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2016年5月の11件の記事

アルトワについて

「1789」きっかけで読んだ歴史やフィクションから王弟関連ネタを少しまとめてみる。

ベルばら初めて読んだ頃は「プロヴァンス伯とセットで白っぽい人」というイメージしかなかったんですが。先日、読み返してみたらちゃんと感じ悪い演出がなされていた(笑)し、太めのプロヴァンス伯やぽちゃっとしたオルレアン公とは違って長身でハンサム、史実ベースな描かれ方だったんですね。…ちなみにオルレアン公はアニメ版で大化けして立派な荒木調悪役キャラになってましたが(笑)。

以前「アルトワは帝王学あんまり受けてないんじゃないか」的なことを書きましたが、長兄が亡くなったときアルトワは四歳で、そのあたりから王位継承権者としてカウントされるようになったとのことなので、早期教育って意味では兄たちより恵まれてたのかもですね。
かつ、兄弟の中で一番先に嫡子が生まれてるので、ルイ・ジョセフが生まれるまでは精神的に相当優位にあったんじゃないかこの五男坊。反動でよけい歪んだんだなーと想像する(笑)。
でも「1789」ではアルトワはジョセフには優しい、というか敵視してない印象ですよね。もはや自分の障害じゃないと思ってるんだろうかなあ。黒いよなー。

何度かネタにしてますがマリー・アントワネットとは遊び仲間で、実際には「小トリアノンのお仲間」勢にこの人も含まれていたみたい。小トリアノンには可愛らしい劇場がありますが、そこで遊びでお芝居をする王妃の相手役もやってたんだとか。お互いガチガチの保守派だから政治的意見も合って、ホントは平民に歩み寄りたいルイを二人して全力で邪魔してたと(^^;)。
それにつけても「(塔が監獄になる前の)タンプル城でマリーとアルトワがソリ遊び」っていうのは絵的にも最高なネタでしたね(私信)。

ポリニャックとも仲良かった。亡命したときはアルトワ家とポリニャック家は一緒だったみたいで、亡命先でもよくつるんでいたし、後にアルトワが王位についたときにも、お気に入りだったポリニャックの息子を首相にした(もちろん国民にすごく嫌がられた)。
ちなみにオルレアン公とも昔は仲良かったけど、革命時代に入ってくるとリベラルなオル公とはめちゃくちゃ険悪になったらしい。そりゃそうだ。お互い、馬主なので競馬場で勝ちを競って熱くなってたとか…所詮貴族だな(^^;)。さらに共通のガールフレンドとかいる。うわあ面白い。

亡命時代はイギリスで年金もらって優雅ーに暮らしつつ、ロシアやワルシャワでそれなりに苦労してた兄プロヴァンス伯と違って遊び歩いてた印象。愛人も多い…。身内には優しいけど強引、かつ魅力的な人だったみたいで、なんか、もう、いろいろ読めば読むほどイメージかぶるわ(^^;)。
とはいえ次男のベリー公が殺されたり、しんどい事件もいろいろあって、共和制やジャコバンには一歩も歩み寄らないまま帰国に至る…災いなるかな。

帰国後は反革命の最右翼。やがて兄を継いで即位した後も、思いっきりの反動政治をかましたので、王党派以外からの評価はもちろん低い(^^;)。ナポレオン時代を経て、思想的にはすっかり様変わりしていたフランスに「なにも学ばず、なにも忘れず」に帰ってきて、まだちょっとは温厚だったルイ18世(プロヴァンス伯)より旧弊かつ強硬な王様になった。言論も弾圧したし、革命時代の貴族の資産を保障するとかむちゃくちゃやったのですっかり国民に嫌われてしまったと。ちなみにこういった暴挙に真っ向から対立した代表的な政治家が「レ・ミゼラブル」で学生達に慕われていたラマルク将軍…かくして七月革命に至るのであった。(レミのバリケード場面はその2年後)

フランスは「1789」の後、七転八倒の末に共和制が定着しましたが、王党派はまだあきらめてないそうで(^^;)。かつて幽閉中のルイ・シャルルを「ルイ17世」と呼んだように、「ブルボン家の流れを組む正統な王はこの人」という認定を連綿と続けて来てるんだそうですね。ルイ・ジョセフとルイ・シャルルは死んでしまったし、プロヴァンス伯には子どもがなかったので、アルトワの子も孫も正統なブルボンの継承者とみなされ、その系譜が切れた後も親戚筋から続いていってる。現在のフランスでは「ルイ20世」やオルレアン系譜の「アンリ7世」、さらにナポレオン一族に連なる「ナポレオン7世」が「王位請求権」を主張している。皆さんセレブで、何かと人気者だそうです。
「革命が始まる」を思い起こしながら、アルトワが生き残ったことの意味を考えるとドキドキしてきます。王政を倒し「人権宣言」に至った革命家達の戦いも、ブルボン家に代表される王政復古への渇望も、実はまだまだ終わってないのかも知れない。

つらつらこんなこと考えてるとホント「悲しみの報い」が深いよね(どんな歴史ものにも使える最強エンディングだと思う、あれ)

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1789らんだむとーく大阪2

「1789」雑感続き。大阪ネタもそうじゃないのも。

■パレロワイヤル二題
各国語の歌詞サイトで英訳を見ておやっと思ったのが「乾杯だモテないこの俺に、愛を売ってる女達に」のところ。本編では「俺」と「女達」それぞれに乾杯してるのかと思ってたのですが、英語で見ると「乾杯だ、醜いこの俺にすら愛を売ってくれるこの女達に」っていうニュアンス。つまりダントンはモテないわけじゃなくて醜いけどもててる(史実通り)、みんな来てくれてありがとうよ、なんですねえ。
仏版だと曲のラスト「いつか…」が「サ・イ・ラ(きっとうまいくさ)」で終わってるのも感慨深いです。向こうじゃサイラモナムールはデムーランの曲ですから、序盤でダントンそしてシャルロットがみんなにぱーっと振りまいた「サ・イ・ラ」を、決戦の直前にデムーランが自らの恋人にダイレクトに投げかける、っていう対比がいいなあと。

