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マンダレイ2018-2

「レベッカ」ランダム雑感。

■「初めて聞くお名前です」
今期の「レベッカ」ではダンヴァース夫人のこの台詞に大きな意味がこもることになって、自分の感想としてはすごくダニーについて腑に落ちたところがありました。
ダンヴァースの中で完成していたレベッカという存在、生きることを愛するレベッカ、絶対に死を選びはしないレベッカ、だからたとえ体が朽ち果てようとも絶対に「生きている」存在でありえた、マンダレイを飲み込む勢いで存在していたレベッカ。それは実際にはダンヴァースの確信がもたらしてた、現実を塗り替える固有結界(他クラスタ語だがしっくりくる)で、そのぴかぴかの真実(実はダニー自身の信仰)に対してあの「知らない名前」がピシッと、小さなヒビを入れたんだなと。
たぶんダニーの世界はマキシムが殺したんだろうと事故だったんだろうと壊れはしなかったんだけど、知りつくしてたはずのレベッカについて新しい情報が現れて、今までの世界を見直さざるを得なくなったこと自体が致命的だった。自殺だった=レベッカは既に死を選んで先に行っちゃった、「あの人はもうここにいない」っていうベンの真実に追いつかれた。じゃあ自分が維持してきたこの世界ごと同じ運命に従わなきゃいけない。
最後にもう一度レベッカと一緒になれるところまで行かないといけなかった。からの炎と哄笑なのかなーと。
例によって文にすると陳腐だ。
詮無いことですが、このノリでシルビアのダンヴァースも観てみたかったなー。

■燃え尽きた日々
「乗り越えてゆける愛さえあれば」に意味が生まれてよかったな、と思えたのも今回。
なんでこんなめでたしめでたしみたいなヒキなの?という疑問は初演再演通して消えたことはなかったし、今期も正直カトレアばらばら刺さったり刺さらなかったり状態が片付くまでそれどころじゃなかったんだけど(もう言ってもいいだろう)。落ちついてみれば「忘れたい、忘れない、カトレアの香り」があのエンディングの情景なんだな、って感じられるようになった。
あ、そうか「乗り越えてゆける」って言ってるだけなんだな、むしろ人によっちゃ「乗り越えてゆける?」疑問符が付いてるし(アイツとか)、例えばベアトリスなら「乗り越えてゆける(わよ、きっと!)」っていう励ましかもな、あの二人が乗り越えていけるかどうかは全部これからなんだな…っていう。
希望と疑問の混沌、それは「レベッカ」じゃん。うわあ。

■キューピッド三題
初演より前の話なんで記憶があいまいですが、ライムント劇場で初めて観た「レベッカ」で、二幕のあの人形を壊すシーンでかなり反感を持った記憶がありまして。なんだよ強気にしたって限度があるだろうダニーが可哀想だよ感じ悪いな、というのがあの場面の第一印象でした。
なので日本版のいつからだったか、大塚ちひろちゃんの「もうビクビクしない」決意をこめて、ホントは嫌だけどものすごいためらってるけど決心してガシャン!という動線が生まれた時ブラボーと叫んだし、今でもここは本当に好き。
とはいえ今期、新しい「わたし」はいずれもこのへんの解釈が変わってきてて。
綾ちゃんのノー躊躇・ノータイム・片手でガッシャンがわりと納得だったのは自分でも驚きでした。言葉を選ばないでいうと「これは彼女の本性だ」っていう感覚。必要なことをする意思、決断したらその道を進んでいく強靭さ、そういうシンの強さが「今まで隠されていた」けれど出てきた全てはマキシムのため、っていう戦い抜く戦士よ!感。
いっぽうで前半の子供っぽさよるべなさで感情移入度がハンパなかった桜井玲香ちゃんの場合、人形の場面では「あ、彼女はもう前の自分を殺したんだな」っていう見え方でした。「君の瞳から子供っぽさが消えてる」もう子供の自分を殺さざるを得なくなった、あのボートハウスの時点で何かが死んだんだな、っていう感覚。
いずれも本人がそう思ってやってるとは思いませんが、なんだかんだ気持ちが落ち着いた人形の場面でした。

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コメント

片帆様

無事に千秋楽でしたね(笑)(前楽に伺いました)
ファヴェルさんロスになるかと思いきや、意外にも「レベッカ」ロス気味です(笑)→ロスというか、彼女を、もっと知りたくなっています。
マンダレイから抜け出さねば(笑)

投稿: ジジ☆ | 2019/02/10 00:25

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