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2016年8月の6件の記事

AOTとーく24

「進撃の巨人」84話「白夜」の感想つづき。

★★★ネタバレです★★★

こんなにいろんな感想を抱いたり、人の感想が読みたくなったりするのは久しぶりで、たぶん69話以来だなあ…いつも濃いけど、今回はホントいろんなことがつながった回でもあったので。
そんなわけでもう少しこまごま。

■フロック
猿の巨人への特攻で彼が生き残った時は「名もなき兵士」の代表という立ち位置なのかな、モブ以外ではほぼここで初登場ぐらいだよな、と思い込んでたんですけど。駐屯兵団からこの作戦に志願した104期生として、かなり以前から出てたんですよね。「マルロはバカなの?」の会話のあった70話でジャンに「お前ら変わったよな」って話しかけてたのも、馬を守れってマルロにどやされてたのも彼みたいで。
そこからの流れで読むと、ここで彼が「巨人を滅ぼせるのは悪魔だ」って語るまでになる事実が物凄い。あの、勧誘されて「俺が」って高揚してた新兵の行き着いた先なんだと思うと(T_T)。

■奪還作戦の夜
ファンブックの諌山先生インタビューを呼んでから72話を読み返して「なるほどなぁぁ」と思いました。特に、当時「うわあ…(^^;)」と思ったリヴァイの、この時点での「お前の判断を信じよう」。ジャンとエレンへの仲裁は、あのエルヴィンとの会話ベースの八つ当たりだったと(笑)。
そしてエレン。アルミンが改めて海を語るのに、ちょっと戸惑ってから相槌を打ってたことから、今回の「オレはとっくに忘れてて」の涙に繋がって行くんだなあ(T_T)。ここでのリヴァイは「話を聞いている」絵ですけども、この直前に振り返ってアルミンの輝く表情を目にしていたんだなあ…。

■体重の話
アッカーマンの見えない力は体重となって現れる、ということで流石のケニー190cm120kg(^^;)。爺さんもクシェルもミカサの父さんも重かったのかやっぱり。下手な足場は踏み抜いちゃうだろうな。

■看取る
「こいつは悪魔になるしかなかった それを望んだのは俺達だ」
この「俺達」は広く取れば調査兵団やほかの人々、フロックも含めた人類全体っていうことになるのかもだけど、今までエルヴィンを支えてきた古参兵たち、今となってはリヴァイとハンジだけになってしまった大人たちのことなんだろうなあ。
リヴァイはアルミンに注射してから、その屋根からエルヴィンを運んできたわけで、そこで一同がどんな反応をしたかは描かれてないんだけど、ハンジがどの時点で悟ってどんな風に受け入れたのかは知りたいなあ。「休ませる」選択はリヴァイがしたんだけど、その選択の重さはハンジさんも一緒に背負ってる、そういう表情に見えるけども。

■白夜
なぜ「白夜」なのかなあ。進撃世界に白夜があったとしてもこの日はそうじゃないだろうから(前の日の夜に移動したわけだし)、明るい日の下にいながらにして、彼ら全員に「夜」が訪れた、っていう比喩的な意味なのかも。
英語やドイツ語だと「白夜」って「真夜中の太陽」みたいな言葉になるんですよね。それをタイトルにしたジャズとかの名曲もあるようなので、そのあたりが下敷きになっているのかも。あと思いつくとこだとドストエフスキー…は関係ないか(^^;)。
過去の進撃のサブタイで凄いなって思ったのは「役者」や「夢と呪い」ほかいっぱいありますけども、今回のこれもずっと残っていくだろうなあ。
さて「2000年後の君へ」の謎が解けるのはいつの日か。