■あるとわいやる
変態は一日にして成らず(←ストップひばりくん古いわ)ここからが本当に楽しいんだけどなあ…!!もうあと終盤まで観に行けないんだよなあ(T_T)(T_T)
ムニュプレジール閉鎖のくだりが素晴らしくロイヤルでおそろしい…たいそう楽しいことになってる「ネッケルどのー」はじめ、足運びとか背中を向けるタイミングとか、ルイに向かうときと背後に回るときの表情の落差とかで、こう、天上の怪物感がすさまじい。(かといって黒幕とかボスとかじゃないんだよね、そんな働き者な立ち位置じゃない。ホント悪い(^^;))。
この場面でいいなあと思うのが、王妃に錠前を作ってあげた兄上に「なんとおなさけぶかい」とか棒読みリアクションしてる間も「いつ切りだそうかなあ」と思っていたんだな、ってあたりで(^^;)。命令書も用意してあったし、ネッケルどのが切り込んできたんでじゃあ行くか(モードチェンジ回転「下級の僧侶達です」)、キッカケ作ってくれて有り難うみたいな。すべてがヒドイ。

■花總マリー
日曜マチネ、終演後に見納めだったと知った(T_T)
「すべてを賭けて」最高でした。花總マリーのナチュラルな高貴さプラス、はちきれそうな奔放さ。この時点ではアルトワとある意味、同類っぽいところがある。ので、曲中のきゃらきゃら対立がお互い、お気に入りのゲームを演じてるみたいにも思えるのがたいそうツボ。
こう「一歩間違えば真っ逆さま」感もこのナンバーの花總さんの好きなどころです。クライマックスでどんどん上がっていき、叫び出すように歌う彼女のテンションと、最後の「すべて賭けて」でスッ…と後ろから一瞬だけスナイパーみたいな視線を向けるアルトワ(&てんとう虫)、っていう絵が心底カッコいい。フィニッシュ後のアイコンも明るい「VS」感がにじみ出ていてホント好き…史実ではアントワネットとアルトワは噂になるくらい仲良かったそうですが、そういう遊び仲間な時期があったとしてもおかしくない、こう、「油断できない、でも身内」っぽさが楽しくて。
終盤、ベルサイユで別れの言葉を交わしていく場面。それぞれの人々と、「この二人はどういう関係だったのか」っていうのが響いてくるのも好きでした。特に好きだったのがルイとのやりとりで。「陛下とともに」ってルイにとびきりの笑顔で笑いかけるマリー、ルイは一歩、二歩、おずおずと近づく、マリーも受け入れるように笑顔で身を乗り出すけれど、ギリギリで陛下が照れたように離れちゃう。あ、こういう関係だったんだなあ、この二人…っていう納得と切なさ。
「苦しまずに死ねる」も本当に深い意味を持つようになったなあ…話題が変わってるようで変わってないもんなあ…。

■三階席さまざま
・最高に楽しいですリピーターには(倒置法)。梅芸の三階は帝劇より近くて高いので、帝劇でいうとB席のいちばん後ろに行かないと見えない、三部会のパペット操作の頭頂部とかよく見える。あと牢獄の場面後の暗転で鉄格子と入れ替わりに入ってくるアルトワもよく見える…いずれも初見の人に勧めたいポイントではないですがおもしろいよ(笑)。
・↑行儀の悪い話はおいといて(笑)、上空席から見下ろす球技場最高です球技場。「ゆがんだ時代に閉じこめられ」…のとこでロベスピエールの周りをザザーッと舞台奥から手前まで広がっていく群衆とかもうすばらしい。一幕「ヘイ・ハー」や二幕のペイロール鎮圧行動も凄くて「うわ、こんなマスゲームみたいな動線だったのか!」と感動することしきり。
・ただし奈落はあきらめよう(終わる)。舞台際の芝居は「国王陛下の名の下に…」は上半身のみ、「球技場に入るぞー!」に至っては生え際が見えるのがやっと(笑)。
・踏まれるロベスピエールを血相変えて助けにいこうとするんだけど阻まれる加藤ロナンいいよね(これ三階関係ない)

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1789らんだむとーく大阪

「1789」大阪公演・初日を観てきました。

雑感。
★★東京リピーターからみた戯言+重箱の隅つつきですのでネタバレしまくり+細かかったりややこしかったりするので、初見や未見の方はあらかじめいろいろすいません(もう謝る)★★

面白かったー!!!来て梅芸!これ面白い!超贅沢!!!

■梅芸こまごま
帝劇→梅田芸術劇場だとまず「視界が広くなる」「舞台が近くなる」のが通常ですが、さらにオケピのない「1789」や、もう、近い!!!私は16列やや下手からの観劇だったのですが、びっくりするほど全体が見やすい。かつ、オペラグラスなしでも表情が取れる…結果「『すべてを賭けて』で花總アントワネットとちゃらちゃら王弟の駆け引きを背景ありきで観たい」とか「球技場の革命組の一部始終を王弟を視界にいれた上で見届けたい」とかそういう贅沢がぜんぶ叶った…(結果ネッケルとミラボーの絆とか失礼ながら射程外の(本当に失礼)動線も今頃把握できた)(特にコメントなし)。
で、客席の使い方。梅芸一階席は13列までが前方ブロック、14列から中央ブロックが始まるのですが、この13と14の間の通路が帝劇でいうR(+中列)とSの間の通路の役割をする。奥行きより横幅の広い梅芸の客席からすると、これかなり前方です。かつ、帝劇だと舞台から客席後方A席の後ろまで走っていくという一直線の動きがよくありましたが、これがすべて「下手端のドア」に統一。つまり冒頭のペイロール、一幕終わりの全員、二幕あたまの球技場入り、オランプちゃんを追っかけるラマール、これ全て14列一桁台の真ん前を通るという(あっちだよおじさん!も下手出口あたりを指すシャルロット)。重ねて、わたし16列の下手サブセンで観てたもんで、ラマールもロナンもロベスピエールも目の前の「十字路」で横切って走ってくのでたいそう楽しかったです。2階からも見えてるといいけど、さすがに厳しいかな。一幕ラストで上手側の客席を走り抜けてきたダントンが下手組に追いついちゃったのがハイライト(笑)。
二幕あたまで革命チームが4組に分かれて通路を舞台までいくところ、ここはブロック数「5」から「3」になった分、
帝劇で

□↑□↑□★□↑□

だったのが梅芸では

↑□↑□★□↑

に変更。
以上、リピーター以外はなにがなんだかの情報でした。
ちなみに★がロベスピエールの位置ね←
(私は吉野ファンです)(リマインド)

