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2014年10月の3件の記事

本さまざま3

「レディ・ベス」つながりで今夏読んだ本、さらにいろいろ。

■「スペイン王権史」
フェリペ2世の曽祖父母であるカトリック両王フェルナンド2世とイザベルから、その系譜であるハプスブルク朝→ブルボン朝→スペイン内戦→現代(フアン・カルロス1世と次代のフェリペ王子)まで、一貫して「スペインの王」を描いていく内容。カルロス1世(カール5世)の時代やフェリペ2世の子供、孫の世代の話はもちろん、現代史である内戦やフランコ時代もかなりしっかりと描かれていて面白かったです。フェリペIIまで拾い読みでいいや、と思ったのに面白くて一気に読んでしまった。買おうかなこれ。
スペイン史の知識ぜんぜん浅かったので驚くことばかり。春風ひとみさんの「壁の中の妖精」で描かれていた内戦時代も、なぜそうなっていったかが丁寧に語られてるし。フアン・カルロス1世の変転する運命や、独裁者フランコとの複雑な関係や、なんであんなにスペインの人から愛されてきたかも少し分かる…これはお勧め。
しかし一番印象に残ったのはフェリペ2世の跡継ぎ、フェリペ3世の死に方でして(^^;)。いわく、ちょっと体調崩して寝込んでいたところ、傍に置いてあった火鉢の場所が近すぎて王様、汗かいてる。近くにいた家臣は気がついたけど、火鉢を動かしていいのは、たまたま外出していたナントカ公のみ。権限がないので怖気づいて、誰も火鉢を動かせず…かの公爵が慌てて帰ってきたら王様は汗をびっしょりかいていて、すっかり体を悪くして死んでしまった、という。可哀想でしょう?(^^;) 更にこの話、スペインを嫌いなフランスの大使が本国に「火鉢が近すぎて発熱して死んだ」と脚色して伝えたため、世にも間抜けな死に方をした王様…っていう風評が定着してしまったらしい(この時代の大使ってのはどこもかしこも(^^;))。
権限がないと火鉢の移動もできない、云々はオーストリア宮廷に伝わる伝統だったんだって。ここに限らずハプスブルク家じゃあこの手のことで困った目に遭ってる王族がいるかもですね。

■「メアリー・チューダー」
ユーゴーの戯曲、読んでみました。ユーゴーです、「レ・ミゼラブル」の、あのユーゴーが、30歳ぐらいの頃に書いた作品。メアリーの即位後、フェリペと結婚する少し前の時代を舞台にした、完全なるフィクション。ていうかジェットコースターメロドラマ。
タイトルロールはメアリーだけど、レミみたく群像劇っぽい。
【登場人物】
メアリー・チューダー…イングランド女王。フェリペ2世との結婚を控えているが、イタリア人の恋人ファビアーノとの愛に溺れている。(ほーらフィクション)
ジェーン・タルボット…ロンドンの鍛冶屋のもとで育った娘。実はかつて政争で命を失った貴族タルボット卿の後継者。
ギルバート…ロンドンに住む鍛冶屋。赤ん坊だったジェーンを託されて育て(ユーゴーさんそういうのが好きなのか)、やがて美しく成長した彼女と恋をし婚約する。しかしファビアーノの殺人の罪を着せられそうになり、またジェーンが彼を愛していると聞かされて絶望し、復讐者となる。
ファビアーノ・ファビアーニ…魅力溢れるイタリア人。メアリーを籠絡し、亡きタルボット卿の領地を手に入れたが、正当な後継者ジェーンの存在を知り彼女を誘惑、手に入れようとする。
シモン・ルナール…フェリペがイングランドに来るまでの代理人(史実)。王子がイングランドに来る前にメアリーの愛人ファビアーノを抹殺するべく暗躍、復讐に燃えるギルバートを利用して彼を陥れる(フィクションフィクションフィクション)。

…面白いでしょう(笑)。面白いんだよ。
ルナールの目的は「スペインのフェリペと結婚するイングランド女王」を守ること、メアリーの気持ちとかどうでもいい。ファビアーノを死刑にするためにルナールがロンドンの群集を扇動するシーンがあるんだけど、それを成功させたルナールは「(メアリーが失脚すれば女王になれたはずの)プリンセス・エリザベスには私のしたことは許されますまい」と嘯き、メアリーは「クイーン・メアリーも許しません」と言い放つ…燃えるぜ。あまりの「ベス」キャラとのぶれなさに感動すら。
リンク先は英訳版。サイレントで映画があるらしい。戯曲もたまに上演されてるみたいだけど、日本でもやらないかなあ…「ベス」観てたら面白いけど、ニッチすぎるだろうな(^^;)。
http://www.gutenberg.org/files/39133/39133-h/39133-h.htm