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韓国小池版モーツァルト観てきました。2

時間が経っちゃいましたが先月、観てきた韓国、小池版「モーツァルト!」の感想つづきです。

■これはこれで
「友だち甲斐」のシカネーダー。ヨハンやベネディクトが「友だち甲斐のないやつ!」と迫るのをなだめて「今夜は見逃してやろうぜ」って歌うわけですが。ここのニュアンス、日本だと「(ただし)覚えておけよウィーンじゃ…」と入る流れに繋がる関係上、「今夜は」まあ、見逃してやってもいい、っていう程度なわけで。ここが韓国版、特にイ・チャニさんのシカネーダーだと仲間内で一人だけ心配そうで、今夜は「見逃してやろうぜ」ってちゃんとヴォルフの味方する。これ、今更の目ウロコでした。
シカネーダーが優しい。大人。裏表がない。こりゃ面白い。
「モーツァルト!モーツァルト!」でも悪魔化したりしない、ヴァルトシュテッテン男爵夫人のように、むしろ悲しそうにヴォルフを見守っている。
日本のシカネーダーはヴォルフの友だち、同胞であると同時に、プロデューサーとしての冷徹な視点、モーツァルトの搾取者としての裏の面を持っていて、自分的にこれがスタンダードなのは確かなんですが、今回の、あくまで友人、同胞として在るシカネーダーも、あり方としてとても素敵だなと思いました。優しいんだよ…。
それにつけても「Mozart!Mozart!」でソロあるのが羨ましい。「迷いと苦しみに…」がシカネーダーで「希望見出す」がセシリア、あとタイミング忘れちゃったけどアルコもどこか歌ってた。

■新曲
コロレドとヴォルフの新曲の話
以下、Disってはいませんが結構ちゃかしてますので(^^;)、当該ナンバーにこだわりのあるかたはご注意下さい。

星金リプライズの後。
「ちょっと外の空気を吸ってくる」「ヴォルフガング!」のやりとりで家を出てきたヴォルフガング、そこにいるのはシカネーダーと女の子たち。

以下、やりとりのニュアンスを意訳。
シ「魔法の笛だよー」「きゃー」
モ「シカネーダー?」
シ「台本できたぞ」
モ「台本?」
シ「魔笛だ!約束の大衆向けオペラだ」
モ「すごいや、やろう」(アマデに脚本渡す)
アルコ「モーツァルト」
モ「アルコべっちゃ!」※「アルコ伯爵」がこう聞こえる
アルコ「貴様に用がある。低俗な作家とかほっとけ」
シ「なんだとー」
モ「シカネーダー、外してくれるかい」
アルコ「高貴な方をお連れした」
コロレド「久しぶりだなモーツァルト」
…という感じの流れで、コロレド様のご登場。

…いや、ツッコミは置いといてまず歌を聴こうじゃないか。ここウィーンだぞ、とか二人連れかい、とか座長の扱いあんまりだとか、これで「フランス革命」完全スルーされましたねとかは後にしよう。

アルコ退場、流れるイントロ、銀橋の中央で高らかに歌う二人。
曲はハンガリー版のCDにも入ってるアレなので、聴いてる人にはなじみ深い歌ですね。男性二人の勝負曲(文字通り)なのでめっちゃカッコいい音楽。
内容的には「安易な道はいつも間違った道」つまりコロレドが「大衆向けオペラとかやってる場合か・私の元で至高の音楽を目指せ」とか言ってるのに対してヴォルフが「僕は僕の道を行く自分で決める間違ってない」的な返しをしている…ざっくりですいません。これ昔、ハンガリー版の感想で書いた言葉がほとんど間違ってました申し訳ない(ニュアンスは合ってた)。今はすばらしいサイトがあるので、興味のある方はこちらをぜひ。

ハンガリー版で初登場、韓国では前回公演で導入されたそうですが、脚本の流れをほとんど変えずに小池版モーツァルトにインサートされたのにはびっくりしました。

雰囲気もけっこうシンプルで。ハンガリー版だと舞台中央に丸いコンタクトレンズみたいな宙づりのセットがあって、その上でヴォルフとコロレドがつかみあいで歌いあう、最後はコロレドが突き飛ばされてセットから転げ落ちてそのまま退場、という激しいものだったんですね。それに対して韓国版は銀橋で二人が歌い上げる、純粋に「議論する二人」っていう感じで。
自分の道に迷いがないヴォルフガング、そこへ食い下がるコロレド、という構図なのは同じだけど、なんかこう実に「脈がないのにいまさら復縁を迫る元彼」感があって…これハンガリーでも感じたは感じたけど、今回は口げんかで終わってる分、実に猊下がかわいそう(^^;)。