■加藤ロナン
「革命の兄弟」でロナンが
「やりたい仕事につく権利がある?」って歌う場面で、印刷の機械を示す仕草がちょっと入り。
細かい話ですけどこれものすごくグッと来た。ロナン的には印刷所に入って「触っていいか?」って聞く時点で、かなりこの場所や「印刷」あるいは「報道」っていう仕事に対する憧れが生まれていたのかなと。で「たとえば俺だって印刷工になれるとでも言ってんのアンタら?」っていうニュアンスを込めて「やりたい仕事」って言ったのかなと…なので、この工場で働けるように「掛け合ってみよう」って言ってくれたデムーランの言葉が、「仕事を得る」よりさらに上の「やりたい仕事につく権利がある」っていうことの証明をみせてくれた、そういうロナンの感動であるように感じられて、なんかもうね(T_T)。
結局、ロナンは印刷所に戻らないまま終わりを迎えてしまったわけだけど、あそこで屍れなかったらロナンならデムーランを、ダントンを、そしてロベスピエールを歴史上の運命から助けることができたのかも知れないなあ…と…すいませんホントこれ今酔っぱらって打ってるので飛躍し続けてるのはご容赦です。

■本性
これだけ近いといろいろよく見えるんじゃないかと期待してましたが、もうなんか凄いねアルトワのラスボス感(^^;)。この人が「逃げた」っていうことが歴史上どれくらいの伏線になってるか、その辺はまた掘り下げたいと思ってますが、とにかく「革命が始まる」の自分的クライマックス度合いが天井知らずで伸びていて、もう嬉しくて仕方がない。
あと以前ワルモノ+小物感で疾走していた「奴らを倒せ」が新段階に入ったのが楽しかったです。いや今もワルモノだけど、なぜかやたら高貴(笑)(笑)こんな台詞が高貴ってだけで笑えますが、かつすごい楽しそうでなあ…そのまま高笑いで世界を狙って欲しい。

■花總マリー&ねねオランプ
天真爛漫で素直で綺麗で危うくて。そんなアントワネットをオランプはある種、放っておけない気持ちで見守ってるのかなあ、と思いました。私見。凰稀マリーだと「慕う」って感じでしたが、花總さんだと「惹かれる」とか「支えたい」みたいな。私見私見。
…なので、「これでいいのよ」のシーンが凰稀Verとはまた違った感動をくれますね。前段とは全く違う「王妃」に生まれ変わったアントワネットが「もう大丈夫」ってオランプを解放するように見える。本当はここからが大丈夫じゃないんだけど、本当に「一人で生きていける強さがある」のはこっちでしたっていう見え方。
しかし今日一番スゴイなと思った瞬間は対フェルゼンの「(間)では、お帰りください」だったなあ…あの「間」は魔法だよホント。

■ラストいろいろ
「次の時代を生き延びるんだ」の表情が16列からでも克明に見えるってな(T_T)…ここの印象も一期一会ですが、加藤ロナンからするとオランプに希望を託したとか幸せを願ったとかいうより、「生き残ってくれ」っていう願い、生きているうちにどうしてもオランプに伝えなくちゃいけない、自分が作った「時代」を繋いでくれっていう思いみたいな切迫感が感じられて、ねねオランプ相手だと「戦友に残す言葉」みたいにも思える。
東京終盤でロナンを運ぶ役がダントンとロベスピエールだけになってましたが、ここにデムーランも加わる動線が復活していましたね。結果、ロナンの両手を組ませてあげるのもデムーランに戻って、ここをロベスピエールが受け持ってたのは東京ラスト数回限定…すいませんこれめっさ好きだったんでそのうち別項で(笑)。

■ぷちぷち
・パレロワイヤルで女たちが斜め一列に並んで踊るところのリュシルの導線が好きだなー。友達に呼ばれてカミーユにちょっと断って列に加わるの。大好き。
・ラマールの「マドモワゼールもう大丈夫でーす(中略)若返りすぎー!」のところ、スカートをつまんでお辞儀するシャルロットが果てしなくかあいい。
・アルトワの「今度わたしをパレロワイヤルに連れて行ってくれ」を断るオランプの表情にノックアウト。凛々しいわ自然だわで…戸籍の紙を握りつぶす王弟に「惚れない?ねえホントは惚れたんじゃない?」とセンサー最強にするたのしさ(でもやっぱ惚れてはないと思う)。
・印刷所のロベスピエール。「その頃おれは飢えていた」「え?」での、空気の変わり目を一瞬で読みとる顔にうぉっとなった。彼的には「パンをかじりながらな」が失言だったことを一瞬で悟ってるんだけど、とりあえずデムーランの行動の成り行きを見ている、こう、情はあるんだけど「計算」もしてるなこの人、っていう政治家臭。あーーー愉しい。

長い長い(^^;)のに終わらない。もうちょっと続きます。

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1789らんだむとーく8

「1789」東京千秋楽さまざま。

■加藤ロナン
もうなんか、「物語を自分に合わせてしまうパワー」というものを目の当たりにしている(笑)。もういいじゃん脚本の矛盾とか大雑把さとか!そんなことよりロナンの目を見ろ!顔を見ろ行動を見ろ、そこに物語があるんだよ!読めや!!!…みたいな。まさに求心力。
田舎から出てきて。革命家達に出会い。世界が広がり。希望を抱き。
拷問で心も体もひどく傷つけられ、信じるに至っていた絆に疑いを抱き、そのことにまたひどく傷つき。
いきなり恋をし(今の壁(爆))。
やっぱり、しつこいけど印刷所の感情表現が良すぎて、あの慟哭からの一幕ラスト「俺たちは兄弟なのか?」が決まりすぎて、あっさり二幕あたまで仲直りしてしまうことへの勿体なさは残るなあ。ひとりひとりと、特にデムーランとのイベントがもうひとしきり欲しかった。まあ球技場で「最初にダントン、次にロベスピエール、最後にデムーランとしっかり手を握りあう」っていう短いけど濃い流れで昇華するものはありますけども。

■ねねオランプ
小池ロナンとだと互いに持たないものを補い合うベストカップルに見えますが、加藤ロナンだとホントに「似たもの同士」って感じがする。細やかで頭が切れるところ、気高くて傷つきやすいところ、価値観の最上位が恋愛じゃないところ(私見)。なのでサン=ドニでの「この愛の先に」が信じらんないくらい美しい。同じ魂を持つ、でも立場の異なる二人が、この世の果てで共鳴する、みたいな。サイラモナムールよりこっちの方が、二人のあり方が見えるナンバーだと思う。いや正直サイラは今でもぜんぜん腑に落ちてませんが(また長くなるから)。
「許されざる愛」の彼女の表情と、十字架との対比もすごいよなあ。決意でもあり誓いでもある歌、自分では罪だと感じているその心を、あえて神様の前で隠さないっていう。

