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2018年8月の3件の記事

新生男子部2018空

「宝塚BOYS」2018年、チーム「SKY」を観てきました。

SEAとはまた違う雰囲気だろうな、と思って臨みましたがマジ全っっっっ然違ってた。
キャストは若い人が多くて、経験者5人(ただし配役的な続投は星野のみ)だったSKYと違って全員、初登場。
演出も結構違う。もとから「宝塚BOYS」はでる人の組み合わせでドラマが変わる面が大きいですが、今回は7人の空気みたいなのがSKYとSEAで全然違ってた気がする。

■上原金蔵(永田崇人)
テンパってテンパって、泣きすぎると笑っちゃう。笑いすぎて泣いちゃう。笑いと涙は表裏一体。ただ懸命に生きているのです。そういう上原にとことん感情移入できた。
プロローグからラスト「戦友の墓前に胸を張って報告したいと思います」まで、上原の原体験と筋がしっかり通ってて涙した。怖くて怖くてうずくまる、でも戦友が発進するところで飛び起きる、っていう動線とか。山田が特攻隊だと聞いてちょっとハッとしている空気とか。「特攻隊ですか」が話のキッカケというより、上原だから自然に出た台詞なんだなって思ったの初めてですよ…。
リーダーとしての無力感は全編、骨まで染みとおってるのがわかるから、「もう大将と呼ばないでください」がむちゃくちゃ刺さるし、自分のハガキから全てを始めてしまった、そういう責任をもずっと引きずってるから、池田さんの「この俺だ」が効くっていう…いや、こういう脚本だったんじゃん…という衝撃。
全体「上原!」「あぁそれ、上原!」と心で叫びまくりました。
とか悲壮な話ばっか書いたけど、弱い上原としてのチャームも全開で楽しかったです。印象に残ってるのが「1時半です」のくだり。星野がいい加減に寝たらどうだって怒鳴られてぴゃーっと逃げるけど、仕切ののれんのむこうまで待避して、のれん被って「好きにやらせてください!」…ってその手があったか!のれんが!(開眼)

■竹内重雄(溝口琢矢)
歌が好き!綺麗なものは綺麗なんだ!あと歌が好き!
イエーイ竹内だ(笑)。より正確な印象としては竹内リリィというか(何を言っているんだ)、少年のまま兵隊になって、現実の中で理想を通すことで正気を保ってきた、ポテンシャルは随一だけど天然かつ謙虚、そして正直。
「歌いましょう!」がほぼネタ台詞化するほど定着していたのは嬉しかった。フられた長谷川がえんえん泣いている、そのままシーン転換…っていう際に「歌いましょう!」が聞こえてきたのには爆笑したし、スパニッシュでも「歌いましょう!」が入ってたのにも頷いたし。もちろんそれは突っ伏した竹内の「春すみれ咲き…」で昇華するわけで。(あそこで決壊する池田さんってのも凄い、忘れられない絵です)
弱点はあれだな、可愛すぎて「マリーが成立してしまう」っていう(笑)いや、初代もそういうとこあったけどなんせ体格が立派だったからハセが笑い出す流れにいけたんだけど、溝口君ふつうに似合ってるから「なんかへんですよ」の台詞が微妙に。
マリーと言えば以前あった「竹内さんてもしかしてそっちの世界の人?」がカットされたことはわりと自然に感じました。ああ私達も変わってるんだなと思った。

■長谷川好弥(富田健太郎)
馬の足のくだり、さらに長くなったなあ(笑)初日に健人君Verで見たとき(後ろのお姫様を)「見なくていい!!」が面白すぎてこれ畳みかければいいのにと思ってたんだけど、それもこれも詰め込んでめっちゃ長くなってた、馬…お疲れさま。ちなみにこれで「馬に乗ったハセ」は自由君ただ一人ということになった。
「芝居がしたい」ハセの素直さと、なんだかんだ男子部のムードメーカーである居方がよかったです。
太田川のこと「おーちゃん」って呼ぶのは衝撃だった…そうか、太田川と同年代のハセ…これ無限の可能性じゃないですか(立ち上がるリピーター根性)(遅すぎる)。

