演もとことんそうでしたが、スペインの出番が減少してシンプルになったことで、王子による違いみたいなものが、前よりくっきりした…っていう結果もあったんだ。これは意外だったし、今年は今年で楽しかった理由は結局それだったりして(本音)。
フェリペはルナールにとっては「スペイン」の要なので、結果、毒のシーンではああいう動きになるんだろうなーという納得感が常に嬉しかった。

そしてこの「フェリペはスペイン」であることがこの先どうなって行くか、って考えるのも楽しかった。仮説だけどフェリペがスペイン国内で反乱を起こしたらルナールは平然と彼を粛正したかもしれない(そしてタイミングによっては返り討ちに遭ったかもしれない(笑))。その時の国力のバランスを冷静に判断して決めそうだから、スペイン王(神聖ローマ皇帝)が支配者として優れていればそっちが優先、王子がスペイン王に相応しいと判断したら味方する。こういう想像は王子が強くなった今回Verじゃないと出てこなかったと思うし。

つらつらと今期なりに楽しめたのはやっぱりスペインがあったからだなーという感想です。
いや、次があるならいっっっっっぱいあるけどな言いたいこと。なにはともあれ面白く過ごした、2017年最後の2ヶ月間でした。

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ベスねたとーく拾遺2017

年初なので年末にしそびれたブログねたの掃除をする(間違っている)。
あけましておめでとうございます。

今期の「ベス」については、だいたい言いたいことは最初の週に言っちゃってた(笑)こともあって、残ネタといっても細かい話ばかりですけども。

■キャット様
今期いろいろツボが多かったキャット様なんですが、「くせものですかっ」とかの可愛さ凛々しさもさることながら(ドレスの裾からロケット噴射、ベス様抱えてロンドン塔脱出ぐらいまでは想像した)(可愛さとは)、やっぱベス様との視線のやりとりが増えたのが嬉しかったですね。序盤のベスはそれぞれ「慌て者」方面と「人の話一切聞かねえ」方面に突きぬけてったのだけど、それぞれに対してけしてツッコミ属性ではない涼風さんが精一杯のツッコミを表現している(私見です)のを見守るのが楽しかった…ホント「それはいい知らせね」ってベス、君ホントさあ…。
いちばん好きだったのは一幕ラスト、「わたしの人生だもの」でベスがキャットを振り返って頷き合う場面でした。

■育ロビ&綾ベス
前楽めっちゃ良かった。お互いのいいところがクッキリ、最大限に出て、かつ噛み合ってて、ラストまで駆け抜けた爽やかなドラマでした。
アスカム先生とのやりとりがすごい真剣勝負で(あそこでベスが手紙を渡す意味は最後までわからなんだが)、もうぼろぼろ泣いている綾ベス。そこでロビンが入ってきて、軽くしゃくりあげるベス。振り向く泣き顔。
「手紙、読んでくれた?」「ええ」
「…それで?…俺と一緒に、ここを出ていくか!」
このロビンの軽い口調でグッと来ましてね!!!
ああ、これぞ育ロビン。他人にも自分にもちゃらんぽらんに生きてきたロビン、「真剣」の意味もわかんなくなってたロビン。その彼がベスの泣き顔を前にして、はじめて「装う」ってことをした、いつもの調子で行くんじゃなく、「いつもの調子」を演じてみせたロビン。
思いっきり泣いて、パーッと微笑んで、手を振って別れていく。もう一人のベスとロビンとは全く違う、この二人ならではの晴れやかな終わりでした。

■メアリー退場
「約束して、お前はカトリックの教えを守ると」に対するベスの答えへのリアクションが今期、二人とも凄かったなあと思います。ベスの答えは「カトリックにつく」という字面からすれば「NO」であり、「自分の信じた通りに行動する」≒「(広い意味での)神を裏切らない」という意味で「YES」でもあるから、これをニュアンス含めて正確に受け取ったメアリーは、すごく複雑な表情をする。自分が求めた答えをもらえなかったことに対して、諦観も飲み込みつつ受け入れるみたいな。未来メアリーの場合、あとは彼女の時代だからと、勇敢に退く女王の顔に見えるし、吉沢メアリーの場合は、とうとうここだけはお互いに譲れなかったな、っていう姉としてのさびしさみたいなものも感じる。それぞれMY解釈ですけど。
ベスと握り合っていた手を解いて「下がってよい」という仕草をするメアリー。ここは再演でホント見事になったなあと思ったことの一つです。(あといくつあるのかって聞いちゃいけない)(台無し)