帰国後に小池さんのインタビューを読んだら、「ストーリー上、唐突だけど、韓国の客席は曲の盛り上がり重視だから多少違和感があってもなんとか」的なことが書いてあって「ああ、そう思ってたんだ…」と納得しました(笑)。

歌い終えてコロレド退場。沈黙の中、長い銀橋をてくてく歩いて退場、このハケ際がめっちゃ長い。「帰るんだ…」感もすごい。
そしてヴォルフが戻る先はアトリエ(時系列は飛んでると思う)。シカネーダーが「パパゲーノの衣装だー」って女の子に自慢してる。…無事に、元のストーリーに着地しました(笑)。
にこにこ「俺たちは成功するんだ」のやりとりを交わして、「大衆的オペラで!」で手をパァンしてシカネーダー去る。この空気はとてもよかったです。韓国のシカネーダーいい人だから…。

■ライトに仕掛け
銀橋と舞台の隙間がオケピ、その真ん中に二本のレールがあって、この横木みたいのは何だろう補強かな、と思ってまして。レクイエムの依頼後、「自分の力で書くのです」でペンを取って作曲を始め、「Mozart!Mozart!」のイントロがドロドロ入る、ここでスポットのあたる中央にヴォルフが座るピアノ、これがレールに沿って客席にずぉぉ…とせり出して来た。うぅわぁぁ。日本でも同様の迫り出しはありますが、オケピの上空を銀橋までザーッとスライドしてくる、このインパクトがハンパない。
あと、韓国語の響きのせいだと思うんですけど「僕の血はもうない…」のメロディが「詩は書けない」の旋律とすごく似た響きになってたのもゾクッと来ました。ここのヴォルフの歌の「僕こそミュージック」とのリンクは後半だけ意識してたのですけど、全体的に繋がっててもおかしくなかった。なるほどなあ…。

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大阪にて。

「ピーターパン」大阪公演、中止となってしまいました。

梅田芸術劇場の前まで行ってみたのですが、なんせファミリーミュージカル、親子連れの方がたがわいわい出かけて来てて。劇場前で事態を知り、がっかりしながら帰って行く…というのに何度も行き合いました。発表が9時で公演は11時だし、ネットで知った、なんていう人はほんのわずかだったんだろうなあ。

劇場の入り口の向こうは赤い幕が下りたまま。公演中止の説明が書かれた看板が入り口にあるけど、それより手前でだいたいスタッフの人が寄ってくる。普段はチケットのもぎりをしてくれてるお姉さんたちが、チラシと説明書きを持って、広場に来る人を見つけたら声をかけて、丁寧に説明を繰り返してる。その後ろ、入り口付近は背広姿の、これはたぶん劇場関係のデスクワークの人たちだと思うけど、何かあれば対応できるように、っていう様子で何人も佇んでた。偉い人もいたっぽい。

大声やトラブルは見かけなかったけど、何となく立ち去りがたい、っていう風情の人たちも多く。あの広場にいくつかあるベンチの周りで喋ってるグループもいくつかできていて。そういうグループの中の小さい女の子が「きいてくる」といってスタッフの女性のところへ駆けていって、女性が申し訳なさそうに女の子に連れられてきて、あらためて説明…なんていう場面もあった。

そんな光景でした。

帰りの新幹線でボーっとしてる間に次第に続報が入ってきて。ふうかちゃんの怪我の程度とか、事故の経緯とかを読みながらジワジワと本物の落ち込みが襲ってきた。本人もショックだしキャストもスタッフも劇場も辛いし、悲しいし、しんどいと思うし、原因が原因だからやりきれないし、状況を想像すると胃が痛くなるし、いろんなサイトやTwitterで「大阪楽しみ!」とか「がんばります!」っていう、出るはずだった人や観るはずだった人の言葉に触れる度に辛くなるし。

観劇できるってものすごく恵まれたことで、いろんな努力と仕事と巡り合わせが重なって成立するのが作品であって、それを体験できるのは普段思ってる以上に幸福なことだよな、って分かってるつもりであんまりわかってない。またそれを思い知らされた。
あの親子連れの人たちも本当に残念だったよなあ、とか思ってる間はまだ余裕があったんだけど。
気がつけば自分が浸り込んでいた物凄い未練。朝、知った時点で「しょうがない…」と思った、でもぜんっぜん割り切れてなかったこのお芝居への執着で頭がいっぱいになって現在に至る。