■山田浩二(山口大地)
山田は可愛い(もういい)。可愛いし、やさしい男なんだよ…。
テンポがゆっくりというか丁寧なお芝居するので、ああこいつ繊細なんだな、というのが全面に出てる山田で、なるほどなあと思いました。つくづく星野の形態模写可愛い。部屋の扉をバァンと叩かれた後そっと閉めるのも可愛い。 タケちゃん気遣うのも太田川気遣うのも可愛い(「近頃稽古も休みがちだしな」とか「あいつ銭湯には一人で言ってた」とか新旧問わず「えっ何おまえ細やか」ってなるんだけど、それがしっくり来る)
マルコと少年の別れを寮で練習する場面は、再演を重ねるごとにディテールが細かくなってきた敷居の高い(であろう)シーンですが、いや最高だった(笑)排気音といい去っていく電車といい、お見事でした!
芸名「未来かわる」は忘れられない(その手があったか)

■竹田幹夫(川原一馬)
若さ、おとなしさ、爆発力。主張はしないけど漂う余裕。
すごく良かったです竹田。あんな「運がいいとか悪いとか」の響きは初めてでした。叫ぶ言い方をしたところも、普段おちついてる竹田、一人で泣いていた竹田だったから凄い刺さったし。
男子部解散を聞いてる間、ずっとほぼ無表情でたたずんでたのに「ぼくらは宝塚歌劇に」っていう長谷川の叫びに食い気味に「そうです!」って叫ぶところも。
呼び方は「タケちゃん」「コウちゃん」で着地。こっちも山田とほぼ同年代っぽかった。
なお「女性だけで100年順調に行ったりして」に「100年」が入ったのは100周年をすぎてからの脚本改変だったと記憶している(豆)。

■太田川剛(塩田康平)
今回いちばんのインパクトは終盤で襲ってきた。若い太田川。
戦争の話題になると居づらそうにする、というのは太田川のデフォですが、こんなに素直に「あ、イヤなんだな」っていう表現がでる、はっきり言うと子供っぽいとこに「おぉぉ?」と驚かされ。なるほど、そうかと。太田川って世間ずれアピールしてるけど(今は竹内メトロノームに気をとられて客席がそこに気づかないっていう罠があるんだが(笑))実際は弱みありまくりで、ハキハキしてるけど実は病弱、強がりばっかりで人に頼るのもヘタ、というキャラなわけで。
本当は引け目の固まりでナイーブナイーバーナイーベスト。浪速のさびしんぼうとはよく言った。
なので、終盤の稽古場での場面が胸にザクザク来ました。「何のお役にも立てずに死んでいくんか!」でこんなに泣いたことはない。

■星野丈治(中塚皓平)
「なんで西郷どんが宝塚に」と思ってたし幕間に「あ、皓平君か、道理で腕キレイだわ」とかやっと認識したし、それでもぶっちゃけボレロのセンターに至っても「綺麗だぁ吉之助さぁ」とか思ってた場違いな客でしたすいません。こんな私ですが叫ぶ。「星野よかったよ!」とさけぶ。
前の人たちいずれともキャラは違うんだけど、あえていえば初演の人に近いなあと思ってたりする。異論は認める。
星野って「俺はプロだ」って念じてる人だと思うんですよね。実際プロだけど、「お前らとは違う」って、思い上がる意味でも責任感を持つ意味でも思ってて、ゆえに自分から一線を画してる。そういうとこがガンガン見えるのが嬉しかったです。(ちなみに後半で「実はこいつこそ若造」感がガンガン出てくるのが初代、大人力を増してくのが皓平星野)
「この世界は残酷だよ」っていうくだりのギラギラもすごくよかった。「出演おめでとう」って上原、長谷川にそれぞれ目を合わせて言う、そして上原の肩に手をかけて、もう片方の手で竹内・山田・太田川、もう一回竹内(!)を指さして「…気をつけろよ」
最高だね(笑)。ここまでやっちゃうから、たぶん詫びのニュアンスも込めて竹内に酒を勧めて「足の引っ張り合いは当たり前!」に繋がっていくんだろうなと。
つくづく惜しいよなあニ幕の竹内の「星野さん、男子部をやめないで下さい」のカット。
竹田への優しさも初演以来だったなあ。「帰ってくるって!」って星野が言うのいつからだマジびっくりした。