■ロビンズぷちぷち
・「そんな歌あったか?」「お代のほうは」「いいからタンバリン振ってろバギー!」ここずっとロビン見てたもんで、「いいからタンバリン振ってろ」が「そんな歌あったか?」に対する台詞だと認識したのかなり後でした(^^;)。「お代はいいからタンバリンを振れ」って流れだと思い込んでいた。
・ベスに対する3人のきゃわきゃわぶりが好きでした。馬車の修理のおだちんを一人ひとりもらって嬉しそうにしてるとことか、酒場のシーンで「トム」が「レイディ・エリザベス」だと知った後のきゃわきゃわアピールとか。

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ベスねたとーく大阪2017-2

「レディ・ベス」大阪公演、前楽&千秋楽を観て参りました。

ここへきて発見もあり、驚きもあり。喜びもあり、最後まで残った未練もあり(苦笑)。

とりいそぎカーテンコールの自分用備忘録。
便宜上、あの回転舞台の一番奥を「12時」、手前正面を「6時」、そこから降りたポイントを「センター」と呼ぶ。

前楽。
フェリペ古川君のターン、舞台奥12時で曲がるタイミング、下手側で待機してる圭吾さんとちょっと頷き合ってるように見えた。ほのぼの。

音楽が切り替わってルナール登場。あれっいつもよりタイミング早いかな?と思ったら12時のポイントでぐるりと一回転。わたしここの登場のK吾さんらしい計算っぷり(フェリペに示された瞬間に現れて、ベス消せのジャーンでマントを翻す)がいつも大好きなんですが、「回る」も勘定に入れたタイミング取りとマントばっさぁが相まって、いや実にいい感じのターンにどよめきが走りまして。

で、大楽。
大使どうするかと思ったら同じタイミングで「2回」回った(笑)(笑)。何あの降りてくる時のニヤリ顔もとい微笑。いつもルナールのカテコまで引っ張る仏頂面(キャラです)がどっか行ってるレアさでした。

沸きに沸く場内でしたが、その後、メアリー未来さんやアン・ブーリン和音さんがそれぞれセンターで回転ご挨拶(あれアンは回らなかったっけ。笑顔が可愛かったことしか思い出せない曖昧(^^;))、さらにキャット涼風さんがふいに12時でトコトコ回り出したのには盛り上がる盛り上がる(特に黒い人)。キャットのドレスは広がらないし、ターンしたわけじゃなくて足踏みしながら回転してただけなので、こう、イメージとしては回転するお人形型のオルゴール。かわいかった。

で(笑)私はやや下手から観てたんですけど、ちょうどその涼風さんの後ろ、13時ぐらいの方角で待機している祐一郎さん。「これは、来るな…」と思ったら発生した大車輪
いつもアスカム先生って13時から時計の真ん中まで斜めにほてほてショートカットしてくるんですが、このルートをあの長いローブ広げてぐわんぐわん回りながら進み、そこから6時に一応、進んでくるんだけど、おい、ちょっと遠心力!重さ!回転も大胆すぎ!!プロローグであれだけ慎重に進むルートを回りながら降りるとか危ないったらありゃしない!
両脇に居並んだキャストが一様にこう、何か言いたがってる体勢で、いざとなったら助けに飛び込もうとしてるように見えました(特に黒い人)。

そんなこんなで数々の回転ワザを経て、続くロビンはもちろん颯爽と、まっすぐ降りてきて、よし、締まった!

からの、ベス様大回転(笑)。
度肝を抜かれました花總さん…チーム・クリコレ2(括る)はまあまあこういうノリに転ぶのも想定できたんですが、まさかのクイーン・エリザベス参戦。あの戴冠式のキラッキラのドレスと高い襟、長く垂らした髪、玉座に上っていったあの両手を掲げたポーズ、それがあの盆の上をくるくるキラキラ…何を見たんだ我々は(笑)。

後に花總さん「まさかあんな風に回ったりすると思わなかった、すごい開放感」的なことをおっしゃってましたが、うん、誰も思わなかったと思います(特に黒い人)。

いやー、晴れやかだった…。

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ベスねたとーく大阪2017

「レディ・ベス」大阪公演を観て参りました。

大阪公演は火曜日からやってるから5日目、私は東京千秋楽ぶりなんですがいろいろと新鮮でした。

なんというか、再演版が板に付いた感じ(笑)。(そりゃ自分の観劇態度がでしょ)(はい)

綾ベス。誇りばっかり高かった少女が真の女王に成長していく物語。強くたくましく。そして美しく。イギリスは大丈夫だ。
加藤ロビン。ベスの人生に現れて、彼女を真の女王になれる人にした。彼が退場したことで物語が完成した。(なんか拳に血が滲むが無視する)
吉沢メアリー。ベスが抜けられた罠を最期まで出られなかった悲しい人。全てはプロローグのあの少女から繋がってる。ぜんっっっっっぶヘンリーが悪い(この話では)。
古川フェリペ。長くなるので後述(いつもじゃねえか)。