あーーーーーーーーーーーーーー
船長ぉぉぉぉぉぉ(反芻ウィークに突入)

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AOTとーく23

「進撃の巨人」84話「白夜」の感想。

★★★ネタバレです★★★

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(万感)

もう、なんかもう、なんか。

前回もがっつり「この日が来てしまった」感があったけど、今回は今回でしみじみ、もう、みんな、あぁぁ。
全員にとって残酷で、でも誰ひとりないがしろじゃない、全員の、一人一人の物語だった…あぁぁ。

帰ってこい語彙。

★★★重ねてネタバレです★★★

いくつかの終わりが訪れた今回、その辺を中心にいっこずつ。

■モブリット
不意打ちの真実(T_T)。もうこのままフェイドアウトだと思ってたところからまさかの、彼の最期の光景が明らかになって。
彼らしい、切迫した、だけど恐ろしく自然な、彼の基本動作の中の終わり。いつだってハンジを助けてきた、当たり前に大事な仕事をしてきた、そういう「いつも通り」の彼の咄嗟の行動がハンジを生かした。辛いし悲しいし尊いし、ホントにモブリットらしい終わりだったなあと…ぜったい生き残るタイプだと思ってたけれども(T_T)。

■ハンジとミカサ
「それはアルミンにだってぇ…」泣き声の破壊力ハンパない(T_T)。
ハンジはすぐに状況を見て取って、エルヴィンを助ける方に舵を切ったけどこれは完全に大人の判断で、リヴァイも大人の判断をしたんだろうって考えてる…ようにも見えるし、その場の矛盾をぜんぶ飲み込んで「どちらかを切らなきゃいけない」に対して、ただリヴァイの選択を支持したようにも見える。ハンジが助けたかった人たちは死んでしまった、同じく大事な人を失わなきゃいけないミカサをただ抱きしめてる、のかも知れない。いつの間にかミカサの腕の外側に回ってる両腕がね(T_T)。
ただ、ハンジとエルヴィンにも長い歴史があるはずなんで、その辺もいつか描かれることを切望する(叶っても叶わなくてもついてゆく)。

■ベルトルト
目覚めて恐怖して、そこにいた友達に助けを求めて、それから全てに気づいて、絶望して、大事な人を呼んで死んでいった。
「みんな、助けて」って自然に出ちゃった台詞がしんどすぎる。アニが彼の想いを知ることはあるのかなあ…。

■エルヴィン
最後の最後で、子供だったあのときの「先生への質問」に還っていった、この「挙手」を見た瞬間の腹の底からずわあっとなった(語彙をくれ)。夢を見ているようにも、注射を拒んだようにも見える手の挙がり方、どう取ってもいいんだろうけど。エルヴィンは夢を諦めて先へ進めたことを善かったと思っていて、夢を諦めろって言われた、背中をリヴァイに押してもらったことも感謝して逝った。自分ではエゴだエゴだ思ってたけど、そうじゃない生き方をしおおせた、美しい人だったんだなあと。
お疲れさま、ゆっくり休んでください。

…って言いたいけど未練はタラッタラだよ(T_T)
「アルミン生き返る、だが瀕死のエルヴィンを背負ってなんとか一同は地下室にたどり着く」なんていうスウィートな希望はそりゃあ抱いてたよ、もちろん叶わなかったよ進撃だもの(T_T)。あーー。

■リヴァイ
ケニーを殺さなかったウーリ、注射を使わなかったケニー、リヴァイも同じところにたどり着いたのかもなあと。ホント全然うまく表現できないんですが、やっとエルヴィンを「送る」ことができるリヴァイになれたことは、悲しいけど、良かったなあと思います。
インタビューによればケニーの「おまえは何だ?」の答えはホントに言葉通り「英雄たること」だったみたいですけども、その生き方とエルヴィンは切り離せないものだったはずで。エルヴィンを100%盲信することはけっこう早い時期にしなくなってたリヴァイだけど、エルヴィンを失うことはできないし、シンプルにエルヴィンに生きて欲しいって思ってもいたんだろうなと。だけどフロックの言葉で自分の行動の意味を知っちゃった、エルヴィンの生き方の残酷な正しさも腹に落ちてしまった、アルミンの夢とエレン達の言葉も届いてしまった。
「アルミンを生かした」じゃなく「エルヴィンを逝かせた」のがリヴァイの選択だったわけで。怒りも疑問もない、ただクリアな悲しみが広がる、決着でした。

