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冬祭り始まった2015-4

ぼちぼち本業に戻るその前に「ダンス・オブ・ヴァンパイア」感想の続きまとめて。

★★★ネタバレです★★★

■初日仕様だった
・初日はサイリウム無料配布ありで、紙吹雪もガンガン落ちてきましたが二度目観劇の時はなかったですね。初日とか楽日とかのみなのかな。
・血を吸ってパワーアップしたシャガール「何これ!何これ!みなぎる!30日までがんばれるって感じ!!!」
・ろうそくもらいに来たクコールが客席であいさつするとこ「おひさしぶり」
・「でも、どの本です!」「まず手始めに」アリストテレスそしてソクラテス…の消え際の教授が「…あたりから始めちゃどうだ」で締めていた。かなり長くかかりそうですね恋愛入門まで。

■改変ぷちぷち
2011年にすでに変わっていたものもあるかも。
・冒頭、教授のカマクラ廃止。雪崩のように幕がバサーバサー行く仕様はいいですね。
・宿屋いろいろチェンジ。風呂場の壁がめっさ低くなったり、動線こまかく変わったり。自分的ヒットはサラを見つけた時のシャガールの慌てっぷりと、カーンカーンカーンで飛び跳ねるサラの動きが全方位アクティブ化がツボです(前はほとんどベッドの上だった)。
・「村のばか者」の動線。しょっぱなの「伯爵様のお城が」から「ちょっと足りないのが一人」までのテンポがスピーディになったのと、シャガールが血を吸われて村人たちが去るところで、何か言おうとして垂れ幕がバサッ!のところ。いずれもスッキリしたなあと。
・一幕ラストは紗幕で出入り口以外がほとんど隠れてる。のでヘルベルト登場が「下手からゆっくり中央まで来て」っていう流れじゃなくなりましたね。寂しい面もあり、あれはアレじゃないとああはならないしなと納得感もあり(すいません自己完結)。
・フィナーレのラストでコウモリモードの父上ばーん登場(^^)以前はベロ出し父上の大きな幕がバサーッと落ちてくる仕様で、作品のオチとしてはあれが優れてたと思うんだけど。これはこれで華々しくていいなと…いやほら、余計なお世話だけど祐一郎さんの出番が「クコールやつらを捕まえろ」で終了してるのは寂しい気がするな、父上も一緒に踊りたいもんだな、という印象がずっとあったもので。

■VS
「欲望と人類の叡智の対決」みたいなところがくっきり見えるようになってて凄いなあと思います。なんで凄いかって初演の頃はそんなこと思っても見なかったもんなあ(私は)。再演を重ねる度にキャッチコピーも進化し、「愛は血を求め血は愛を求める」みたいなピントのずれたやつ(すいません)から、今や伯爵と教授の立ち位置がビシッと分かるようになってきたし。観た人のいろんな感想も楽しめるようになった。まあ初演当初の風当たりに関するグチは後半おきた奇跡への感動とセットだけどな(笑)。
変わっていった要素はいくつもあるけど、禅さんになって教授がキャラというより「役割」としてヒーロー化してきたこととか、個人的には「それより行こう、ショータイムだ!」のニュアンスの変化が大きい。
あとはアルフレートの脱ヒーロー化もあるのかな。…語弊がありますが「成長しないアルフ」が最近のトレンドっていうか、伯爵側&教授側に取ったり取られたりする「マルタの鷹」は実はサラじゃなくアルフじゃねーの?…っていう流れを作ったのは浦井アルフの功績だと思う…成長系・泉見アルフの「教授と助手がヒーロー」っていう王道の流れも面白いので、これはこれで展開して欲しいとこですけども、最近ああいうアルフ見ないよね(我ながら感想のBBA化がいちじるしい)。

■むかしばなし
自分的には「抑えがたい欲望」の後のアルフと教授の会話が、この作品を掴みやすくようになった転機でして。
「伯爵にも感情があったんですね」っていう台詞が当初すっごく苦手でした。とってつけたように響くというか、そんな一言であっさりまとめるの?君に分かる領域じゃないんじゃない?って感じた。もっとB級に開き直って欲しかった当時、半端なフォローで高尚っぽくするの潔くない!って思ったのかな。
ところがこれ、受ける方の教授の台詞がある時点で変わりまして。
「感情?くだらん。そんなことよりショータイムだ!」

「感情?…くだらん。それより、行こう…ショータイムだ!」
これ市村さんと禅さんの違いもあるけれど。この教授の締め方でガラッと「抑えがたい欲望」を受け止める「理性」の立ち位置が見えたんですよね。
「感情」(欲望)ってものを理解してるその上で「くだらん」と斬っていくように見える教授の言い方とか、伯爵という存在の名残を残しながらクライマックスへ移っていく音楽のあり方とか。作品中一番好きな場面のひとつです。

■「抑えがたい」
伯爵は欲望こそが神だと言ってるけど、欲望がもっとも強い力だと宣言してるだけで、それが美しいとか幸福だとかは言ってないんですよね。ただ「委ねろ」「それが真実だ」っていうことを繰り返してる。
最終的には「ひたすら愛する者たち引き裂くむなしい存在」に至るっていうことも承知してて。
それでもアルフやサラを欲望に誘うのは、一周回って単にさびしいからなのか、欲望の具現たる自分に開き直ってるのか、いろんな要素あるんでしょうけど。(たぶんヘルベルトとかはまだまだその域じゃなく、欲望に忠実であることの楽しさや喜びが今のところ勝ってるんじゃないかと思う)
教授は教授で「理性こそ最後に勝つ」ってこっちも「力の強さ」を話題にしてるんであって、感情や欲望を否定してるってわけじゃない(なんだかんだアルフの恋を否定せずに見守ってるし)。
…もうちょっとしばらく滞在なさって、二人で議論しながら楽しく暮らしてもお互いに楽しかったんじゃないか(笑)。
そんなことを考えつつラストでパーッと盛り上がってるフィナーレの父上以下ヴァンパイアたちを見ると、この楽しさは「永遠」の見事な裏返しで、「死にたいくらい退屈」な生の中で、ごくまれにパーッと咲く100年に一度のお祭りなのかも知れんなあ、得がたいなあと…観たまんまか(笑)。

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コメント

片帆様

さすが、考察が、深いです。 お城と、館を交互に味わえる、豪華な今月ですが(笑)。切り替えの悪い私は、「欲望」繋がりで、だから市長は未だに生きているのね~、などと思ったりしながら(苦笑)楽しんだりしています。お城→浪速→お城と、今月は骨抜きにされる覚悟です。

投稿: ジジ☆ | 2015/11/12 00:29

100年に一度のお祭りに、あの市長も誘ってあげて欲しいなあ。正装してまさはる君に乗って行くに違いない。あ、もう、まさはる君はいないのかな?きっと市長もヴァンパイア化して(市長は既にヴァンパイアみたいなもの?)、死ななくたっていいじゃないか楽しいじゃないかと、楽しく生きていけるかもしれないよ(笑)。

投稿: カオル | 2015/11/12 13:36

ジジ☆さん
私のは考察っていうより勝手な解釈ですけども、いろいろ想像を遊ばせる余地があっちにもこっちにもあって楽しいですよね(あっち=有楽町、こっち=渋谷とか札幌とか(笑))。
こうして往復してる間に間に11月も終わっていく…。

カオルさん
どうでしょう、いるかもよまさはる(^^;)軽く1000年ぐらい生きてもおかしくないあの生き物。
「今夜もきっと、すごい霧だ…」(クエェェェッ)(台無し)

投稿: 片帆 | 2015/11/23 21:31

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