そんなこんなでフェリペの話。
「クール・ヘッド」がより真剣になった(ボールキャッチで腕をぐっと後ろに引くアレすごくいいな!)のを皮切りに、随所に「冷静」さがじわる見せ方になったなあ、という印象です。初演から再演でぐっと大人っぽく(遊びがなく)なったけれども、その路線がよりシャープになった感じ。

「レディ・ベス」のフェリペは少なくとも初演では「子供」だったと私は思っていて、自分の未熟さを知ってたり知らなかったり開き直ってたり、でも一貫して「ああ、いずれは…」という大器の片鱗を感じさせる、表現は違えど両王子ともそういうところがあった。

再演では少なくとも古川君は「子供じゃない」感じが強く出ていて、そこが危ういな、と思ってました。クール・ヘッドはいいんだ、だけどそこで展開した「既に王者」感を回収するシナリオが後半にない(彼のせいじゃないけどな!)以上、ゲーム半ばで退場、むきーっ!って怒って終わる。これはこれで楽しいけど(ホント超がつくほど好きだけど)、序盤のワクワクの持って行き場がない「打ち切り感」がどうしても残る。未練が止まらない引きでもあったわけで。

からの大阪、目から鱗だったのが毒のシーン。
「ペルドネ・レイディ」(私このカタカナすごい好きなんだ(笑))でめっちゃベス見てる→「私の義理の妹だ」あたりもう完全ゲットモード→ロビンを示されてザザーンと事情を把握する。ここの「ベスの愛人とはな」がすごくいい。
サラッと聞いちゃうと、目をつけたベスに愛人いた、で興が冷めた風に聞こえちゃうけど、ここのフェリペって「道行く人」で必死でベスを弁護したロビンの理由を悟るわけで、自分がリサーチしたのは「イギリスの民衆の真実」じゃなく「ベスの愛人の嘆願」だった、そこを「民衆の気持ちを直接聴いたのだ」と悦に入っていた自分に幻滅したんじゃないかと。そういう一瞬の自嘲が感じられて良かったんだ。
だから「有益な意見を聞かせてもらった」も軽い皮肉に聞こえて、そんな気持ちから「何か彼女に言うことは?」といったん引いておいてハイハイ俺のターン、って行こうとする流れもうなずける。

ベスがサッと行ってしまったのにも、少なからず「なんだよ!」て感じの表情を見せるけど表に出すのはなんとかこらえる。(まあ後ろの大使はお見通しだが(あ の 笑 い 方)。ホント今期のスペインは下手からに限るな!!!)。

そこが怒りのピークで、「またもや陛下はベスの命を」のやりとりではもう王子、反省会に入ってる。「いずれこの借りは返してもらうさ」はルナールに食ってかかる勢いじゃなく(まあ軽く起こってるけど(笑))、自問自答してるわけでもない。あくまで「仕事」の振り返り、今回ダメだったけど次はああしようこうしよう、って取引の帰り道に打ち合わせしてるみたいな気安さ。
なのでルナールも煽らない。「さすがクールヘッド、冴えておいでです」は反省会の締めであって、「この借りは」への相づちに近い。

「あの女と結婚すればよかった」ここも静かな言い方で、自分は(あるいはスペインは)どこかで間違ったようだな、と静かに認めてるように見える。「もしエリザベスと結婚する運びになっていたら」みたいな可能性を一瞬思い浮かべて、つむった、みたいな。自分の見誤り、スペインの掛け違い、歴史の、まあどうしようもないすれ違い、あったかもしれないいろんな可能性。そういうものを飲み込んで退場していく。
そんな王子をからかうでも叱るでもないルナール、最後にマントを大きく翻して、後に従って出て行く。

