エンダー観てきた。2
「エンダーのゲーム」映画版の感想もうちょっと。
★★★いろいろネタバレです★★★
吹替版みてきました。えらい豪華キャストだったことに観終わってサイトめぐりしてやっと気がついた(笑)。なるほどエンダーもビーンもよかった…しかし私の中で沢城みゆきさんと言ったらカナンもしくは荒川のマリアなんだが(観るものが偏ってるとこうなる)。ラジオドラマも(ネタ的な意味で)偉いことになってるんだそうで。いい、何でもやって欲しい、このタイミングで盛り上がれるだけ盛り上がりたい、何年も待ったんだから(笑)。
■吹替えさまざま
・やっぱり敬語があるとドラマ的にすっきりするなあ!上下関係がはっきりした上で、誰が誰に対して敬語を使うか、がドラマに与えるニュアンスの味はすっごい大きいと思います。字数制限の限界なんでしょうが、字幕だと特に命令形の語尾がシンプル=乱暴になりがちで「訓練を続けさせて下さい」ってエンダーがボンソーに詰め寄るところなんか完全に「造反」レベルだったもんな(^^;)。「態度は強硬、口調は慇懃」だと、結構ちゃんとボンソーを立てようと思っちゃあいる(逆効果だけど)エンダーの努力も見えやすくなるし。
・字幕ではスピードについていけてなかったところが随分あったんだなと思いました。座学の間にバーナードがコンソールをいじってアーライをからかってエンダーが逆襲するところの文句とか、バトル・ルームでのペトラやメンバーとのやりとりとか。終盤のシミュレーションでのエンダーの指示内容も、頭に言葉が入るとすごく面白かった。
・字幕でおぉっ!と思った「死者の代弁者」というフレーズは吹替えではなし。「死者と繋がる道」だったかな?まあ映画が終わってみれば"Speaker for the Dead"が意味をなす展開はなかったわけで(^^;)、原作に対する単なるオマージュで出たフレーズだったんですかね…。
■謎の人たち。
印象が定まった大人組について。
グラッフが好々爺というか、半端に優しいせいでなんだかわけが分からなかった…特に終盤。エンダーに真相を「言えなかった」のニュアンスが分からない(^^;)。原作どおりなら「戦略的に(本当の戦闘だと理解させたら子ども達に迷いが出て作戦が失敗するから絶対に)言えなかった」だけど、今回の大佐の表情だと「(エンダーが可愛そうで)言えなかった」みたいに聞こえるんだよなあ…キャラかな、これは(^^;)。
アンダーソンさんはもっとわかんなかった…マインドゲームのアクセス権をわざわざ与えて何がしたかったのかとか、ボンソーに襲われたエンダーに「ごめんなさい」のところとか(これは何らかのシーンカットがあったんじゃないかと想像しますが)。エンダーを見守る役割を通すのかと思いきや、いなくなっちゃうし。
いっぽう鬼軍曹のダップさんはすごい良かった。立場がぐんぐん変わる中なにも言わずにエンダーを応援している、台詞に出ない表情の芝居とか好きでした。
メイザー・ラッカムはいろんな意味でイメージぴったりでした(笑)むしろ謎でいいんだあの人は。
■ドラマについて
二回目ということで、改めて最初からじっくり伏線含めて味わってみたところ、「けっこう、よくまとまってるよな…」と思ったには思った(爆)。「二度と戦わない」ために「相手を完膚なきまで潰す」っていう流れを序盤のスティルスンからコツコツと型に落とし込んでるところとか。バトルルームの「アーライを守ってゴールまで行く」作戦が最終戦で「リトル・ドクターを守って母星に突っ込む」に繋がってるところとか。
ただやっぱりラストは大きな問題がふたつ。ひとつは場面自体の大変なショートカット。「全て現実だった」っていうことを腹に落とす時間がやっぱりもっと欲しかった…っていうか最低限「現実だった」っていう台詞は必要だと思います。原作だとある時点から全て現実の艦隊戦だったわけだけど、この映画だと最終戦だけがそうなのかなあ。フォーミックのことをエンダーが考えて考えて考えて、やがて彼らに感情移入するに至った経緯も欲しかった…最後に一人で(!)女王の移住先を探しに行っちゃうラストに持っていくならば。
もう一つはやっぱりグラッフ。前回もちょっとだけ書きましたが、「敵である確証なく異種族を滅ぼす」ことと「感情移入能力を持つ子どもをコントロールして相手を殺させる」ことに対して、悪い意味で迷いが全然なかったように見えたのが残念でした。原作もそりゃ迷いはないんだけど、ものすごい使命感と覚悟の上でそれをやってるから、エンダーの罪はエンダーの罪じゃない、全部自分の、大人たちの罪なんだ、っていうことを本気で言っている。映画のグラッフはエンダーは悪くない(作戦だからしょうがない)、そして自分達も悪くない(戦争だから当たり前)って言ってるように見えるんだよな…これがスピーディすぎる終盤の脚本のせいなのか、グラッフのキャラが自分にそう響いたってだけの話なのかは分かりませんが。
…とかこまごま書いてるとリピーター根性が盛り上がってきて、あれもこれもどうだったか気になってくる。やっぱり自分盛り上がってるというか、この物語について考えるのが楽しくて仕方がない(苦笑)。上映中にもう一回ぐらいは観に行きたいと思います。
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