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2019年11月の2件の記事

冬祭り2019-2

今年の「ダンス・オブ・ヴァンパイア」セットや演出の話いろいろ。

■雪
雪の映像あんなに綺麗だったっけか。オープニングでも城に向かう場面でも、客席の壁をびょうびょう荒れ狂う雪にわくわくしました。この日はカーテンコールで雪も降ったんですけど、こっちがまたすごい細かい粉雪で、フィナーレでバーン!と降らせた雪が、パラ…パラ…パラ…といつまでも降り注いでいて、キャスト挨拶が終わっても自然の雪のように落つづけてたの嬉しかった。

■家
ついにシャガールの宿が二階建てに!回したり転換したり、奈落に沈めて高低差を変えたりいろいろやるよ!おおすげえ。
これ「ヴァンパイア」を初めて観たハンブルク版ですごいと思ったんだけどウィーン版がそのそもそうみたいですね。ダイナミックでたーのしい。
が、狭い(苦笑)。
アルフのサイズのせいもあるが(主にアルフのサイズのせいだが)ドアの高さ!ねえドアの高さ!初めて来た宿なのにアルフ器用に華麗にくぐってるけど本当にいいのそれで?!そしてベッド狭!教授がシーツと家具に紛れてどこ寝てんのかわからん!屋根裏の夫婦部屋とか二人寝かす気ない…シャガールは純粋に居場所が欲しくてマグダの部屋に行ったんじゃないか(今までで一番どうでもいい新解釈)。
視界に全員がコンパクトに入りすぎて、サラとアルフの歌が完全に二階のドタバタのBGMになっているのも笑えました。これはそれでいいのかもしれんな。「退屈で長い夜が来ても…寄り添えば違う…」
「マグダの部屋にシャガール、すぐ教授入ってくる」という流れも狭さが生んだ謎(笑)。そもそもマグダの部屋から教授が出てきたらその方が問題じゃねえの???と傾げた首が戻らない。でも「倒れてる教授の顔を覗き込んであら可愛いわねって感じで微笑んでるマグダ」っていう絵はブラボーでした。宿屋に案内する時点で興味津々でマグダが教授見てたのでここに繋がるかーと。

■城
伯爵の城にたどり着くところの空気の持ってき方は、この作品の雰囲気づくりで一番好きなところのひとつですけども。シャガールを追う教授とアルフが客席をコの字に区切って進む間、舞台には黒い妖しい踊り手が舞い、雪の照明が客席全体を荒れ狂い、音楽はスピーディなちゃーらららららららーららーらー(みなさん脳内音響よろしく)で盛り上げる。で、シャガールが行ってしまってはた、と気がついた2人が見上げるとそこに城の門。
…に被せるように「今宵」の歌声が響く。気が付けば客席は黒衣の人影に浸食されつくしていた。「訪れるものは知性ある紳士だ…」あーーー好き。

■出現
サラのお風呂に伯爵出現!のところでサーっと狭い宿が分かれてオープンな空間で歌う演出はよかったと思います。ここもそうだし、後でブーツのサラの化身がヴァンパイアダンサーと踊るところも開けた空間なのとっっっっっっても良かった。
ただコウモリクレーンは心底惜しい(苦笑)。初演ではギャグだったけどそこが面白かったし(言い切る)、再演でクレーンが見事に隠れてからは迫力満点だったし、何より伯爵が「上」から登場するって大事だったんだなと思います。一幕はまあいいとして残念なのは二幕な…
「ここ、安全なんでしょうか」
「死ぬほど、安全だ!」
「プロフェッサーどこかへおいでか!」
ここの音楽、打楽器のドンドンドンドンドン…が高まってく聴覚の緊張と、暗闇の中あのクレーンが上がっていくのがぼんやり見えることから来るビジュアルの緊張、高速でぎゅーーーーんっって上がっていって「プローフェッサァ!」に至る、っていうバーン!って感じはやはり忘れがたい。擬音を使わないと何も書けないのか。はい。

■夢
「夜を感じろ」の序盤のベッドから吸血鬼ザラーーーーーはホント感動。うわ上から二人出た!とかあっちも!こっちも!と思う間もなく展開して踊りに入る。うおおカッコいい。初期に誰か、確か徳垣友ちゃん達が生み出した「最後に残った二人が天井と床から手を伸ばして触れて、それぞれ天と地に消えていく」っていう絵、公演を重ねるごとにどんどん綺麗になる。あと伯爵の化身が夜の明け際に天蓋の上に立ってたと思うんだけど、今回初めてかな?あれも素敵でした。
横山博子さんのサラの化身よかったです。一幕の幻想のダンス、ヨーロッパ版みたいにサラ投げたりばんばん振り回すのやんないかなあと思ってた長年の望みが叶った。アクロバティックなだけじゃなくて可憐でしなやかでもある踊り。
とはいえ花岡麻里名さん降板のショックは未だに頭上に重しのように乗っかっている。聞いていても「パンフに訂正の紙が挟んである」の威力はでかいわ(自分がトラウマ持ちでなくてもだ)。
いつかでいいから観られますように。頼むから見して花岡サラ(化身)……。

ヴァンパイアの過去記事はこのへんに。

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冬祭り2019

「ダンス・オブ・ヴァンパイア」五演目の2日目を観てきました。
東アルフ&玲香サラ&佐藤ヴァンパイアダンサー初日。

いやーーーーー毎期ちがう化け方しますねヴァンパイアは。

セットが一新、キャスト入れ替わりも多し、ネタ満載で脳内たいそう忙しかったです。以下ランダムに。

※初演再演リピーターにつき、今回の新演出とそうじゃないものを勘違いしている可能性がありますがゆるっと流して下さい。なにもかも新しかった!私の目には!!!