■これでいいのよ
凰稀マリーとねねオランプの別れの場面を見てると、この二人の物語をもっと深く知りたいなあ、と思わされます。オランプは「新しい養育係」なわけだから知り合ったのは最近なのかも知れないけど(それ言ったらロナンとは3回しか逢ってないし(笑))、王太子を労る生活を通して、お互いに自然な親愛を深めてきたのかもなあと。
「選ばなくてはいけないわ」と言うマリーは、ホントはほんの少し、オランプに別の選択を願う部分もあったのかも知れない。それをオランプも理解してすごく迷った末に、それでも別れを告げたのかも。最後に抱き合うところ、「これでいいのよ」という言葉を聞くオランプの、マリーの背中に回した手をそっと強くする動きのためらいと優しさに(T_T)。

■カテコさまざま
おもしろスペインズ(旧)以外で。
・凰稀さんの裾ふんじゃったロナンの土下座はスピーディかつ流れるように鮮やか(笑)。ネウロで弥子の「ジャンピング土下座」っていうのがあったけど加藤君なら絶対再現できると思う。
・サカケンさんの「某劇団四季で」で「某て」って丁寧につっこんでいたロナン偉い。
・岡さんのサワヤカ声ひさしぶりに聞いたー。
・アルトワの謎ポーズへの率直な「なんなの?」がいろんな意味で実に岡さんでした(笑)。怒ってない、率直に疑問、でも岡さんだからやたら迫力があるっていう(下手側で悪びれずにすみませんっしたー笑いしているK吾さん)
・大楽の終わりに「革命の兄弟肩組み」で登場した小池さん&徹平君&さやかちゃん、高さがいい感じに揃ってる&服装がえらい可愛くて爽やかな風が吹きました(笑)。ねねちゃん(オランプ服)とさやかちゃん(セーラー)のハグもよかった。
・王室ご一家の親子三人カテコは幸せすぎてウルッときた(T_T)。
・大輔君で笑いが起きたのは間の妙ですが、りおくんのイイ声ではソニンが決壊せずとも笑いは起きたと思う。
・三割増し男前でさらにイイ声を発しまくるダントンさんの後ろでアルトワとロナンが横目で会話していた絵が面白かった(動画では見切れてますが和樹君がK吾さんに謎のニュアンスを込めて頷いていた(笑))
・ねねちゃん涙ぐむのに慌てたように懐を探るアルトワ殿下、惜しかったねハンカチなかったね…「持ってない?!」というように隣の雄大君達を巻き込んで、そこでりお君がここはお前だろう肩を抱くとかしろ!って感じで和樹君に振って、そのままロナンに丸投げせんと無言でわちゃわちゃ騒ぐ180ズ。の前で涙声の挨拶を美しくしめくくるねねちゃんであった。
・あそこでブルボンの秘宝出したら最低だったね。

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TEAM1789

「1789」東京千秋楽を観てきました。

本編・カテコ・カテコ・カテコいろいろありました…。しゃべりたい話いっぱいあるけどやっぱりここから(笑)。
動画出るまでのつなぎにでも。
と思ってるうちに出てますねo(^-^)o
https://www.youtube.com/watch?v=r_GjavKjUdI

こちらは感想モードにて。

フェルゼン広瀬君から始まったプリンシパル挨拶。
最初に「ヒロ」と呼びかけた他は、呼びかけはしないで、キャストが上手・下手と順に挨拶していくスタイル。この「呼びかけなし」がドラマを生んだ(笑)。

広瀬君(下手1)→
渡辺君(上手1)→
上原君(下手2)→ときて
おもむろに進み出る古川君(下手3)。しゃべり出すけどマイク入らない…あれ?
→次はサカケン(上手2)だよ!!!という全員ツッコミにあぁぁ!となるロベスピエール(客席大爆笑+大喝采)※
大笑いしているねねちゃんや上原君たち、中央でこう(下手)こう(上手)こう(下手)って来たらあっち(上手)だろう!」と指をびゅんびゅん指しながら叱りつけいるサカケンさんにすいませんすいません謝ってる雄大君、その雄大君をどつきながらゲラゲラ笑ってる圭吾さん(アルトワ怖メイク)。

※こういう形式のカテコで順番を間違えて笑われるキャスト、っていうのは決して珍しい事象じゃないんですが、やらかしたのが雄大、あの伝説の古川雄大。もう、この瞬間の圭吾さんの顔ッ…!(フラッシュバックする2年間のあの日)

というわけでその後、サカケンさんが面白いこと言ってる間(雑)、吹き出た汗をぬぐいもせずに呆然と前方を見ているロベスピエール様とまだぐしゅぐしゅ笑い続けている王弟殿下という珍しい図に気もそぞろになってしまったのはいたしかたない。でもケンちゃん面白かった。

で、やっと回ってきた古川君の挨拶…と思って下手側に目をやると
気を取り直したように笑顔で進み出ようとする古川雄大(下手3)
…に先んじて、涼やかな笑顔で颯爽と進み出る吉野圭吾(下手4)「ちょちょちょ」

もうね(笑)
ベスん時は「やると思ったーッ!」っていう心の声は圭吾ファンからだったけど、今回は雄大ファンとも心がひとつになっていた気がする(笑)。
もうご存じですよねみなさん、あれはフォローじゃなくて捕食です(^^;)

帝劇を揺るがす爆笑の中、すました圭吾さんをがんばって押し戻して「ありがとう」とか挨拶している雄大君(双方ふかぶかと頭を下げる)(本当にありがたいのはどっちだ…)
「やっちゃった」感は出しつつも爽やかな笑い顔でしゃべる様子にこの2年の心の成長を見た(笑)。その間うしろからやたら「お風呂で考えてきたの?」とかちょっかいを出し続けていた王弟はもはや遠慮スイッチ完全オフでしたね珍しい。

で岡さん(上手3)がニコヤカに挨拶したあと、なんかこしょこしょ言ってるな…と思ってたら案の定ロベス君をそそのかしていたらしく(^^;)
(テンドンを成立させるまで退かない)←

吉野さん(下手4)が進み出るべきタイミングでおずおずと前に進み出る古川さん(下手3)
…びょうびょう吹く先輩風に押されてる、押されてる…。何がひどいってここではピクリとも前に出ない圭吾さんな(笑)察した上原君がすばらしいタイミングで進み出て回収してくれたありがとう。
かくして完結。お互いに固く握手をしあう旧スペインでした。あーーー笑った…。

王弟挨拶はシンプルでしたが本当に爽やかでしたね顔。
突然のアルトワ「きゅん」ポーズに上手で大爆笑していたトゥルヌマン&ロワゼルが印象的でした。本編でずっとガマンしてたんだろうなアルトワのあれに…。

カテコネタ他にもたくさんありましたね…。小池さん曰く「面白いカーテンコール」がシンプルに全てを総括していました(笑)。お疲れ様!

