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新生2

「モーツァルト!」雑感続き

■和音ナンネール
新演出版の「モーツァルト!」は改めて「ヴォルフガング」を中心として一本の筋を通したというか、他のキャラクターの役割はそれぞれ過去より一歩引いたものになったかな、と思います。アマデですらそう。
ナンネールについても、冒頭「ただの大人になってしまう」での表情の変化とかなし、市場の曲も思い切り短縮。「モーツァルトの姉」であり「ザルツブルクに置いてきた家族」であり、過去、特に2010年の高橋ナンネールが入った本当の「モーツァルトの影」みたいな役どころに踏み込むことはないんだな、と思いました。
ラストまでは(笑)。
いや、良かった最後の表情。箱を手にとって、箱から溢れる光に目を見開いて、音楽に包まれながら広がっていく微笑。
微笑。
笑った。あそこでナンネールが。
その笑顔が「影から逃れて」のイントロでゆっくりと引いていき、落ち着く顔はあくまで無であり、笑いでも哀しみでも前向きでも後ろ向きでもない、ニュートラルな、ゼロの表情。
「音楽」と共に在った奇跡の少女、ヴォルフと同じお城に住んでいたプリンセス。
その光の表情を消して、市政の人々の中に立ち混じって行くいく。ひゃあ。
ひとつの解釈ですけども。「奇跡の少女です」がグッと戻ってくるラストが凄い衝撃でした。
新しいナンネール、出会えて本当に嬉しいです。

■コンスタンツェ
今までで最も、ヴォルフとコンスタンツェが遠くなったと感じました。ドライな変化だけど、おぉアリだなこれ!と思った。
アマデと凄まじい綱引きを演じ、ほぼヴォルフを勝ち取れる(芸術じゃない、人間としての幸福に引き戻せる)んじゃないかってとこまで来てたhiroやソニンのコンスタンツェの物語も大好きでしたが、今回の綾コンスタンツェにはなるほどと思った。ヴォルフを本気で好きになったし、「あのままのあんたを愛していたかった」のも本当。だけどダンスはやめられない。
いや最高でした「ダンスはやめられない」切なさとかヴォルフに届かない思慕とかそーゆー方向性じゃない、とにかくコンスタンツェとしてここに!いるの!私が!という在り方、カッコよさ。
アトリエでの冷たさもかくのごとしで(あそこの古川ヴォルフがまた史上最高に冷たい(笑))、インスピレーション云々のところが歌じゃなくせりふになったことで、「ふつふつと怒りが高まる」じゃなくてシンプルに怒るシーンになったなと。

■シカネーダー
明るくてクリアーで、元気で親切で、ヴォルフと仲いい。好き嫌いでいうとけっこう好きだなあ。シンプルに、ヴォルフガングに友だちがいるっていうことが嬉しい。
吉野シカネーダーが作ってきたのは歌にしろキャラにしろ本当ーーーにザッツ吉野なので、いつぞやコンサートで「チョッピリ」を歌おうとした芳雄君が元の楽譜とのあまりの違いに気づいて舌打ちした、っていう話もさもありなん(大笑い)。…一事が万事コレなんで、モーツァルトウォッチャーの思い込みを覆すのホント大変だと思うけど遠くからエールを送る。
それにしても今期、羨ましいのが「ちょっぴり」で物理的に色が変わるところ。酒場から銀橋にじゃーっと場所が移って、照明もじゃらっと変わってスポットライトきらめいて・ハイ!みたいな。素直に手拍子に入れたし。(個人的には手拍子はあってもなくてもいいです。どっちかというと観客の拍手が好〜きで引き込めるかのほうが重要(だから黙れオタク))。
あと仮面舞踏会!ほぼソロっぽいダンスがある!あれはねたむ!そねむ!!K吾ファンが何年あそこでソロよこせと思ってきたと思ってんだ羨ましい!!(笑)(笑)

