« último | トップページ | 冬祭り2019 »

recuerdos

「ドン・ジュアン」拾遺ちょこっと。

■イザカルイザ
イザベルとドン・カルロの関係が好きだなあという話。
それぞれの形でドン・ジュアンにベクトル合わせてる二人だけど、それゆえお互いのことよく分かってるというか…いやカルロはわからんな(笑)、少なくともイザベルは、ドン・ジュアンに一番誠実な友人であろうとするカルロに対して、あの外道を相手に何一つ諦めずに無駄なチャレンジをし続けるドン・カルロの生き方に対して、理解とか共感とか、ある種の愛おしさもあるんじゃないかなと想像してました。
一幕ラストでソロパートが繋がってくとこ、ドン・ルイとエルヴィラが歌ってる間にカルロとイザベルが組んで踊るんだけど、毎回、こ こ が 超 絶 ツボでして。
技量は最高、素晴らしく優雅、気安くて粋で、色っぽくない!こんな組み合わせそうそうないよ(笑)。
ここの踊りはイザベルは最上の笑顔、カルロは意識の何割かだけ振り向けてる、でも微笑…という雰囲気なんだけど、この、組んで踊るパートが終わるよ離れるよ、…ってところで刈谷、カルロが!イザベルに!一瞬!手を使わない投げキスみたいな、さりげないキス顔をしていく…というのを目撃しまして脳内超ブラボー叫んでた。幻だったらすまない…酒場のマイクなし雑談もほんっと好きだった…マイクを入れろ…。

■酒場スケッチ
「愛の華」の冒頭でドン・ジュアンから奪ったグラスをドン・カルロがカウンターにダン!って置いて、そのまま横にスライドさせる。これをマスター俵君が回収するんですが、初めてこれ観たときはグラスがカウンターの端をこえて落ちるのをサッと受け止めるマスター、という絵で(笑)以後ここは楽しくてやたら右端を気にする客になってしまった。
途中までしか把握してないけど、カウンターから落ちるかはその時その時だったな。刈谷の前楽ソワレで1mぐらいすっ飛んでったのを受け止めてたのナイスでした。
なお俵君の本当の見せ場はその後のソロですわかってます(笑)ファニータもここカッコよかったなあ…エルヴィラ入ってきてハッ!とか笑ってるのもツボでした。

■イザベルとエルヴィラの話
表も裏も、物語で起きるほとんど全てのことを見て取っているイザベルだけど、珍しく彼女が直視を避けてるな、て感じがあるのがエルヴィラ関連。「いたたまれない」っていうほど親身な感覚じゃないだろうけど、修羅場展開もエルヴィラの気持ちもドン・ジュアンの反応も全て見えてしまってて「あえて見ていたい内容ではない」みたいなノリに見える。それは彼女自身が通ってきた道だから…というのは陳腐な想像だけど「それ もう みた」って感覚はあるのかなと。上着をドン・カルロ経由で渡してあげるぐらいの同情?いや、ケア…?フォロー?…うーん「死者に鞭打たない」レベルの反応はするけど、はいはい、ってところがあると思う。きっとエルヴィラ自身、同情も親切も受け付けるわけがないのわかってるから…そこがカルロとイザベルの差だ(笑)。
最初の最初に「あなたの出る幕なんてないのお嬢さん」ってまっすぐ見ていう、あれが彼女の最大限の善意だったかも知れないなと。

■酒場スケッチ2
酒場でラファエルがドン・ジュアンに殴りかかるところでドン・カルロとエルヴィラが一緒に駆け付けるの、あれカルロがエルヴィラを心配して探し当てたんだと思ってたけど、ラファエルに「一人にしてくれないか」って言われたエルヴィラがちょっと怯えたように走り去るのを見て、あ、逆かな、と思いました。つまりもう、ラファエルに火がついた時点でエルヴィラは「これはまずい」って思っちゃったのかもなと。それで頼れる唯一の人であるカルロを呼びに行って酒場に連れてったのかな…とかとかあのカルロの剣スチャッ!からの王子様カットインを見ながら考えていた。スペック高すぎるよなあの男。たぶん剣とかドン・ジュアンより技量が上かも知れない。
(わかっているはずだ君の方がつよい)
(「誰に対しても」って亡霊が「結末への邪魔」を排除しまくる曲だと思うけど、亡霊にとっちゃ一番の障害がドン・カルロ、とか考えると滾るよねえ)

■イザベルの話
「私は見てみたいけどね。彼がどこまで行くのか」
幸せになって欲しいとか、生きて欲しいとかですらなく、見ていたい。
「俺の名は刑罰」の瞬間まで高まっていく女たちの後ろにいて、ハイ、という瞬間に後ろを向く上級者ぶりといい、ドン・ジュアンに誰よりも近づくけど口づけはしないとこで離れていく様子だったり、「決闘だラファエル」で誰もがラファエルとマリアを見ている間、ひたりとドン・ジュアンを見据えている在り方だったり。
イザベルのドン・ジュアンへの感情って多分人生三周分ぐらい回って深まりすぎてる印象です。作品上「ドン・ジュアンの魅力」を一番高めてるのはイザベルの居方だと思う。
「ただの女」「ただの男」っていうのは彼女からすると「ただの人間、自己都合の塊」っていう意味なのかなあと思いました。ドン・ジュアンを愛している、でも最終的に残った感情は全て我欲だと思ってるから、ドン・カルロに対しての
「あなただってただの男。ドン・ジュアンに友人なんかいないの」
っていう言葉になるのかなと。それで行くと「ひとり」が彼女のテーマでもあるのかなあ…。

■酒場スケッチ3
ダンダン(高音)ダーン(低音)「決闘だーラファエール」
ここの亡霊が瞬間移動だという話をしてたけど、実際は最初の「ダンダン」の二拍目で動く、バシッと柱に両手を置く…んだけどその、動く瞬間の両腕がピアノの鍵盤に向かって両手指を広げてダーン!って下ろすみたいに見えました。方向は横と下だけど。その後の伸び切った指のこともどっかで書いたけど、その貼り付けたポーズと下を凝視する眼とがドン・ジュアンの決闘申し込み、受けるラファエルの言葉の間にずっと続く。「いい度胸じゃないか」でゆっくりと下に下りる動作に移る…何回流したか知れない脳内映像。

|

« último | トップページ | 冬祭り2019 »

ドン・ジュアン」カテゴリの記事

コメント

片帆様

お邪魔します。
イザベル、「違うわ、愛してるの」
を聞いて、この人、現在進行形の上でのその振る舞い、さすが、と思っていました。
それにしても素敵です(笑)

投稿: ジジ☆ | 2019/10/16 17:40

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« último | トップページ | 冬祭り2019 »