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1789らんだむとーく7

「1789」前楽みてきました雑感。

■小池ロナン
ラブストーリーは小池版、男の話は加藤版で味わうモードな自分としては(今これすごい自分の中ではまとまってるけどこの先どうなるかまたわからん)、牢屋脱出後の小池ロナンウォッチが楽しくてしゃーない。
ピュジェ中尉の「娘は危険をおかして」でちょっとじっとオランプを見る、階段から助け上げたときにちょっと間がある、だんだんと序盤のやさぐれた感じが取れてきているあたりに「おっ?」となり。
その後の会話が完全に「雑談」、とりあえず何か彼女と話していたいんだなこれ、っていうロナンの、ある種、うわついた磊落さがツボです。からかって迫ってポンポン言い合うんだけど、怒ってるようで怒ってない。「帰る」と言われた瞬間のあわてた顔とか、その後のキスにつながる流れがとても自然。いいねえ(笑)。

■さやかオランプ
自分にも他人にも正直で、実もフタもないんだけどその時その時一所懸命、「不器用な生き方しかできない」少女として見るとしっくりくる。共感とか納得より、可愛さが勝つんだよな。本当は自分に弱いんだけどがんばってる、その強かさの出所があくまで「女」の部分なのが夢咲オランプの「戦士」っぽさと違うところ。
サイラモナムールの後でロナンを見送る顔とか、ロナンが撃たれて泣きじゃくるところとか、ストレートな表情が好きです。ラスト「人はいつの日か」でロナンが歌い出すところでギュッ!と泣きそうになる顔とかキュンと来た。

■ロベスピエール
花咲ける青少年(何いってんだ)
いや、もう、言い尽くされてるけど今更言うけど綺麗だね…!
表情がいいんだ、仕草がいいんだ、帽子を取ってばっさあ乱れてちゃんと直らない髪がいいんだ(何言ってんだ)。
ここへ来て場面場面の機微がどんどん昇華されてっててリピーター根性わしづかみです。
ロナンにパンフレットを振り払われ、しゃがんで拾う。頭上で交わされる「印刷所へ来ないか」のやりとりの間、視線を動かさないままニッと笑う。
ロナンの「そのころ俺は飢えていた」のくだりで「まずいな」と思うように周りをちらっと見渡す。
サイラモナムールの彼女とのやりとり。もう即席なんて言わないホントに申し訳なかった、真心だよ真心…。(背の高い人の上目遣いにホント弱い)
ただし「誰を好きになってもかまわない」へのこなれたリアクションだけは未だに腑に落ちない(笑)。

■ソレーヌ
姐さんますます凄みを増していく「世界を我が手に」。曲おわりに上手と下手をぎゅんぎゅん疾走してる際の男性陣の及び腰っぷりが最高におかしい(冷静にパン屋さんをソレーヌの進路から避けさせるロベスピエールに超笑った)。
↑ここは公演当初から好きですが、最近のツボは序盤、兄さんとのあれこれ。ボースでペイロールにくってかかるロナンの前に小さな体で回りこむとことかグッと来る。徹平ロナンとだとヘンゼルとグレーテルみたいとか言っててすいませんでした可愛いんだもん(^^;)。パリでの再会の「きれいごとだけじゃ」の胸が裂けるみたいな言い方もすごい。両ロナンでけっこう動きが違うのに合わせて心の動きの表し方もそれぞれなの嬉しいし。ソレーヌって一番振り幅の大きい役だよね…。
あと可愛いといえば一幕後半、カフェのメイクと髪型すっごい可愛い。

■アルトワ
キャラよし役割よし。ガンガン深まっていくそれぞれの場面。
ここまで来るとホント脚本を今更恨むわ…いやストーリーはいいの、せりふもいいの、二百歩譲ってイリュージョンも受け入れる(媚薬は許せん)、ただ他の人との絡みも欲しかった…ッ!←訳:やっと欲が出てきた
結局、今回の本当の飢えはコレだな(^^;)。こんだけメンツ揃ってて、でもキャラ的に他の人とドラマを深めていく機会が限られてたあたり。「全てを賭けて」のマリーへのロックオンとか、兄上やオランプとのひとつひとつのやりとり、個々の表現が深まっていくごとに、いろんな人とも殴り合うレベルまで見たくなる。うんキリがない。楽しい。

■アンサンブルとーく
全員いいけどツボった人々を挙げる。名前ちがったらごめん。
当銀君。前にも書いたけどボース地方の動線がすばらしい(鉄砲玉)。曲の抑揚をこの人はじめ、みんなの動きがさらに盛り上げるんだよね。
増井つむぎさん。パワフル女子たちの中でも最強(笑)。走る飛ぶ振りかぶる、ぶんぶん動くぎゅんぎゅん回る(縦に)。終盤でもそのスピードと果敢さが落ちない最強アクロバッター。
松永君。当初「髪型が東山」というあんまりな覚え方してましたが全編いいよね。パン屋の後ホントにソレーヌにビビってる動きがまたいいなあ。
鮫島君。当初「牢屋の大野君」と呼んでたの私だけじゃないと思う。ロナンの逃げ足の真似してるところが大好きです。
加賀谷君。ごめんミシェルまじで最初「髪型がK5さん」て呼んでたいっぱい共演してるのに。さすが愛のコロスすっっっっっごい綺麗。
橋田君。ジュリアン「俺の天使はパレロワイヤルで待ってるの、さっ」の日替わり、ここへ来て当初の「俺も、さっ」が戻ってきて、今みると楽しいねえ(笑)。

いよいよ東京ラスト。さてさて。

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1789らんだむとーく6

「1789」こまごま。ぼちぼち東京終盤です…。

■王室こまごま
みなさんご存知かもですが基本情報から改めてネタを拾う。
ルイ16世は先代ルイ15世の孫。
お父さんであるルイ・フェルディナンには五男三女がいて、構成は
 長女(夭折)
 長男(夭折)
 次男(夭折)
 三男ルイ・オーギュスト(16世、アルトワの3歳上)
 四男プロヴァンス伯(ルイ18世、アルトワの2歳上)
 五男アルトワ伯(シャルル10世)
 次女(アルトワの2歳下)
 三女エリザベート(アルトワの7歳下、革命で王一家とずっと一緒にいた人)
ルイが子どものころ、王太子はお父さん、その次はお兄さん。王位を継ぐ可能性は低かったので、帝王学とかあんまり受けてなかったそうな。…五男坊とか言うにや及ぶだな(^^;)
ちなみにオルレアン公は「いとこ」と訳されるけど親同士が兄弟ってわけではなく、ひいひい爺さんがルイ14世の弟(三銃士の第三部で謎の存在感を出してた女装男子)、お婆さんがルイ14世の庶子。ただ王位継承権もある名門だから「いとこ」のニュアンスも感覚として正しいんでしょうね。
ルイとマリーの子どもは3人が知られているけど、ホントはルイ・シャルルの下にもう一人女の子が生まれている。生まれつき体が弱くて10ヶ月くらいで死んでしまったらしい。ルイ・ジョセフの死が1789年、次女ソフィー・ベアトリスの死はその2年前(;_;)。
最近の研究では、マリー・アントワネットの使った額は財政を破綻させるにはほど遠かったそうな(やっぱり王弟のレース代が(そういう話でもない))。