いや、いいんじゃね?この退場(笑)。
なんかやっと今期の楽しみが、本編に関係あるところに刺さった気がします(なんてえ言い草だ)。

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ベスねたとーく2017-6

「レディ・ベス」東京終盤雑感つづきです。

■綾ベス
序盤のベスの行動のむちゃくちゃさに対する処方箋、花ベスの場合「慌て者なのでしょうがない」に対して綾ベスは「切り替えが早い」かなと思いました。ネバー・ルック・バック・ゴー・アヘッド。その一貫性で突き進め。
「我が父は王」が東京中盤、ちょっとこれいくらなんでもパワー出しすぎじゃないかと思ったんですが、千秋楽、強い中にも思慮深さ、繊細さが感じられて嬉しかったです。それにしたって「『我が父は王』って唱える度にギアが一段ずつ上がる」パワフルさは相変わらずでしたが(笑)。「脅しには負けーなーいーーーー!」の爆発力とか、とても、こう、未来メアリーに似ている…狂信に近い未来メアリーのカトリックへの傾倒と、序盤のベスの父への盲信ってけっこう重なるのかもなー。困ったもんだヘンリー王の娘たち。
そんなエリザベスはいつの日かメアリーのような暴君になってしまったかもしれないけれど、彼女は「ロビン・ブレイク」と出会って大人になった。だが君もー教えたーひとの話をきくーちからをーみたいな。(雑な思考で真相にたどり着いた感)

■吉沢メアリー
未来メアリーだとそんな綾ベスをふっ飛ばすぐらいの「悪魔と踊らないで」をこの後かましてくれるのですが、吉沢メアリーは真逆で、元のポテンシャルでこの妹には絶対勝てない、だから戦わなきゃ、押さえつけなきゃいけない、っていう必死さがザクザク伝わってきます。ルナールの4つの敵の話で「なにものにも増してレイディ・ベス」って言われた時のこの人の表情すごくいいよなあと。
千秋楽ラストの「おまえは愛され、わたしは嫌われた」、プロローグでヘンリーとベスを見上げるリトル・メアリーがフラッシュバックして泣いた…。

■クールヘッド日記
イギリスに関して取り交わされた議論は「やめろ、わかった」で決着してて、曲終わりのルナールが慇懃な臣下に戻ってるのが好きです。台から飛び降りてきて王子にキューを渡す前に一回、目を合わせて軽く頷く、その後の決めポーズだけスペインチームが一枚岩に見えるっていう。
からの古川Ver、千秋楽(笑)。
「結婚式は来年の7月20日、ウィンチェスター大聖堂で執り行わる予定で…(フェリペいない)」ここでルナールが大きく舌打ちする。撞球台に向かってキューを構えようとしていたフェリペはそれを聞いてちょっと振り向き、軽く愉快そうに笑う(こ の 顔!)。
この後ゲームで失敗して「不吉な…!」って言われてる間、ルナールは軽いザマァ顔で笑ってるんですが、そこにはっきり振り返って王子、ルナールに目を合わせて陽気な顔で「もういい」、チッと舌打ちして、「飽きた。」
対するルナールは微笑。(こ  の  顔。)
…今期、ここほど下手席に感謝したことはない(笑)微笑っつったって優しいにっこりでもなければ嘲る笑いでもない、単に「フッ」と鼻が鳴る程度の軽い笑い。
あえてアテレコするなら「はいはい」(爆笑)。あーーーもうね。
ホント台無しだね私のレポートはスペイン語り出すと(本論だからしゃーない)。

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ベスねたとーく2017-5

「レディ・ベス」東京終了。

前楽のカーテンコールで育三郎君が「新曲もあり」「新たに作り直し」「全く別の作品のような」っていうことをあらためて繰り返してましたけども、初日前に聞いたこれらのフレーズが、プラスにもマイナスにも「的を得ていた」今期の「レディ・ベス」でありました。
いい変化もたくさんあったんだけど、やっぱりなんせ終盤の変更はもったいなすぎた。お陰でさまざまな優れた改善点に目がいかなくなっちゃったことはリピーターとして反省している。今回が初演で、再演があっちだったら文句いっぱい言ったと思うし…いや、同じくラストの違いに目を奪われただろうなあ(苦笑)。今でも「ついに君は自由の身」以降の一連、平方古川両Verで完全再生できるし(笑)、「心は君に」を歌えば脳内上映ラストまで突っ走るよ…。
言ってもしょうがないし、「別の作品」を楽しんだけどさあ。
「もったいないことしたよなあ」っていう気持ちでとうとう楽まで駆け抜けてしまった。この態度がもったいない(苦笑)。

