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うらすさび9

兵庫公演にて「戯伝写楽2018」終了。
あっという間の一ヶ月でした。本当に楽しかったし、びっくりするほど奥が深くて深くて深い、追いきれなかった細かい未練も満載の(笑)実にありがたい作品でありました。

これから観劇はしばらく空くので、つらつら語っていきたいと思います。

■場所に恵まれた話
兵庫県芸術文化センターの中ホール。何度か行っていますが、ほんっと向いてる、この作品に向いてる。
まず客席と舞台が近い。最前の真ん前が舞台で、舞台の位置が低め、かつ客席の傾斜が大きめなので、とにかく見やすい。全体に狭めでもあって、客席がストーンと縦に三ブロック、横の通路がないので、十さんもおせいも舞台の後方からまっすぐ突っ切っていく動線が楽しい。
そして音がいい、とにかく音が通る。「この劇場は音が通りやすいので、客席の音も響きます」みたいな注意が入るくらい、音がよぉぉく通る。大田先生がベターッと倒れてかはかは言ってる声とか、カテコでK吾さんがヨシ君にウォイとか掛けてる声とか超よく聞こえる。楽しい。
中でも鳥肌立ったのが初日、「おせいが狂った…」と歌い上げる十郎兵衛の歌、「もう聞くな、くだらねえ、俺はただ生きるだけ、答えのない明日へ…」でいったん、声も曲もとぎれる。この瞬間に、後方で描き続けるおせいが紙を手探るガサガサッ!!!という音が響きわたって、そこへ、
「なんのため落ちてきた!もう聞くなわかっている」っていう十郎兵衛の慟哭のような歌声が轟く。いや、ホント、忘れがたい。
そんな感じでとっても贅沢しました。東京のミュージカルではこういう劇場、使われないよなあ…言っても詮無いがホント惜しい。

■見逃してた話
一幕の「写楽話題騒然」の歌、大好きなんですが、ここは個人的にたいへん忙しいナンバーで。自担が踊り狂ってるし、与七の踊りも見てたいし。
なのでたいがい「気がつくと歌麿・鶴喜・ぐにゃ富がセンターでむすっとしてる」っていう見え方でして。地方でいろいろ俯瞰して、あまりの情報量の多さに心で謝った。
「あれをごらん!大谷鬼次の奴江戸兵衛」では「へぇぇ」って感じで喜んでた富三郎さんが、自分の絵が出た瞬間ギャーッ!ってなってみんなにからかわれて後ろの大きな絵を必死で隠そうとしてたり、鶴屋さんはその富三郎丈と前半から噂話してて後半ではみんなと笑ってるんで富さんにくってかかられてたり。そしてほぼ曲の終盤で登場する歌麿は、ふと通りかかって絵を渡されて、ん?と見やって「!!!」となる。からの、憮然とした(いったん落ち着いた)表情だったんだなあ、という。
特に最後の「歌麿の衝撃」はあの賑やかなナンバーに混ざっちゃってるのはちょっと惜しかったかもな、と思います。絵を両手で持って目を見開いて、そのまま前へダダダっと走るようにのめりこむ。二幕の、浮雲の絵を見たときに、ダイレクトに重なってく絵なので。
や、見てる人はちゃんと見てたと思いますけど!しょうがないじゃんせっかくヨシ君と共演してんのに一緒のダンスナンバーなんてここだけなんだよーっ(ファン事情)。

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コメント

片帆様

兵庫初めてでした。仰る通り、おせいの「サラサラ」音も含めて、効果音より効果のある経験ができました(笑)

私も、あの忙しい場面での(笑)いろいろは、久留米、兵庫公演で「あらまぁ、ここで、こんなことが?」と楽しみながらの発見でした。(ついつい、楽しそうすぎる二人に目がいきますが(笑))

大田先生の「チョイ悪」っぷりも垣間見えたりすると、何故か安心感のファンでもあり(苦笑)

義くん与七のオナゴっぷりが、赤井さんちのチクリさんを彷彿とさせたり。
あ、もう十分長文なので自粛します。
片帆様、今回もありがとうございました。

投稿: ジジ☆ | 2018/02/17 22:31

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