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スペインあれこれ(拾遺)

「レディ・ベス」大阪語り残し、スペインまわりこまごま。

■キューあれこれ
「やめろ、わかった、進めろ、恐怖の結婚」でルナールは台の上で胸に手を当てて軽く一礼する。
で最後の「クールヘッド」の決めポーズの手前、キューをルナールからフェリペに渡す、ここでルナールがフェリペに目を合わせて頷くっていう動線。これは私は古川Verでしか見てないんですが、限定かたまたまかは不明。ちょっとしたバトルだった「クール・ヘッド」の締めであるこのタイミングで、ルナールから王子へのプラスの意志表示が入るのが好きだったんですよね。ほいで正常モードで「結婚式は…」ってフェリペが聞いてない、そこでまた舌打ち、っていうアップダウンもまた楽しい。

■「もういい、飽きた!」
平方王子。「アッハハハハハ誰の番だ?」「殿下の番でございます」このモードじゃウィンチェスター云々はそりゃ聞いちゃもらえないよと思う(笑)。
「もういい」→キューを放る、「飽きた!」
ここでフェリペは別段、ルナールを見ない。飽きたから他の遊びしよう、みたいな。この古川Verと真逆の「飽きた」もとても好きでした。なんていうか、ベクトルがルナールにも、誰にも向いてない。単に世界の中心である自分からパッと散らした言葉、周りは俺の意思表示に合わせて動くって信じてる「あきた」。この「自己を中心とした世界観」っていうと固いけど、こう、偉そうなんだけどそれが自然な感じ。ああ、王子様だなーっていう。(これが「王様」になれば自分中心でいながら周りも認識できるんだろうなっていう、そういう意味でも王子様(笑))。
余談ですがキューを放った時点でも平方君はあんまりルナール見てないので、わりと危険な飛び方をすることもあった棒をテキトーにどうにかする大使にいつもときめいてました(アレを中心とした世界観)。

■「もういい、飽きた。」
古川王子。東京楽でさんざん書いた舌打ち返し(笑)、大阪序盤ではなくなってたのが千秋楽では復活してて嬉しかったです。
「もういい」→キューを放る、ルナールを見たままこれみよがしに舌打ちして「飽きた」。ルナールは微笑したまま。この両者の楽しそーーーーな顔が本ッ当に好きでね(笑)。王子の笑いは嘲りととってもいいし宣戦布告とみても楽しいし、何が来ようがルナールは受け止める、それを楽しくやってんだなってあたりもゾクゾクするし。

■グラスの話
古川王子はなかなかグラスを置かない、かつ自分に寄せて持ってるので(平方君はベスに語りかけながら右手でサッとグラスを置く)、後ろのルナールがなかなか安心できない(笑)。王子のグラスをガン見して、よし、テーブルに置いた!ってところでやっと目を離して「警備兵ー!」叫ぶ。つぶやきにも書いたけど、往年の岡田マリウスが階段下りてちゃんと床に降り立つまでの吉野アンジョの視線ロック(「お前の危なっかしさに俺だけはだまされない」)が思い出されてたいそう楽しかったです。

■最後にちょびっとルナールの話。
今期、出番的に割を食ったスペインですが、東京楽ぐらいには「これは、楽しい!!!」となって結局大阪楽では「やっぱり、面白い!!!!!」となったにはなった。

再演ものでは基本、「全部ぶっ壊して新しい作品を」というスタンスに見える圭吾さんですが、今回みたく「壊してほしくなかった」作品において(言い切った(笑))それがどう見えたか、というと。

「いつものスクラップアンドビルドって本当はこういうときの為にあったんだな!!」という結果でした(^^;)。シンプルな怖さ、ストレートな黒さ、くっきりした「スペイン第一」っていう「軸」をまずドカンと据えて、そこに少しずつ味を足していく。初演で好きだった、メアリーに対する表層の優しさとか、ガーディナーとのキツネとタヌキの化かし合い表現とか(相手に隠れて酒をこぼすとかああいう)、あの頃だから成立したディテールは普通に失われ、そこに惜しさはあるんだけど「まあ今回の尺ではこの方が面白いよな」っていう納得。

なんせ、実にこう、あからさまな黒さだった(笑)。「ルナールは悪じゃない」って理屈はわかるけど黒いんだよアンタ!!!みたいな。ルナールの価値観てスペイン>>>>>>>>>>>>>>ほか、だと思うんだけど、イギリスは敵国なので「ほか」にすら入ってない。考えようによっちゃ「えいこくのためです。」って一番ヒドイ台詞だよな。

そして大事な「軸」のひとつ、「ルナールの芝居は王子次第」。初演もとことんそうでしたが、スペインの出番が減少してシンプルになったことで、王子による違いみたいなものが、前よりくっきりした…っていう結果もあったんだ。これは意外だったし、今年は今年で楽しかった理由は結局それだったりして(本音)。
フェリペはルナールにとっては「スペイン」の要なので、結果、毒のシーンではああいう動きになるんだろうなーという納得感が常に嬉しかった。

そしてこの「フェリペはスペイン」であることがこの先どうなって行くか、って考えるのも楽しかった。仮説だけどフェリペがスペイン国内で反乱を起こしたらルナールは平然と彼を粛正したかもしれない(そしてタイミングによっては返り討ちに遭ったかもしれない(笑))。その時の国力のバランスを冷静に判断して決めそうだから、スペイン王(神聖ローマ皇帝)が支配者として優れていればそっちが優先、王子がスペイン王に相応しいと判断したら味方する。こういう想像は王子が強くなった今回Verじゃないと出てこなかったと思うし。

つらつらと今期なりに楽しめたのはやっぱりスペインがあったからだなーという感想です。
いや、次があるならいっっっっっぱいあるけどな言いたいこと。なにはともあれ面白く過ごした、2017年最後の2ヶ月間でした。

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コメント

片帆様

今年も宜しくお願い致します。

大使の余韻に浸りつつも(笑)丹波様の、お衣装拝見しに伺ったり、写楽について少しだけ学んでいるうちに、気づけば、初日が目の前に(笑)
今年は、どんな圭吾さんに出会えるのか楽しみですね~。

投稿: ジジ☆ | 2018/01/06 00:17

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