とはいえキラキラした瞬間もいっぱい得られたんで書くは書く(笑)。前楽と楽の感想を中心にコツコツ行きます。

■山崎ロビン
前楽でひさびさに育ロビ観まして。なにもかもひと(加藤君)と違う。面白いー!
初演では育ロビの「周りを省みなさ」「俺が宇宙の中心」感になかなか馴染めなかったんですが(最後もなじんだっていうより「負けた」んですが(笑))、年を重ねてちょっと落ち着いた雰囲気の、でも俺様、っていう育三ロビンはとても魅力的だなと。「説明してくれ、どこがいけないのかを」全部だよ(笑)…まあそういうところがいいんだな、って思えるようになったのはこっちの変化か、むこうの変化か。
奔放で悪気のない、自由気ままなアーティスト(だから最初からそう言ってるじゃねえか)。ベスとの出会いで初めて「他人」に心を奪われた、それが「…あんたは?」という言葉の前の間に現れてる。
ウッドストックでベスに再会したとき、加藤ロビンは「やっと会えた」っていう嬉しさで突っ伏してしまう、喜びが全面、ですけど、山崎ロビンは手を広げて「来たよ、俺だよ!」ってベスに笑いかける。以前なら自己中に見えたけど、これは彼にしちゃ最大限の「相手に向けた行動」なんだなって思える。ああ、相変わらず客席に決め顔するけどアリだこれ、と思った。
いつもどこかカッコつけた微笑みを浮かべていたロビンが「晴れやかな日」で、てらいのない、歯を見せたにかっ!…っていう笑いをベスに向ける、ベスも微笑み返す。ここにえらく感動してしまったのが、今期の前楽の収穫でございました。

■平方王子
初演では「大物っぽく振る舞う人」と取ってましたが、再演では「いずれ大物になる、等身大」になったなと思います。つねに余裕を見せる、そういう教育を受けてる、汗をかいても「涼しい」という、そういう個性。…一貫性あるじゃねえか。「道ゆく人」でも結婚式でもやたらメアリーの容姿にこだわってるように見えるのがたいそうアレなのもすごく彼らしい(笑)。
毒のシーンの幕引きがホント鮮やか。強引に、自然に、傍若無人にふるまって、ベスを逃がして、ああ、惜しかったなあ!まあいいか!って終わる。「いずれこの借りは返してもらうさ」の軽さ、有言実行に見えるし未来を予感させる。「あの女と結婚すればよかった」も、最後の「帰るぞ」っていう一言も、あっこの場面でスペイン組は退場するんだな、っていう締めとしてとても綺麗に腑に落ちる。古川王子?あれ絶対あとワンシーン残してると思ったと思うよ、初見だったら(大苦笑)。
ルナールとの関係もこう、すごくお互い気心は知れてるけど、お互い踏み込む気がぜんぜんない「身内」感覚が楽しいです。
「クール・ヘッド」のボールのやりとりがもはやお互いボール見てないんじゃないかぐらいの空気感で、あいつの玉がどこにあるかなんてわかってるよって感じ(変な意味でなく(笑)(笑))の自然な投げ合いが小気味よい。ラストの「さすがクールヘッドー」のやりとりも単純に結婚式の挑発へのルナールからの返礼のようで、ああお前そういうやつだよな、っていうお互いの、なんていうの、やっぱり「身内」なんだなっていう感じがとても気持ちよかったです。

この調子でたらたらつづきますー。

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ベスねたとーく2017-4

「レディ・ベス」いろいろ。今日は東京千秋楽ですが、まとめモードで続く。

加藤ロビン&花ベスのラストシーンについて。
再演の改変ですべてが変わってしまったペアなんだけど、ストーリーとして納得できる流れになったのは凄いなあと思います(未練は未練で一生残りますけども)。

初演ではベスは、ロビンが来た時点でもう道を決めている。「ベス」「ロビン」「迎えに来た」「…ありがとう」この時点のベスを見れば、ここからはもう別れのやりとりだって明らか。まるまる一曲かけて「別れるけれど一生、心は君にある」ことを証明できた。
ところが「黄金の籠」はものすごい優柔不断ソングで「わかっているでしょう難しいと」とか変に「交渉中」ステータスな表現が混ざり込むわ、なのにいつの間にか「一生愛は残る」的な歌詞に着地してるので、いったいどの時点で別れることになったのか全然わからん。ベスの意志が決まってないうちにサセックス伯来ちゃいました!ロビンあっさりベスの戴冠を受け入れました!に見えかねない(実際初日はそう見えた)。
ここを「わからない…どう言えばいいか」でのベスの泣き顔と、その後の、ああ、終わりなんだな、って諦観しながらもあえて「飛び立とうよ」って歌いかけてるロビンの表情とで、やっとこさこう、ああ「ふたりが覚悟を決めていく曲」なんだな、って受け入れることができた私です。
迷走したし、たぶん間違ってるよ、認めるよ。