■「エリザベス~女王への道」
いろいろ書きましたけど、まだまだネタ満載。
少女時代のアスカム先生やキャット、パリーの居方、エドワード6世時代の姉弟との関係、ワイアットの乱に代表される反乱とエリザベス達の関わり、スペインとの関係…「ベス」観てから読むとさらに面白い面白い。お勧め。しかし「メアリーとエリザベスの最後の語らいをタペストリーの後ろでフェリペが聞いていた」と報告している「フォックス」ってこれルナールで合ってるんですよね、それとも突然フォックスさんていう別の人が出てきたの、どうなのスターキーさん(原文未チェック。高いんだもん)。
即位後、エリザベスが宗教で中道を行ったやり方も興味深かったです。ヘンリー8世の大転換はアン・ブーリンきっかけだったわけだけど、後を継いだエドワードはまじめなプロテスタント、さらに彼の後ろだても絡んでプロテスタントの全盛時代に。この時期のカトリックは弾圧され、メアリーも「なぜミサに出なかったの」のちょうど逆で、カトリック式のミサにあずかっていることで弟にかなり怒られてたそうな。これがメアリー時代にはご存知の通り反動の嵐、世の中が完全にひっくり返ってカトリックがプロテスタントを弾圧。なのでエリザベスが即位した時には、また逆の弾圧が起きるんじゃないかと戦々恐々だったのだそうで。
それじゃうまく行かないよ、とエリザベスが取った方法は、「プロテスタントだけど、結構、カトリック寄り」であったらしい。具体的には、カトリックのミサの要である「聖体拝領」っていうプロセスは拒否(=プロテスタント式)、でも司祭の服やミトラ、ミサの式次第の主な部分など、カトリック的な装飾はわりかし残したっていう。これ、わかるなあ(笑)。厳密にプロテスタント、特に急進的なカルヴァン派の考え方では攻撃されがちな、ゴテゴテした形式や衣装は、「様式美」としてけっこう市井の人に愛されていた。民心に聡かったエリザベスはそこを敏感に察知して、親しまれているカタチは残す、精神的にはどっちに向かってもいいようにする、っていう。…よくできている。結果、カルヴァン派の人はすごく怒ったし、カトリックの人も「聖体拝領しないって!!」ってやっぱり怒ったけど、真ん中へんの多くの人、ほとんどの一般人は順応していったし、何より「処刑も不安もなくなる」ってことに価値があったのだと。
…10年以上経つとやっぱり、カトリックが弾圧される時代も来てしまったそうだけど。「晴れやかな日」のああいう気持ちを抱いた人たちも多く存在したんだろうなあ。

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AOTとーく10

「進撃の巨人」62話「罪」

★★★ネタバレです★★★

15巻のラストになるんであろうエピソード。
前半、61話の続き、後半、後半は………なんか、ついに、この時が、来てしまった、感じの。
あぁぁぁぁ。

いっこいっこ追っかけよう。

いろいろとズタズタなエルヴィンの反省会モードにいきなり爽やかな風を吹かせたザックレー総統。何この人こんなにカッコ良かったの(笑)。
「人の(仲間の)命」と「人類の存続」を秤にかけて、どっちが正しかったのか、まだ彷徨ってるエルヴィンの葛藤に、「昔っから王政が気にくわなかった」って、あっさり風穴を開ける私情な一言(笑)…そして、降るような名言の数々。「むかつくのだよ」「もうむしろ好きだな」「いっちょかましてやるつもりだったのだ」…流行らせたいわ(笑)。同じ台詞を若いヤツが言ったら最低ですが、重厚老獪ザックレー様はさすが重みが違う。ピクシス司令の高潔な躊躇いを見てきた頭には余計にコレ(笑)。

あらためて、エルヴィンはずっと葛藤の内にあったんだなあと。ハンジに調査兵団を託して「自分の判断で動け」って言った時も、ナイルに選べって言ってたあの時も、迷いないように見えて、エルヴィン本人の次元ではグラグラ揺れまくっていたのかなあ…。
総統のお陰でなんとかトンネルを抜けたみたいでホッと一息。
余談ですが今回エルヴィンの「エレンやリヴァイ…ハンジ」のフレーズでめちゃくちゃときめいた。
そしてクーデター後の順応ぶりに自嘲するナイルさんホント健全。このまま健康な人間代表としてエルヴィンを見てあげてって欲しい…ホント長生きして欲しい、ご家族ともども(T_T)。