■これはこれで
引き続きサイラモナムールの代議士カップルの話。ロベスピエールの優先順位において「女」が上に来ることは決してない、それはキャラ上もストーリー上もはっきりしてるんだけど(史実は最初からカットな(笑))。それでも、そういう彼が好きで一所懸命尽くそうとする女と、幸せにできないのは承知で彼なりの愛を注ぐ男がいたっていいじゃない、っていう見え方は結構ツボです。
解釈も異説もたくさんあると思いますが、最期に顔を思い出すぐらいには情があったんじゃないかな、と想像してます。

■VSマリー
アルトワウォッチャーのたわごと。
マリーの物語の描かれ方やオランプとの関わりでは凰稀さんが好きなんですが、「すべてを賭けて」は花總さんが圧倒的に楽しい。しょっぱな、手を差し伸べるアルトワを見る「目」とか軽く振り払う手とか、曲終わりでフィニッシュ決めた後でチラッとアルトワを見て笑う、ここの小悪魔(ただし大物)感とかたまんねえ。三部会後のツンツンぶりとか、凰稀さんの場合は王妃が被害者に見えますが、花總マリーの「普通に敵」感はかなりツボ(笑)。二幕ではほとんど接点はなく、最終的には「革命が始まる」でアルトワよりはるかに人として高いところに行っちゃっうわけだけど、もっともっと戦って欲しかったなー。
ついでに書いちゃうとアルトワの一番の小物台詞は「奴らを倒せ!」だと思います。倒せってオイ。

■VSオランプ
たわごと続き。「アルトワはオランプに別に惚れてない」と思ってますが最近たまにぐらつく(笑)演出意図や役者さんがどう思ってるかはわかりませんが、少なくともねねオランプの「好敵手」ぶりには好もしさとか、奴なりの悦楽は感じてるんじゃないかなあと思います。いや、ホント楽しい、オランプが強いと(笑)(笑)。
帝劇の奥行きは今回いろんな形で生かされてますが、個人的にはオランプが宮廷を去るシーンの「向こうからオランプが来るのを見つけて嬉しそうに進路を変えるアルトワ」がたいそうポイント高い。銃を向けられてマジビビリ入るのとか「お前たち平民に」の言い方とか、いろいろこもってた台詞かも、とか考えても楽しい。いつか時代が変わったら肩を組みパリの街を歩いて欲しい(それは無理)。

■5月10日
私もソワレ観てました。が、前の席の方の座高が高くて舞台中央前方はまったく見えなかったせいで、まあこういう時しか観られないところをいろいろ見してもらおうと、端や奥に注力していて。
そしたらなんか二幕後半のロベスピエールの仕草があちこち変わってて(ペイロールの弾圧行動のラスト、飛び上がる民衆に反射的に手を差し伸べるやつとか、ロナンが撃たれた後の振り返りとか…いつのまにこんなに雄大ウォッチャーになった(^^;))ふうん、あれ好きだったけど変えたのかな…ぐらいに思ってました。
ら、肩をやったとのこと(T_T)ホント、ハードな公演は終盤の休演日前がおっかないので(観劇人生最大のトラウマ。次はないと信じる)、大事に大事に続けて頂けますよう。がんばっちゃう人はいろんな疲労が蓄積されるから…。
余談ですが直後のTwitterで若干、錯綜気味になるのもいつかの事故と同様。友人からのLINEで着地失敗だって?!と来てそうじゃないって想像つくはずなのに「えっそうだったの?」と思ってしまった。何か起きたら気をつけよう…。

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1789らんだむとーく5

「1789」この土日の雑感いろいろ。

■加藤ロナン
印刷所関連のツボを挙げるとキリがない(笑)。機微がな!もうな!
「革命の兄弟」の冒頭、彼らが語る言葉をひとつひとつ、かなり真剣に聞いている。手を差し出されて思い出したようにハッと笑ってごまかすけど、初めて聞いた彼らの言葉に心を動かされてるのがわかる表情がツボです。
「自由と平等」の表情は端から端まで大好き。もともと強い彼だからあの拷問でものすごくすり減らされちゃってて、そこへトドメをさされたんだろうなあ、っていうギリギリの痛々しさ。デムーランたちの言葉のひとつひとつがちゃんと心に響いてて、でも踏みつけられて来た記憶やペイロールが注ぎ込んだ毒も積もり積もってる。共感と反発が自分の中でぶつかりあって心がめちゃくちゃになって、カミーユの「決めつけないで話し合おう!」でそれがピークになってうわあ!って掴みかかる。ダントンが後ろからおいっ!って引き留める、ロベスピエールは間に飛び込んで引き離そうとする、この四人の絵は記憶に刻みたい…。
つぶやきでも書きましたけど一階後方、一幕ラストで走り出て行くロナンが最後、A席の坂上るあたりでァアアアアア!みたいな雄叫びを上げてったのに血が沸きました。やっぱ男の話だよコレ(笑)。

■ロベスピエール
加藤ロナンだと目を合わせる肩を叩かれる肩を組むその他、交流するタイミングが多いので、この人何考えてるのかな、って深読みしたくなって楽しい(笑)。例えば冒頭、印刷所へ行こう!つってロナンの肩に手を回して振り払われる、そこで一瞬、足取りがゆるむんだあけど、帽子のつばに軽く手をやって追う。この一瞬の横顔が楽しいね(笑)…ちなみにこの「振り払う」小池版では定着してますが加藤版だとかなりランダムで、ないときはないので今でも油断できない(笑)。
でもおおむねこの人は全体を見るというか、基本、個人に向かうんでなく、市民というチームに気を配っている立ち位置に見えます。最後にロナンが撃たれる瞬間とか、デムーランが「撃たれそうなロナン」に向かうのに対して、「銃を構えるペイロール」を見て周りのメンバーに危ない!と伏せさせる。
一見気配りリーダー、でもあくまで大局を見てケアするのであって、一人一人の顔は認識してないって感じもする(笑)。転ぶ人がいれば助け、みんなの肩をたたき、最初に来た子と恋人になる(いや最近すごく雰囲気いいけどな彼女と!!)。
そんな彼がでも、ロナンには一目置いている、他なら一歩引くけどロナンなら半歩だけしか引かない、っていう風に見えるのが加藤Verの愉しさ…細かくてすいません…吉野ファンは微妙な差分チェックが好きなんだよ…。