そんなだからロビンの泣き顔もより、可哀想なんだよな…。
初演。ベスが去り、見送るロビンが、客席側に振り向く。そこで顔が一気に歪む。膝をついて泣きじゃくるロビンをアスカム先生が力づけるように、上から何度も肩を揺する(ロビンますます泣く)、やがて立ち上がったロビンは深く落ち着いた表情を浮かべて、アスカムに深く一礼して走り出す。
再演ではこんな時間はなくなってしまい。一瞬、泣き顔を浮かべるロビンは、アスカム先生にも泣き顔を隠したまま言葉を聞き、一礼して走り出す。そこにあるのは「我慢」で、たぶんこれから一人で泣くんだろう。
もともと加藤ロビンて、泣きまくるけどなんとかしてベスの前では笑顔であろうとする、ベスがいないところで情けない顔になる、っていう部分があったんですけど、今回はもう「誰にも」泣き顔を見せない人になっちゃって、納得はするけど、ひたすら可哀想だったりする。

気を取り直して。
先日、花ベス&加藤ロビン・下手席で「晴れやかな日」を観まして、ああ、よかったなあと思いました。
ロビンに向けたベスの表情。ほとんど泣き顔みたいな、子供っぽい笑顔。最後まで「少女」だったベスらしく、ぜんぜん大丈夫じゃないしこれから大変だし、だけど花を差し上げて笑顔で送り出してくれるロビンに精一杯の、花が咲くような笑顔を返す。たぶん今もロビンを愛してる、そういう少女の顔。
初演のような静謐な、多くの記憶や情感が込められた、青春を永遠に閉じ込めてしまった「女王」の顔ではないんだけど。この再演だからこそ出会えた笑顔(あるいは泣き顔)を観られて嬉しかったです。

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ベスねたとーく2017-3

「レディ・ベス」いろいろ。もう東京ラストスパートかー。

■加藤ロビン&綾ベス
初演の印象は、最終的に「ロビンが可哀想だよ…」でした。ベスが剛くて、潔くて、ロビンが真心を尽くしても最後には置いて行かれてしまう。
再演では綾ベスが、さらにさらに、さらに強くなった結果(冗談抜きで未来メアリーと手をとりあうシーンが「リングにかけろ」の剣崎の「竜、おめえが世界チャンピオンだ」に見えた)、かえってこのロビンの玉砕がさわやかに映ったところがあり。「なるほど、突き抜けるとこういう効果があるか…」と思いました。いや、ギャグじゃなく本気で思ったんだってラスト「よくやったロビン!すばらしい戦いだった!!」ってさあ…。あの!綾ベスに!恋で挑んだ時点で!価値感を受け入れさせた時点で大金星。最後のイモーテルとかほんっと爽やかで晴れやか。これはこれで。
異論は全て認める。はい。

■異なる意見ゆるす
席の関係でエミリー・レノックスがすごくよく見えた回があって、教会の鐘の歌でグッと来た。みんなからは一歩引いて、傍観する位置にいながら、歌の言葉ひとつひとつをかみしめて笑顔を浮かべてる。彼女にとっては「自分は自分」が大事な言葉なんだなあ。
ベディングフィールドの「カトリックのミサに出るな、プロテスタントの聖書朗読会に出席しろと」っていう台詞、前にはなかった「聖書」っていう言葉が入って、それぞれの信条の違いみたいなところが地味にくっきりした印象です。のちのベスは正教会のありかたを整えていく課程で「聖体拝領なしでもいい(カトリックからすると「ミサなし」に近い)」とか「教会の『華美な装飾』を残してもいい(プロテスタント的にはナシ)」とか、劇中で出てきた両者の谷間を高度な政治感覚で寄せていったんですよね。

■首斬り役人
初演も再演も、解釈は人それぞれでしょうけど、いくつかキーになる動きが追加されたり、ベスの反応も違ったりで、毎回いろんなことを想像させてくれるのがいいなあと思います。「ベスの内面」と取るもよし「アン・ブーリンの護り手」と考えてもよし。
「この存在には独自の意志がある」って考えて観ても楽しい。初演ではあんまり私はこの解釈はしなかったんだけど、ベスが逮捕された時の「ひとりじゃない」でアン・ブーリンを指し示す仕草とか、二幕あたまのベスのソロに影コーラスが重なる「やっとわかったか」「おまえは死ぬ」ってくだりとか見ていくと、ああ、この「人」はアン・ブーリンの為に現れたんだな、だからベスがアンを受け入れたとこで役割は終わるんだな、っていう印象でしっくり来た。
一幕では首切り役人の動きに引きずられるベス、っていう動線も印象的でした(綾ベスだとくっきり)。

■庭園ぷちぷち
・下手から見るターザンのアオリっぷりが大好きです。ひゅーって来て一旦ひゅーって戻ったところ、正面からだと見切れるあたりでニコニコ手を振るのいい感じに腹立つ(笑)。
・「誰でも歌える」は小気味よくてスリリングでわくわくして、初演も再演もほんっとに好きなんですが、この明るい雰囲気と同じ旋律を使って最後にベスとロビンが「心は君に」を歌い交わす、っていうのが本当に好きだったんだなあと(懐古を封じるのをあきらめつつある)
・「ほらね、君はちっとも自由じゃない」はエミリー・レノックスを受けてクリアになったよなあ。