一幕を観終えて愕然としたのが、あ、この感覚は初演の感覚に近いんだなという気付きでした。今回のSKYチームに共通してるのが「青さ」「余裕のなさ」「せっぱ詰まった感」「シャレのきかなさ」「こなれなさ」というのか(笑)…これがねえ、なぜか胸を鷲掴んできまして。
「新鮮さ」が全面じゃないんだ。フレッシュだから嬉しいんじゃない、ただ単に「宝塚男子部が懸命に生きていた」っていう空気にあの7人がストレートにはまった、そういうことだったんじゃないかと。
この人たちは、戦後の青年たちなんだというところ。
それぞれ傷つきまくって経験も重ねすぎてるけど、年齢的にはむしろ幼い、ナイーブな若者達だったんだんだというところ。
「僕らには、夢と希望と憧れと、大きな不安がありました」
「ただ、懸命に生きていたのです」
この辺の切なさ、ほとばしる実感は初演以上だったかもしれない。
そんな感動でいっぱいになった"SKY"でした。ありがとう。ありがとう。

(まあ「若かった僕らも少しずつ年をとり」に説得力がビタイチ出なかったという弱点があったことは認める)(蛇足)

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新生男子部2018海

「宝塚BOYS」2018年初日、チームSEAの回を観てきました。
旅行で間が開いちゃいましたが、雑感なぞ。ごめんかなり長い。そしてうるさい。

やあ、もう、いいなあ、この作品。初演再演に通い倒し、キャスト変わってからはそのキャストでどんなに見え方が変わるかにワクワクしてきた作品です。続いていく限り観ていきたいなあ…と思っています(要約終了)。
4演目から5年ぶり(!!)のキャスト&ネタ別雑感なぞ。

■上原金蔵(良知真次)
髪型が魔法のようだった。頭下げるとバサーッと下に落ちるんだけど上がるとベタ塗りのようにぺたーっと収まる形状記憶ヘアー。
前回のとんがった竹内は良知君のキャラがバシッとはまった感があったんですが、よわよわ上原も良かったです。いい感じにウザい。面白い。才能はあるのに、いつも哀しい。
それがフィナーレでキラッキラの踊り手になっちゃうところは前回同様(笑)。

■竹内重雄(上山竜治)
「なつかしーきー外つ国のーー!」カットインで爆笑。メトロノームでげらげら笑い。「家が電気屋で」でもうなんなのこの人ってなる(笑)。それが「綺麗なものは」でヒュッ!と違う顔を見せる。いいねえ竹内竹内。もと竹田の竹内(この字面がまぎらわしい2018)。
ただ、後半の上原との微妙なリーダー争い(争う気はないけど結果的に、ってとこ)がよく見えなかったのがちょっと心残り。脚本上の竹内の描かれ方って微妙で、「上原がリーダーたらんとして時に空回りする中、他のメンバー(特に星野)から見ると影の実力者として竹内がいる」みたいな感じで、その、みんなの精神的な支柱だった竹内が最後にぶっ壊れちゃう(そこへ上原)、という構造が見えるのが理想だったりする。この辺を公演の終盤でも観て確かめてみたかったな。
恋文事件のくだりの凹みぶりと、星野の「気をつけろよ」で生まれる緊張感がすごくよかった。あと、赤いものしりとりでのミキオとのやりとり面白かった…あれ思えば新旧竹田対決(この字面がどうでもいい2018)