■ぷちぷち
・今更だけどなんでロベスピエール達はロナンを印刷所に連れてったんだろう。字を読めるのは知らなかったわけだし。就職の話が出たのも後からだし。考えてみると「触っていいか」に彼らが許可するのもおかしいような気がする。あの暗転の後で三人が親方に大目玉食らってたらおかしい。
・ネッケルが王妃の賭博の金額をなじるところで「もういい」ってアルトワが口を挟むのは、あのまま放っておくと財務長官が「さらに王弟殿下のレース他アクセサリー代は昨年の倍を越えております」とか飛び火してくるからなんじゃないかと邪推している。
・小池ロナンの「おまえのせいじゃない。病気だったんだろ?」の言い方が大好き。(よく事情は知らないけど)っていうニュアンスの「病気だったんだろ?」っていう気遣いっぽい問いかけがいいなあと。
・バスティーユ襲撃の大ダンスナンバーのところ、中央付近両側のソレーヌとリュシルがいい感じに怖い。そのスタミナをカミーユに分けてあげて(祈りのポーズ)
・つぶやきでも書いたけどロベスピエールの彼女とのやりとり結構よくないですか最近(おそるおそる)。サイラの手前で手を引いて連れてくるさっぱりした気の使い方とか、彼女の見上げ方とかロベピーの目の反らし方とか、銃を渡す最後に一瞬だけ目を合わせるとか、なんか結構カップル感出てきたと思うんだが…。
・中央でロベスピエールを踏んづけた後のペイロール様、周りを睥睨して下手へゆったりと脚を運ぶんだけどここの「本気だぞぉぉおおおおああッ」みたいな迫り方が心底怖くて、ハイドに詰め寄られるルーシーみたいに見える(雄大君が)。
・一階後方だと三面鏡にキャストがうまく映って面白い(ぶっちゃけ客席もけっこう映り込んでいる)。マリーとオランプの別れの場面なんか両サイドにそれぞれの表情が映るんだー。これMYベストカップルの凰稀さんとねねちゃん(オイ)で観てみたいぜ。

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反転1789

「1789」小池ロナン&ねねオランプ観てきました。

いやもう、呆然。今更のエポックメイキング。どれだけ目にウロコが入ってたか自覚してなかった。

ねねオランプのしっかりした雰囲気と、小池ロナンの一見、ガサツっぽい(けど真心はある)ところの組み合わせ、いいじゃん、とは前からも思ってましたけどここに至って号泣レベル。伝法な口をききながらもオランプから目を離さないロナンだとか、自分のペースを乱されまくって心の内をさらけ出しちゃうオランプだとか、二人のひとつひとつのやりとりが心に刺さりまくる。

徹平ロナン。
革命の仲間たちとのドラマと、オランプとの恋、ここのバランスがすごくいいのが徹平君なんだなあとまとめてみる。
一見してただ者じゃない加藤ロナンと少し違ってて、表面はあくまで等身大の一人の男でありつつ「根が」強い人なんだなあと…一見乱暴だし、あんまり人の行動の裏まで読まないし、自分の貧しさや学のなさにあんまりコンプレックスがない。革命の仲間との軋轢に葛藤はするけど、加藤ロナンみたくそれにのめり込んで心を引き裂かれる、っていう危うさはない。深く考えすぎない、あたりまえの友情。
そしてあたりまえの、自然な恋心。牢屋の脱出後、オランプから目がはなせなくなってる、ケンカしながらも浮ついてる、胸の痛みが傷の痛みから恋の痛みにすり替わってく(恥ずかしいな文字にすると!!)流れもとても自然。
そんな彼だからオランプに「外国へ行かないか」って言っちゃっても違和感がないっていう。ビックリだよホント(^^;)。

夢咲オランプ。
いいと思ってたけど、さらに化けたなと…
オランプの曲で、一幕終盤の「許されぬ愛」が今まで苦手でした。歌が悪いんじゃなくてこっちの解釈の問題。「さっきロナンを振り切ったはずなのに、なんでここでオランプがふわふわ恋に生きるみたいな歌を歌うんだろう?」という印象に反感を覚えたというか、芝居としても順序がおかしいし、オランプのまっすぐな印象を邪魔する歌詞だな、と思ってました。
まずこの曲が化けた。あ、これ「覚悟」の曲だったんだなあと。自分の責任や使命、すべて飲み込んで全力で生きていく、それを全て壊すくらいの恋をしてしまったんだけど、その気持ちをも捨てないで生きていく。使命と恋、相反するものに「引き裂かれても」「運命が命じるまま生きていく」
うわあ。
そんなオランプなので一幕ラスト、賭け出て行くロナンに手はさしのべるけど、視線はロナンに縋るとかじゃなくて、恋を抱え込んだ自分の道の先を見据えている。このまなざしがロナンの死後の人権宣言の、慟哭を抱え込んだ決意につながっていく。
うわあああ。
このオランプの「運命に従う」に終盤、凰稀マリーの「運命に従う」がシンクロしていって、エンディング、中央の二人が、それぞれ「先」を見ている表情が重なる、その上でロナンがまっすぐ前を見つめている。
ごめんなさいごめんなさい全然いろいろ気付いてなかった、すごいわこの話…。


困った。もう公演終盤なんだが本当に困った。もう全く増やす余地がない(チケットもない)。
こういうことがあるからなあ…。

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1789らんだむとーく4

「1789」こまごま続き。

■牢獄二題
牢獄脱出のところ、加藤ロナンの逃亡シーンが最高に好きでして。つぶやきでも書いたけど「小柄な兵士」と聞いてジト目でオランプを見やるところとか(さやか嬢だとここできゅるんと背伸びをする)、制服での動きがぎこちなくて両手両足が一緒に出て行く動きとか、そのまま一回転して後方の牢屋の囚人たちとめっさ目が合うところとか(笑)…この瞬間の囚人ズのオイオイ看守うしろうしろ仕事しろー!な動きも楽しくてなあ。
徹平ロナンだと脱出後が好きです。それまでやさぐれだったのにどこか角が取れてて浮つきつつある、そのままオランプとやりとりするうちに売り言葉に買い言葉。ここのロナンの台詞って「なんでそうなるかな」の嵐なのに、小池ロナンの、ここは態度が重要で「言葉」は別にほっといていい感じがいいなあと…いや、ホント一幕後半てロナン言うことむちゃくちゃだから…(^^;)。