■終わりの光景
倒れたアルミンの巨人に向かって走っていくエレン、ミカサ、ジャン、最後はサシャを下ろしたコニー。生きて、生きて、新リヴァイ班(T_T)「アルミン、またな」の一言は凄かったよコニー。
エルヴィンを見下ろすリヴァイとハンジの絵が、今までで一番綺麗で切なかったです。リヴァイの選択を知ってフロックは理由を訊いたけど、ハンジは彼を見た時点で分かったんだろうなあ。首筋と瞳孔を確かめる手の優しさがまた切ない。
すこしは最後に言葉を交わせたのかなあ。無理かなあ…。

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ピーターパンだ。4

「ピーターパン」東京公演こまごま。

■ロストボーイズ
迷子たちってさりげに歌もアクションもハードだと思うんですが、あくまで明るくサラッと凄いことやってましたね。
セール木村晶子嬢のリーダーっぷりが気持ちいい。期待してたけど流石の安定感、なんでもできるし、声が高めの迷子ズの中で男の子ボイスが実にバランスよく響くなあと。
明るく元気な彼らですが、一回観ちゃった後だと「大人にならない」がいちばん切ない曲に浮上する(T_T)。「大人にならない、約束するよ、絶対いっしょに、遊んで暮らそう」…あぁぁ。彼らがネバーランドを去って大人になることは幸福でも不幸でもなくただただ「自然」なんだけど、「大人になります」と元気に歌う彼らを、置いて行かれたピーターが見つめている絵の容赦なさも本物なんだった。ラストシーンでは「もうここにはいない」彼ら、勤め人とか弁護士とか医者とか作家とかマッドサイエンティストとかに…なってるかも知れないしならないかも知れない。

■ジョンとマイケル
初見の「アガワグ」、子供たちの動きに釘付けでした。いや、お見事。大人も子供も男性も女性もまざって同じ振り付け、でも踊り手の見た目がバラバラであることがこんなに面白いと思わなかった。
またジョンの吉田はると君ホントお芝居が細やかでよかったなあ。流れが正確なのはもちろん、モブな場面の丁寧さもツボでした。コケコッコー云々のところ、フックが子供たちを船室に入れよう!のあたりで「これはいい流れだ」っていうようにニヤリ面を浮かべて迷子たちに耳打ちしたりするところとか(笑)。ここは迷子ズ含めてわざとらしく「うわー」「やめろー」的に嫌がってみせるところも好きだった。

■海賊ズ
スミー。パンフで確認しなければ「しゅーみー」だと思いこんだかも知れないのは船長のせい。超・けなげでガンガン働いてるけどウェンディにボコボコにされる。スミーが弱いのかあっちが強いのか。
スターキー。この後、海賊から足を洗ってザルツブルクで肉屋になってかつての上司に再会する(裏ストーリー)。「おでぶちゃん」のところのナチュラルな「ハイ」が大好きです。
チェッコ。本気で反乱を起こしたら次期船長ポテンシャルはこの人がいちばん高いんじゃないかな、と人魚の入り江でフックをどつき倒すところでよく感じる。
ジェークス。「船長いってみよう!」カーン。大好き。
ヌードラー。だいたい露払い的に踊り込んでくるのカッコイイ。去年は当銀君がやってたんですね。

■キャプテン
セネガル暮らし中の妹が子供らをつれて帰省してまして。ちょうどいいので誘ってみんなで国際フォーラムへ。後からチケットとったので一階下手の後ろの方でした。…が、いざ観劇したら海賊登場のところで暗がりにスィッ…とフックが歩み出てくる素晴らしい船長席(笑)。ファン的に「ぎゃー!得した!」とか内心で叫んでる隣で、甥も姪もキャプテンキャプテンと大興奮。これ実に楽しかったです。
甥っ子5歳はプログラムを見て「ピーターパンは女の子だったでしょ?」としつこく疑うくせに「きゃぷてんくろーしゅ(フック)はほんもの?」とさかんに聞いてくる。もちろん肯定しといた。だが「きゃぷてんくろーしゅはわるものじゃない」って言い続けるのはなぜなんだ。