■長谷川好弥(木内健人)
序盤ではサブキャラっぽく、馬の足あたりから徐々に役割が見えてきて、気が付けば「お前か!」「やっぱりお前か!」って馴染んでいく。ニュートラルから「長いつきあい」へ。男子部全体の雰囲気を象徴する。個人的には7人の中の要の役どころだと思ってます。
恋文事件で最初ちょっと後ろめたそうにしてて「手紙」と聞いて「あ、それならオレじゃないな」という反応してんの細かい(笑)。中盤以降は旅役者芸がどんどん生きて、ふられた悲しみも絶妙なスパイスになる。ハセの最大の見せ場は「大目に見るんですかー!」だと思ってんだけど(笑)今回そこもよかったし、その後のジャン役の素直なカッコ良さがね!「こいつ磨けば光るんでは?」っていうキラキラの片鱗。このバランス。なに絶賛してんの私(大事なんだよここのハセの芝居ホント)。
つーか帰ってから愕然としたんだけど今回初参加ってハセと竹田だけ?あのメンツみんな続投組??すばらしいなじみっぷりでした。健人君は歌える踊れる「ザッツ器用」なイメージで、どっちかというと小癪なキャラクターが合うと思ってたんですけど、こんなに「残念な長谷川」を表現できると思わなかった。
ラスト、全員ですみれを熱唱する場面、笑う星野に頭抱えられて泣いてる絵と、フィナーレがハネた後、上原や竹内が前のほうで号泣している後ろを、上を向いて泣きながら羽しょった長谷川がゆっくりと歩いていく姿が心に残りました。

■竹田幹夫(百名ヒロキ)
過去の呼び方はミキちゃんとかタケちゃんとかいろいろでしたが今回は「ミキオちゃん」から始まっておおむね「ミキオ」でしたね。
「自信満々」っていうより「現代っ子」って感じのふてぶてしさ。なんだかんだ自信はあっても空気は読めるのが竹田の役どころだったと思うんですが、どこまでもマイペースの百名君も違う味わいでへぇぇと思った。フィナーレでの「何でおまえだけモテるんや」に客席から「そうだそうだー!」って同調する感覚も新しい(笑)だいたい竹田って「あ、こいつ絶対モテるわ」的なしゃらくささがあったんだけど百名君、しゃらくささより少年ぽさが勝つので。
そういう意味で、後半でも子供というか、生徒と付き合ってたことに後ろめたさがないのがちょっと惜しかったかな。「竹田が女とつきあってる」が爆弾になりきれてないのにはあれれと思った。(年長組が「ヤバい!」っていう空気出してるには出してるんだけど)

■太田川剛(藤岡正明)
「もと竹内の太田川」っていう字面が強烈すぎて何度も確認しなおしたし、今でもちょっと疑っている(どっちもはまってたから余計に)。おかげであんた本当は踊れるしめっちゃ歌えるでしょぉぉぉとか思わないですんだ(笑)。
むしろいつもより健康そうな藤岡君だったんですけど(私見)、言いたいことポンポン言ってるようで実はいちばんナイーブ、っていうキャラクターは新発見でした。
フィナーレのピルエットへの全員ツッコミ「もうええわ」で笑って、ここで泣いた。えーここ泣く?泣くところ?って自分でびっくりするぐらいボロボロ泣いた。

■山田浩二(石井一彰)
もとミキオの山田(もうええわ)。
山田は可愛いです(総括)。前から思ってただけど山田という生き物自体が可愛さという概念を内包しているのです。演じるキャストによってかわいさのベクトルは少しずつ変わるけれども可愛い者は可愛い。
登場から虚勢がバレてるとこ可愛い。
おかんへの手紙ごまかすとこ可愛い。
ミキオに対する精神的優位性がカケラも感じられないとこ可愛い。
なのにお兄ちゃんしようとするホントの空回り可愛い。
星野さんめっちゃ意識して影から技術を会得しようとしているバレバレな動きが可愛い。
めっっっっちゃ可愛い。

■星野丈治(東山義久)
「ハイ、プロの人来ました!」の緊張感、謎のパフォーマンス。実は他のやつらと同じく夢に生きてるし虚勢も張ってる、おばちゃん大好きで真性のマザコン。最初は偉そうに孤高を気取って見えるけど、うちとけてからはめっちゃ頼れる先輩。
それが東山星野。(初演の人については過去に数万字書いてるからそっちを見てくれ)。
三演目で初めて見たときは他の人との関係、特にこの「先輩」感覚が前の人とぜんぜん違っててほぉぉ!と思いましたが、腑に落ちてみるとこれ、何って頼もしいんだろうなと。「年長の星野さん」としての役どころがすごい安心感あってなるほどなあと思いました。
他のメンバーに比べてやっぱ貫禄があるというか、「終わり」を予感する雰囲気は星野が突出してる(以前は上原・竹内・星野の共有っていう感覚でしたが)。「俺たち、力不足だったのかね」が大人っぽくてなあ。