■東アルフ
今回のお目当て!よかった!!
ごめん、TRUMP作品しか拝見してないんですが好きです。「マリーゴールド」であのアレとツバ掛け合う距離の超真剣勝負してくれてたのがたいそう好感度高くて、今回のキャストを聞いて「やった絶対観る」と思ったんだった。いや第一声は「身長ーーー!!!」だったけどそこで生まれる新しい絵が楽しくて楽しくて。
サラやマグダとの身長差も面白かったですが、冒頭カチンコチンでレベッカさんに担がれるところの上半身と下半身どっちも長すぎて阿知波さんに本気でエールを送った。
そして伯爵!伯爵がアルフを見上げて歌う一幕ラスト!この今までにない絵が半端なくカッコいい。アルフが高身長だと「スペックあるのに自分の強さに気づいてない」彼が覚醒していく、みたいな空気が面白いんですが、それに向かって伯爵が微笑む絵がほんっと、こう、初めてあの場面で「妖艶」を感じた…おぉもしろいー。
あと教授への「恥ずかしいです。でもできない。」が最高に好きでした。こーゆーのが令和のアルフだ。すごくいいと思う。

■玲香サラ
「レベッカ」でツボったのが彼女の子供っぽさとよるべなさ、そこから立ち上がる、弱いんだけど「強くなる」を必死で成し遂げようとする「わたし」のありかたでした。
サラはまたこれ「子供」で良かったです。いや、「18の娘」でもあるし当人は悪いことしてるつもりなんだろうけど、ちっひーサラを100とすると0.2ぐらいの小悪魔度で、姿の美しさと「女」を出す方法を知らない(わかってたらやる)感じのギャップが面白かった。
アルフとの身長差でどうなるかと思ったけどいろいろ鮮やかでした。「スポンジ最高」では棚の上を拭く絵になるぞ…と思ってたけど二人とも座ってたのでその手があったか!」と思ったし、ラストの吸血の流れとか見事見事。歴代サラはキバが生えた時点でヴァンパイア化が済んでましたが、今回の「キバが生えてる」→痙攣→覚醒、っていう絵はまたゾクゾクした。「血よ。なめてみて」の自然さも東アルフのナチュラルさとベストマッチ。
■佐藤ヴァンパイアダンサー
サラの幻想とかアルフの悪夢とか、カッコいいけど派手にバーンと行く感じが今回はないな、と思ったんだけど真骨頂は「抑えがたい欲望」でした…このナンバーだけで13500円の価値がある。
「1617年…」と歌い始める伯爵の軽やかでほがらかな表情、その後ろから静かに表れて、徐々に伯爵の言葉に寄り添っていく。その流れは「ナポレオンの供の者」での一瞬のシンクロに達して、「あ…」って観る者に思わせて、そこから重みや苦しみのような動きが増していく。現れていく伯爵の感情の深いところへどんどんどんどん入り込んでいくのにつれて、苦悩や渇望、虚しさ、激しさ、骨が踊るみたいなギリギリさが表れていく。よかったぁぁ。

■植原ヘルベルト
登場場面で「いいぞー!」と叫んだ(笑)どう見えたかというといつぞやのクコール劇場のバカ息子。長髪にグラサンにユラユラ仕草。パパの動きと全くコミュニケーションが成立してない動きにも大笑い「そっち行ってよかったんだ…!」っていう再発見を得た。
ので応援する。脚が長くて踊りが楽しい。回を重ねてはじけていって。
苦情もある。2件。
「恋をしているなら」はコントではないんだよね(ものすごく難しい顔)笑いはあるけどそれは隠し芸的な笑いじゃないんだ、あくまでホラーとして、「クロロック城」の一部としてアルフに不安と魅力とを感じさせまくって欲しいんだ、難しいこと言っているのはわかっている…3割ぐらいはキバのせいだ…あれじゃイヤミですよ…。
あとエスコート。サラと並んで降りてどうする。そこはメインディッシュを父上まで導く場面なんだからエスコートしてエスコート。逆にサラをないがしろにして「僕」が出るってんならそれはそれで面白いからそういう場面にしちゃって。

■千弘マグダ
「エマ」に出てくる美麗なメイドのマリアを思い出した。お風呂で裸で髪を両手でかきあげて「マリアさんはみんなのマリアさん」って微笑む。それを受けた同僚のアデーレが「マグダラのほうのね」って皮肉にいう。アデーレ愛してる。話がそれた。
めっちゃ綺麗。むっちゃくちゃ美しい。陽気で明るくて惚れっぽい、不倫もするけど悲壮感ゼロ。いやああああ素敵素敵すってき。
「男が好き」というとすごい陳腐だけど、シャガールに限らずみんなに愛を振りまいている在り方がめっちゃ新鮮なマグダでした。教授にも関心持つしアルフにも微笑むし、お城でシャガールと踊る場面で間に入ってきたクコールにキスしちゃっても楽しそうに笑ってる。クコール×マグダなんて今更好みすぎるんだけど何してくれてんだよ(笑)。
あと序盤、ベッドでポンポン跳ねるとこの芸が細かくてめっさキャリアを感じた。

時間切れ。またかけたら追記する。

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