■インディアンズ
たぁのしかったー。リリーダンスもアガワグもですが、ラストの大乱闘で船長に襲いかかるところが最高に好き。
「いばろうぜ」客席下りも大変な移動量でしたし。三階席で観てると彼らが飛び込んで来たときの客席の盛り上がりがすんごい(笑)。子供たちも大人たちもホント大喜びで、また彼らもまんべんなく回ってくれて。
この曲のフィニッシュ、中野高志さん(たぶん)の最後方からのダッシュが大好きでした。二階席まんべんなく回って戻ってから一回のいっちばん奥まで行って、もうみんな舞台に上がったよ客電落ちるよ曲終わるよ…っっていうタイミングで飛ぶように客席駆け抜けて階段とびこえて舞台に降り立った瞬間にフィニッシュ。この「間に合った」感が毎回、絶妙でした。

■ピーターとウェンディ
ウェンディとピーターの「約束」の違いが切ないっていうか、「あー…」と思ってしまうすれ違いを最初っからはらんでて。言ってしまえば女として「私を迎えに来て」って言ったウェンディに、ピーターは「お母さんになってくれるって約束したじゃないか」「約束を破ったな」って詰る。
もうウェンディは大人になっちゃったから、かつてのようにピーターはばかだって怒ったりはしない。ただ「ピーターにはお母さんが必要なのよ」に「ええ、わかってる。ママが一番わかってる」って答える。大人は辛いし、偉いよ…。

■症候群
さてピーターを見て「素敵だ」と思うか「幼稚だ」と思うか「あるある」と思うか「カンベンしてください…」と思うか(笑)。年代や性別、立場でさまざまだと思いますが、ちょっと感じたのは「これ、女優が演じるのは必然だな」ということでした(笑)。「お父さん役」への違和感の場面とか、大人の男性がやったらシャレにならんわ、なるほどなあ…と。異論は認める。

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ピーターパンだ。3

「ピーターパン」国際フォーラムでの公演が本日終了。
開演11時なのでお昼過ぎには終わってたので、謎のテンションの午後となりました(笑)。世の中は平日、平日。

子供ら大盛り上がりのピーターパン、大人も楽しめるピーターパン。ですけれどこれ、ファン的にも思ってもみないほど贅沢な公演でした。
中でも殺陣が、ホント嬉しかった。私は2011年のミュージカル「三銃士」でのロシュフォールVSダルタニャンの剣戟アクションが大好きで、公演の途中の怪我で降板、もう見られなくなった、っていうことに物凄い未練を残してた…っていうことを五年も経って自覚した(笑)。初めて目にした「ピーターパン」で泣きまくったポイントは「クリスマス!」や「ティンクが生き返った!」やもろもろあったけど、何よりかによりクライマックス、ガンッガン剣を振り回す船長の豪快な掛け声・笑い声だったっていう。

今回、アクション的な意味でも全てが揃ってたなと。剣さばき、笑い、構成、そしてインディアンや子供たちの動き。殺陣ってものは中央の主役たちの動きだけじゃないんだって話、「周りが真ん中を作るんだ」っていう話をよく吉野さんが強調してますが、そういうのガンガン楽しめた今回。ピーターと船長が戦いながら舵を切っちゃって船が傾いて全員でゴロゴロゴロ!とか最高の全体アクションだった。

単体でも、海賊船でインディアン達が踊り込んできてフックがちぎっては投げ、の場面、船長が回る・刺す・切り払う、の絶妙なタイミングでインディアンがまたよう飛ぶ!避ける!飛びかかる!…ここの一連だけで生きててよかったと思いますホント。駆け抜けてもはや止まれずにひゃひゃひゃひゃ跳ねながら同じところを旋回してる船長が嬉しすぎて泣いた。贅沢した。ありがとう…。

大阪まで二週間。また未練たらしく思い返し続けることと思います。

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