■色の話
かつて「モーツァルト!」の舞台って全体が黒っぽい印象だったんですが、今回そうじゃなくなったことで、視界の印象がかなり変わったなと思います。特に「星から降る金」。リプライズも含めて、茶色い階段の上っていう、ヴォルフ達と同じ空間に男爵夫人がいると、男爵夫人が、よく言えば身近に感じられ、悪く言えば幻想っぽさがなくなったな、という印象でした。なので、一幕の「星から降る金」は以前よりさらに「家族」の絵が強調されたし、涼風男爵夫人もそういう役どころに見えた。暖かく優しく、妖精チックではない(妖怪チックでもない)(蛇足)。
そしてリプライズではより、セットのピアノが強調される。直前まで敷いてあった四角い布(敷物?)をヴォルフがはねのけてピアノの鍵盤っぽいところがむき出しになる、そこを枕に倒れたヴォルフの表情、ピアノの上に伸びたヴォルフ、目を見開いた、強い表情を中心とした絵に、「金の在処見えているはずよ…」という歌声が落ちてくる。
他の場面では基本的に「えーー邪魔ー」だった茶色い階段(すまん)、ピアノの出番がついに来たじゃねえかと思ったんだった。
ついでに絵的な話付け足すと、ピアノセットと絶妙に仲がいいのが猊下。あの手前の丸いとこ(正式名称不明)に収まってるとこといい、マントじゃっらーといい「神よなぜ許される」といい、絵的にものすごくしっくりくる。堂々としてるから階段が似合うんだな。赤いし。
そしてもっとも相性が悪いのが「ここはウィーン」(すいません)。紛れるんだよ色がピアノに!特に肯定派!!衣装の色が!!!!
そーでなくても曲がめっちゃ短縮されて個体認識がしづらくなってるところへ、「床を全部使って左と右に両派が別れる」っていう絵が物理的に作れなくなっちゃったから、「なんか貴族の人が歌って踊ってサーッと終わっちゃった」って印象だったわけだ(私は)、そして背景が黄色いからキューも人も目立たんし、ツィンツェンドルフとサリエリばっか目に入るんだ、そうだそうだやっと分かった。
正直、もっと華やかなナンバーだったのにもったいないと思うけど(^^;)とっととヴォルフの物語に戻るっていう意味では今回らしい変更なのかも知れない。うーむ。

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コメント

今日初めて古川ヴォルフ観てきました。黙って観ていながら、え?あ?あれ?と心の中はとても忙しかったです(爆笑)。この演出でシカネーダーが圭吾さんだったら、過呼吸になってしまうかもしれません(笑)。
謎解きゲームのくるくる踊るシカネーダー、圭吾さんで観たいです。羨ましすぎます(涙)。
星から降る金でナンネールが体育座りしてるヴォルフに話しかけてましたが、古川君 体育座りが似合う(笑)。弟感 満載(笑)。
魔笛でモーツァルトの幕が無いのはとても残念。あの幕を引っ張り合うアマデとヴォルフが見れないなんて。
ピアノのセット、黒いピアノにしたほうがよかったのではないかしら?以前より華やかな衣装が目立たないような。男爵夫人の衣装がなんだか普通に見えました。でも、猊下はどでかいピアノに見劣りせず、さすがです(笑)。

投稿: カオル | 2018/06/05 00:02

片帆様

新生行ってきました。雄大バージョン。そして、シカネーダー!「謎解きゲーム」のダンスは(苦笑)あぁ、圭吾さんが(以下自粛)
M!楽しんで帰ってきました(笑)
そして、「どうして圭吾さんが出ていないのか?」→あ!「1789」地方巡業中だ!と気づいたりもしました(笑)

投稿: ジジ☆ | 2018/06/09 23:01

カオルさん
いやホント「心の声うるせぇぇぇ!」ってなるのが古参オタクの悲しい性ですね(^^;)。情報量が多いんだもん…。
木目調のピアノゆえ、衣装との愛称がホント、人によって分かれましたね…一番アオリを食ったのは「ここはウィーン」だと思いますが、おっしゃる通り男爵夫人の見え方もかなり変わったなと。うん猊下は猊下。
黒いピアノだったらどうなったかなあ。とにかく「星から降る金」(リプライズじゃないほう)が今回、変更されるなら幻想的な方に寄るといいな…と思ってたら、日本版ならではのホームドラマ感がさらに増強されていたのにはびっくりしました(^^;)いや、今回のドラマには合ってるからいいんだけど。

ジジ☆さん
まあ正直、今回のバージョンに圭吾さんが出てたらちょっぴりや謎解きゲームできゃあきゃあ言いつつもウィーンやフランス革命のカットぶりにぎゃあぎゃあ騒いで「Mozart幕カットって!」「ちょっぴりリプライズは…リプライズは…!!」とか大変なダメージを受けてたんだろうなと冷静になってから思い至りました(^^;)。古川ヴォルフとの共演はホント、見たかったですけどね。
新生は新生、また別作品になったんだなあ…。

投稿: 片帆 | 2018/06/16 21:40

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