■三部会の争点の話
初見ではまず伝わらない情報。
その1)三部会は僧侶・貴族・平民、三つの身分が「別々に」討議をしている。
その2)第一身分、第二身分、第三身分が、人数に関係なく「各【身分】1票ずつ」投票権を持つ。
   (ので「貴族・僧侶も税金」の当事者になる第一・第二身分が絶対に反対する以上、第三身分が勝てるわけがない。)
その3)僧侶・貴族を合わせた人数:平民=561:578
   (なので、「身分単位」じゃなく「人数」で投票するなら戦える。)
…せめて映像で図を出しといたらいいと思うんだけどどうだろう(^^;)。

【もとの仕組み】
{僧侶1票}{貴族1票}{平民1票}
  ■否  ■否  □賛

【平民たちの主張】
{僧侶291票}{貴族270票}{平民578票}
 ■■■■否 ■■■■否 □□□□□□□□□賛

ところでここの「平民の台詞」を歌ってるサカケンさんのロベスピエールモードの声たいそうツボです(笑)。

■おまえが言うな
ロナン「シャルロットだ。案外役に立つ」(シャルロット様とお呼びしろ)
デムーラン「誰も手を出していないのに」(「武器を取れ」ってさんざん歌ったじゃん…)
オランプの「ラマール様!あとのお二人も」も相当だと思う(笑)。

■ベーカリーアタックって言うと村上○樹っぽい
ソレーヌからの呼称はダントンは「ジョルジュ」で呼び捨て、デムーランは「カミーユ君」、ロベスピエールは「様」づけ…この情報のおかげでパン屋襲撃後のシーンのモヤモヤから脱出できた(笑)。たぶん年下である(少なくとも精神的に)カミーユ君に対して強く出るけど攻撃はしない、でもロベスピエール様から説得されたら男たちも本気なのかも、って納得する。この辺の心の動きが鮮やかでいいなあと。
でもホント勿体ないけどな「世界を我が手に」の女性陣の勢いがパン屋襲撃でいったん収まっちゃうの(^^;)。

■妹の感想(全体編)
「おもしろいね良かったね。でもみんなチューしすぎ」「それな」
「客はそんなに恋愛求めてないんだよ」「それな」
「フランス人じゃないんだから」「それな」
「あんなに踊った後じゃ汗だくで相当臭」「言わないであげて」

■妹の感想(贔屓編)
「おもしろいね良かったね。でも王妃のスキャンダルを探って王位を狙うっていうキャラでいいのに途中から女の子を誘惑する流れになるのぜんぜん余計だし何なのあの意味のないマジッ(略)」「(号泣)」

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1789らんだむとーく3

「1789」最近のこまごま。

■ミッシェルズ
名前がジャックとミシェルしか分からないのでこう呼んでいるアンサンブルメンバーズ(イヴもジュリアンも名前はあるわけだが)。ほんっとに仕事が良くてなー。踊りも動きも常にドラマありきというか、ただ曲中で踊り出すんじゃなくて前段に伏線があって、それが全体にすごくいい「うねり」を与えてるというか。
単品の歌でいちばん好きなのはロナンの「肌に刻みこまれたもの」なんですが、イントロで貯めて貯めて盛り上がる「ただひとつ残ったのは…」というところのメロディが大好き。で、ボース地方だとこの「ただひとつ」のタイミングで、後ろの農民の一人(たぶん当銀君)がウォォォーッ!と声を上げて兵隊に襲いかかる。このタイミングと動きがものすごく曲を盛り上げるんだー。

■印刷所こまごま
「革命の兄弟」三人の掛け合いがいい感じで楽しい。デムーランは末っ子なんだな精神的に、とソニンのつぶやきで納得してからさらに楽しい…「誰を好きになってもかまわない」の色っぽくなさに当初「なにがしたいんだ」と傾げていた首が戻った(余計なお世話だ)。
印刷所でもめるところでは激昂したロナンがデムーランにつかみかかる、ここで割ってはいるロベスピエールとロナンを捕まえるダントン、この絵がホント好きです。
余談ですが印刷機を一番軽々と扱うのはラマール閣下で、重たそうに扱うのはトゥルヌマンとロワゼルだと思う(^^;)。

■みつばちとあおむし
三人組のテンポはホント好きですがトゥルヌマン&ロワゼルのシンクロぶりで大好きなのがアルトワにラマールが蹴っ飛ばされるタイミングの
アルトワ「バカ者!これからという時に」
とるろわ「「すいません」」←★
ラマール「すいません」
これです(笑)。

■ネッケルさん
…ベテランなのはわかる(^^;)がなんっか場面でいろいろ勿体なく感じるのはなんでだろう。「弾圧」とかその場面のキーワードをサラッと言っちゃうのがなあ。いちばんあれー?と思うのが国民議会を宣言し…のところ。「三部会」を放棄して新しい「国民議会」を名乗ってきた、これすごい重要な固有名詞、かつキーワードなのに、なんかサラッと「参議院じゃなく衆議院」ぐらいの流れで言い切られちゃう。勿体ねえ…。
でも国王がペイロールに鎮圧を命じるところのくわぁぁぁ!は好きです。あと三部会のストップモーションとかマズリエさんのスローモーションむっちゃくちゃうまい(笑)。

■松澤さん二題
球技場でネッケルが兵たちの発砲を止めに割ってはいるところ、上手側のミラボー伯がお礼を述べるようにネッケルに深く頭を下げてるの好きです。貴族から平民議員に入ったミラボーならではの芸の細かさ。
デュ・ピュジェ中尉も安定感…いやもう安心感抜群。ラスト人権宣言のところでずっとオランプを見てるまなざしも好きだー。

■花總マリー
後半のフランス王妃に目覚めた…はもちろん「これぞ!」て感じの高貴さなのですが、冒頭で全開に飛ばす、妖精のような天真爛漫さ(軽薄さ)も果てしなくツボです。賭博やダンスに耽り、遊び惚けて退屈、飽食、贅沢、驕慢…なんだけれど本人、深く考えてないだけでなんの悪気もない。子供への愛情は深いし、フェルゼンへの恋も全力。この説得力がな!
登場から一貫してアルトワを「敵」認定してんのも好きだ(笑)。目つき、仕草、手つき…ほんっと惜しいもっともっと鍔競り合ってほしい、と「ベス」の時も思ったっけ。「いとこです」とか最高に好き。
終盤では王妃として目覚めて大人らしい気品が全面に出るわけだけど、オランプとの語らいの時だけガールズトークモードになるというか、序盤の天真爛漫さが覗くのもとても好きです。
退場の表情はもうホントにな…。

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