■おばちゃん
「いいえ、あなたとの時間は私の宝物」で涙腺決壊。蛇口が壊れたように涙が止まらず。なんだこれなんだこれと自分でびっくりした。
初風さんは今にして思えばお姫様のような人というか、かつての女優の姿と今のおばちゃんの生活感がシームレスに繋がってたんだけど、愛華みれさんは「女優であった過去」と「日々を生きる現在」の二面性があるというか、なんか「業」っつっちゃうと大げさだけど、「かつて夢を失った」感があのマリーでずわっっっっと襲ってくる、これがどストライクでびっくりした。

■池田さん
「芸事には門外漢だが」が普通にしっくりくる、ああサラリーマンなんだな、っていう導入部分(山路さんだとここで「えぇーほんとでござるかぁ」が入る)、徐々に、この人、実はものすごく熱い情熱持った人なのでは?っていう正体が現れてくる。
そういう親父さんなので、スカッとした言い方の「俺だってまだ夢の途中だ!」がみぞおちにドーンと決まった(笑)。
すみれを歌いきって男子が散っていく、稽古場が消えて大階段が迫ってくる、それを池田さんが立って見回す。この空気がホントに見事でボロボロ泣きました。

■フィナーレの話
初演の頃の「宝塚BOYS」のフィナーレって「宝塚っぽさ」が大きかったというか、「あの夢の世界を男性でやるとどうなるか」っていう見せ方だったと思います。キラキラレビュー空間を「男性が」作るっていう。
で、キャスト変更を経て四演で「おぉ?」と思ったのが「彼らっぽさ」昔でいうと太田川ぐらいしかやってなかった「自分の味出しまくり」をそれぞれがやるようになった、「男子部」がレビューをやっているという空気感。
今回のキャストではこれが凄くはまってた。わりと「ザッツ昭和」というか、宝塚レビュー的な意味では男臭さ、言っちゃえば生活感を持つメンバーだったと思うんだけど、これが、山田は山田らしく、ハセはハセらしく、太田川は太田川らしく、っていう居方がすごく面白くて。「タカラジェンヌのレビュー」とは違う空間、だけどこいつら愛してるって思える、そういう舞台。(で「さすがにどうだろう」っていう絶妙なタイミングで「もうええわ」が入る(笑))。
そんなわけでボレロでぼろっぼろに泣いてしまった(笑)。「キラキラ」と「ワクワク」っていう違いはあるけれど、舞台に立てる喜び、嬉しさ、夢の空間っていうありかたを見せてもらえたのが嬉しくて。

大好きです「宝塚BOYS」。ずっと続いていくといい。

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1789らんだむとーく2018-7

「1789」博多終了。
(って書いてから旅行やらなんやらで半月すぎてしまいましたが)つけたしいくつか。

最近の感想はTwitter中心でしたので、何年後かに見たくなった時に備えてまとめへのリンクを張っておく。多い。

4月5月(東京中心)

6月(大阪中心)

7月(博多中心)

あらためて、発見が多かった4ヶ月でした。
再演ものは何でもそうだけど、「ここまで来なきゃわからなかったなあ」と思う発見やその人ごとの進化もあり、「あ、あれはあの時点で終わっていたんだな」という過去のある瞬間の煌めきとか、まあ喪失したものへの名残もあり。

この作品には初演で課題を感じた部分がいくつもあって、再演が決まったときは正直、どうなるかな…と思ったんだけど。フタ開けてみたら「課題」(主に脚本上の)はほぼ全く直ってなくて、なのに「革命モノ」としてはドカンと昇華して、結果むっちゃくちゃ楽しかったっていう。半端なテコ入れで大事なモノを失ったなと感じた「レディ・ベス」とは真逆の結果だったなと思います(淡々)。