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ベスねたトーク2017-2

「レディ・ベス」東京公演ぼちぼち最終週ですね。
それはそれとしてランダムねたぷちぷち。

■花ベス
「我が父は王」は彼女にとって「強くなるおまじない」みたいなものなんだなあと思いました。
今期の花ベスは生まれは王女だし貴族ではあるけれども、この19歳の彼女はあくまで少女で、弱くて幼いお姫様。
そしてプロパティとしてスキル「慌て者」を持つ(重要)。「手紙を書くわ」→「ガーディナーを追いかけます」→「(メアリーの手紙は)いい知らせね!」っていうこの、普通にやるとむちゃくちゃになる台詞たちがこの「そういう性格なんだよこの娘は」な流れで全てが説得力を持つというね(個人の解釈です)。ホント花總さんさすがだなと思ったのは「我が父は王」で「手紙を書くためにペンを取ろうとするんだけどほかのことに気を取られて、やがて手紙のことはすっかり忘れてしまう」っていう仕草(瞠目)こういうのが随所にある。
その幼さ、か弱さっていう本質が最後まで続くのが今期の花ベスの鮮やかなところだなと思います。成長する、女王になる、なぜなら選ばれた人間だから。でもだからって本質の「少女」らしさを失うことは最後までない、っていう。序盤で聖書を奪われて泣いていた少女も、終盤でアスカムに「女王になりたくない」と叫ぶ少女も変わってない。それでもアスカムは、彼女が少女で居続けることを否定する。
そんなシーンからの、泣きながら顔を上げたベスの
「わからない、どう言えばいいのか、私、あなたほど自由になれない」
がストーン…と腑に落ちた今日の「レディ・ベス」でありました(長いよ)。
「翼が傷ついたから飛び立てない」ってなんじゃそりゃ、と思ってきたんですが、この言葉にしろ、「わかっているでしょう、難しいと」とかごにょごにょした(失礼)歌詞にしろ、すべて表層のやりとりにすぎず、その裏ではベスとロビンの心のやりとりがちゃんとあるんだなあ…って思えた。これも受け取り方の一つに過ぎないけど、もうちょっと追っかけてみたいと思います。

■クールヘッド
キャッチボール!(物理)キャッチボール!(台詞)
そしてキャッチボール!!!(感情の)
みたいな(笑)いっやーワクワクした。
いや、ずっとここのボール(物理)の投げ合い、特に古川君だと邪魔だなあ!と思ってたのですが(平方Verは「遊んでる」空気が強いのであんまり違和感がない)、ひさびさに観たら感情の流れとボールのやりとりのテンポがめっちゃ噛み合ってて、ポンポン流れておーもしろい。
食い台詞の応酬、ギラギラした視線の投げ合い。上っ面では遊んでるけど本人達めっちゃ真面目な話してる空気。
「プランにはお目通しいただけましたかな?」「メアリーと?(ギラリ)」といい「妹のベスがいい」「ありえない!(くわっ)」といい「王子に生まれたさだめ」のこう、相手が分かってるのは百も承知なことを上から念押しする感じのルナールの事務的な容赦なさとか、分かってること言われて気に入らない、けどそれなりに慣れてる(耐性は持ってる)王子のこなれたイライラ感とか。からの「進めろ恐怖の結婚」への「ハイ(終了)」みたいなルナールの一礼とか最高にツボです。さらに「もういい、飽きた」への「ハイ(終了)」みたいな微笑もなあ…ホント効率いいな下手は!!!!
こういうやりとりのあとルナールの「(王子は)すこぶるお元気です」を聞くと実際、爆笑しそうになります。ああ楽しい。

■逮捕シーンぷちぷち
・「アスカム先生旅に出る」が唐突感あるっていう感想を時々伺うのですが、この方はけっこう他の土地に教え子がガンガンいる設定で観てたのでそこは気にならなかった…むしろキャットに呼び止められた後「手袋をはずす」のなんでだろうなと(黙れ)。
・↑この後の兵士の乱入シーンでキャットやパリーが殴られる流れには最初へぇぇと思いました。場面がとても自然になったなと…お陰で初演の時さんざん脳内でツッコんで来た「パリーの荷物回収」がやっとナチュラルになっ(黙れ)。
・それにつけても門の開け方がパリーだと「物理」でキャットだと「魔術」に見えるのは致し方ない。
・連行される直前のベスが駆け寄ってくるロビンを押しとどめるところ、綾ベスはめっちゃ凛々しくてさむらいのようだった。こういうところにもロビンとの関係の違いが如実に出るなーと(追って掘り下げる)。