自分はもともとキャストのファンとして観劇に臨んでるから、贔屓の頑張りどころを知ろうとして観察も深読みもしまくる。その過程で「他の人も面白ければ嬉しいな」と思ってた人達に引き込まれてゆき、気が付くと箱推しになっている…というのが幸福なパターン。「1789」は本当にそれだった。
役者さん、若者もシニアも、一人一人が自分のやることをとことんやって、ぶつかりあって、結果、いくつもの物語が生まれてった。関係者の皆さんも細かい改善を丁寧に入れていったであろう結果、お話全体が綺麗に流れるようになった。各劇場も違うスタイルで盛り上げてくれて(油断しない帝劇・エポックメイキング新歌舞伎座・愛してるぜ博多座)、観劇っていう体験全体に酔いまくれた。

こういうの、特に再演の「ヴァンパイア」で感じた勢いに似てる。初演っきりで取り戻せないものは戻せない、でも作品の「よさ」を丁寧に伸ばして、制約の中でもやれることを全部やった、そういう仕事のお陰で「うぉぉ、再演になってよかったなあ!!」ってお客として思えたことがホントに嬉しかった。

最後に、作品で描かれた恋人たちについていくつか。

個人的MVPはやっぱ三浦君と花岡嬢。このセットは崩せない(笑)。
古川ロベスピエールが作りあげた動線を活かしながら、違う風を吹かせてくれた。政治家としてのありかた、思想の見え方、ロナンの存在に対する居方、恋人との時間のありかた。
彼女ウォッチも散々したさ…ロベピーがいる空間ではまず彼の居場所を目で確認するor追うんだよ…女友達をかばったり、革命に対する思いを表現したり、一人の市民としてやるべきことをやりながら、彼への思いをまんまパワーに変えて燃やし尽くす。
無限にときめきをありがとう。名前があるのは知ってるけど、個人的には名前を呼ばない「彼女」「ロベスピエールの恋人」としてずっと覚えておきたい。

デムーランとリュシルも好きだった。サイラ前半、お互い違うことやってて、フッ…っていう瞬間にお互いを見つけて、なんとなく見つめ合って、自然に一緒になる。あの流れに彼らの時間がどうだったか、これからの日々がどう流れていくかも凝縮されてる感じ。

ダントンとソレーヌはまたなんか違う形の二人だな。
わたしゃパン屋のくだりのダントンの態度に未だに釈然としないので(苦笑)、ソレーヌを受け止める男に成長していく途上だと思ってたりする(なのでカテコの投げキスとか、ここぞという時だけ返すソレーヌがたいそうしっくりくる)。最後のほう、サイラ前半でソレーヌがポンポン言ってダントンがお、おう…ってなってる絵とか好きでした。

両ロナン両オランプでのドラマは今期、深まったり変わったり、いろいろなことがあったなあ。小池&夢咲、加藤&沙也加っていう、初演では感じなかった組み合わせの面白さも発見でした。

ポテンシャル最強だけど持たざる者として生きてきた小池ロナン。あがいてるようで人格は完成してて、自分という「個」が革命で成せることを見つけていく物語だったように思えました。革命にも恋にも、本質的には迷ってない。そういう眩しさ。
ガタイも大きく頭もいい、高スペックゆえに中身がスキだらけのまま大人になっちまった加藤ロナン。革命の兄弟たちとの出会いに有頂天になって、それゆえに自分の理想と疑惑でズタズタになっていく、危うさと気高さ。
さやかオランプはド器用なとこを前面に出すっていう不器用(高度だ(笑))、ねねオランプは根っからの不器用、っていう見え方で、それぞれロナンに対してどう反応していくか本当に面白かったです。
さんざん書いたけどそれぞれ、対アルトワがほんっと面白くてな!!!

それでもあえて、いちばんときめいたペアを挙げろと言われたら凰稀夢咲が至高(台無し)

半分冗談はおいといて(笑) また振り返ることはあると思いますが、ひとまずこれにて。

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