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ベスねたトーク2017

「レディ・ベス」キャスト雑感こつこつ。

すごく大ざっぱに表現すると「少女=綾ベス」で「王女=花ベス」だった初演に対して、これまた大ざっぱだけどちょうど「逆」に感じられる今回。
「我が父は王」でズバァァァァンと王族の誇りを放射する平野ベスあり、同じ歌でもって「父が王」という事実しか縋るもののない「幼い」花總ベスあり。そこからスタートすれば他のキャラクターも見え方違ってくるよねえ。

■未来メアリー
狂信者の力強さともろさを帝劇中に放射する未来メアリー。綾ベスとだと「あのバズーカ娘が一撃で吹っ飛ばされたぞ!なんだこの姉!戦車か!!」ってなるし、花ベスだと「お姉さま手加減してやって…いや、この姉は本当に強者じゃないのかも…?」みたいな複雑な世界観に入る。前者はスカッと楽しいし、後者はああドラマ観たな!ってなる。
今回の演出、スーザンの役割が大きく削られたことでメアリーは徹底的に「孤独な人」になっちゃったわけだけど、結果、この強烈な未来メアリーが翻弄され、打ちのめされる後半の威力はハンパないです。
最後にヘンリー王の肖像画を見上げるところ、下手から見たらほほえんでたんだよね…花ベスが少女の頃にそうだったのに対して、この人は一生、お父さんに縋っていたんだなあという納得と悲しさ。

■吉沢メアリー
序盤からもう「本当は弱いんだけど頑張っている」オーラばっきばきの吉沢メアリー。プロローグのリトル・メアリーがそのまま体だけ大きくなったような、理不尽さや寂しさに慣れきった彼女がベスを攻撃するとき、やってることは低レベルな嫌がらせなのに、もうなんというか「殺らなければ殺られる」的なギリギリ感がザクザク伝わってきます。なので結婚のくだりで嬉しそうなのがホント可哀想でなあ…いや、ホント、この人に優しくしてやってよフェリペ(T_T)(ルナールには言わない(^^;)初演と再演で奴のメアリーへの態度はかなり違うけど、残酷さは変わらないよなー))。
「狂信」じゃなくけっこう理性的に自分の弱さわかって、それで宗教に縋ってる感じも切ないです。未来メアリーにとっては信仰が武器だけど、吉沢メアリーの場合は防具というか、ホントそれなしじゃやっていけない最後の薄皮なんだろうなと。ヘンリーの肖像画を見上げる表情とか、自分が間違ったそもそもの根源を認識してるようにも見える。これまた切ない。

■アン・ブーリン
どーにもこの人の存在が濃すぎてまとめきれない今期の「レディ・ベス」。前は「怖ぇよ」と思ってきましたが、今期はこう、グレートなマザーとしての怖さじゃなくて、もっと子供っぽい、シンプルな、クリアな危うさっていうか、純粋さとか心もとなさにヒヤッとするというか…ホラまとまらない(笑)。ベスを愛している=本当、ベスを縛っている=それはベス次第。ベスを王座に導く=それが幸せなら。ベスを愛に導く=それが幸せなら。みたいな。
「愛のため全て」でのアスカム先生との対峙。以前はわりとキリッと(イラッと)戦う印象でしたが、こう「柔よく剛を制す」みたいな、こう、より手強く、より優しく、真綿で首を絞める微笑が、こう…すいません別にアンが攻撃的だとか本気でボスキャラだとか思ってるわけじゃなくて(いや思ってますけどそれは抽象的な話であって)、もう、なんかさあ、何回見ても掴みきれないんだよこの人。めっちゃ怖いし心底惹かれる。

■疲れたのでロビンズねたぷちぷち
・「歌ってわすれようー」の輪っかのやつが最近あまり失敗しなくて寂しい(笑)加藤ロビンの場合あれで何か起きると超反省会モードになるのが楽しみなので「ダメダメだ!」「お前がダメだ!」「俺だ!」。
・ホラティウスの謎キャラ化がツボです。「ハハハハハー!」
・スクラッグがホラティウスの膝に足かけてほいっと上るあれすごい。
・「道行く人」で3人がメアリーの悪口言ってロビンが止めようとするっていう機微は未だにピンと来ない(^^;)理屈は分かるけども。
・1789を経て最近ホラティウス観る度に脳内で「みつばちロワゼル」と呼んでましたがみつばちじゃなくていもむしだった。みつばちはトゥルヌマン。

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