合流したリヴァイ班+ハンジさんサイド。
ちゃんと合流ポイントと符丁を決めてあったリヴァイ組とハンジ組。けど「その小男」までが一連の暗号だったのか、ハンジさんがわざと「その男」じゃなく「小男」って言ったのかはぜひ追求したい(笑)。エンゲルヒェンはEngelchen(小天使)でモッペルはMoppel(子犬ちゃん)てマジでしょうか…(辞書を引いた)…マジだった。
「モップちゃん」説もあるんだ(笑)。どうとったらいいんだ、翼があってちっちゃいからですか(リアクションに困る)
とここまで書いてエンゲルじゃなくてエルゲルヒェンだと気がついた。絶賛堂々巡り。
ところで襲撃成功を知ったハンジさんがそこで何故「エルヴィン…」なのかもちょっと気になった。「これで大丈夫」ってニュアンスならわかるけど考えにくいような。

回想で書類解析中のハンジさん美人だなー。後ろで蹲ってるフレーゲル、この後説得されるわけだ…ロイさんたちもトロスト区に逃がしたり、リーブス商会とはすっかり仲良くなったようなので、色々片付いたらみんなで打ち上げでもして欲しい…フラグか、そうか…。
ブレないミカサ(もはやボスオーラ出てきた)、話のヤバイ面に気づいてるアルミン、表情変わらないけどなんか迷子みたいな兵長、全員で向かう礼拝堂に待つものは(答え:とりあえずケニー)

そうして話はようやくエレンとヒストリアサイドへ。

ああ、もう、なあ…。
グリシャ・イエーガーの結末は、なんとなく予想してた人も多いんじゃないかと思うけど。あらためて目にすると凹む(T_T)エレン…。
「おねえちゃん」ことフリーダさんもこれ、死んでるよなあ。レイス家の五人の子供が微妙に全滅かそうじゃないか分からなかったり、サネスがさりげなく避難誘導してたり(キースさんでしたすみません)、まだ隠れた情報がいっぱいありそうですが…
ところでサネスが仕える王ってやっぱ現体制じゃなくてレイス家そのものなのかな。

あああ、どうなる。
ロッド・レイスと話した後、踵を返すケニー…はもちろんリヴァイ班を迎え撃ちに行ってるんだろうし、エレンのどこが「大丈夫」なのか分からんけどヒストリアはパパの言うこと全部信じてるし、マルロとヒッチもリヴァイ班に同行してるのこれフラグになってないか心配だし、何よりエレンーエレンー(T_T)(T_T)

もうなんか全てが心配で仕方がない。いつも通りか、そうか。
また一ヶ月待つんだぁぁ…。

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ベスとーくトーク東京會舘

一週間経っちゃいましたが、東京會舘での禅さん&圭吾さんトークショーの感想なぞ。

このタイミングでトークショーがあってよかったなあと思います。固定ファンばっかりじゃなくて、ベスきっかけで興味を持ってくれた人達もきてくれたみたいだし、ベスオタなら絶対楽しめる内容だったと思うし(笑)。以前にも増してTwitterのパワーユーザーさんが増えて来てるので、速攻、情報や感想が広まってくのは楽しかったですね。TLウォッチで飲むのが楽しすぎて時間がどんどん過ぎる、ホント贅沢しました。

トークショーといえばオープニング。
↑これ圭吾クラスタ的ローカルルールですが禅さんちもそうでしょうか(笑)。ベス直後で時間なかったでしょうに、そこを逆手に取ってCD口パクで寸劇化っていうすばらしいアイデア。
Twitterでめっさ話題になってたあれですが、なんせタイミングが素晴らしかった。
①山内さんの「石川禅さん、吉野圭吾さんの登場です」→暗転
②サテライト(後方の小さいステージ)に浮かび上がる二人(登場にきゃあああ)
③「ベスを消せ」のイントロ会話(あっあの曲をやってくれるんだ、でまたわぁぁぁぁ)
④「友よ説明してくれ…」で司教が椅子を勧める(「椅子がない」のでその辺のテーブルの人を立たせて椅子を奪ってくる禅さんに、あ、こういう雰囲気か…とくすくす笑いが起きはじめる)
⑤座るK吾さん(しゅるしゅる髪+スカーフ)+傍らに立つ禅さん(ローブ着てない&地毛←当たり前)のビジュアル新鮮さがだんだん浸透していく。
⑥「これでは法廷で裁くのは難しい…」(顔が近づいていく振りに、おなじみのルナールのプイッ!を期待する)

→と思ったところで椅子から伸び上がったルナールがKISS!!(笑)(笑)(笑)

…引かずに押した。見事な「奪っちゃったー」、ドングリ目を見開いたはわわわわ猊下の可愛さ、何事もなかったような大使コンティニュー(フェリペ殿下は。も・し・ベス・を・処刑し・た・ら…)、ローズルームに反響しまくったどよめきと爆笑…全てを記憶に焼き付けたい(笑)。
やっぱリハーサルでやらずに本番いきなり行った系だろうか。美しい動きでした。

トークでは山内無双、展開(笑)。禅さんは話が弾みすぎて先に進んでっちゃう、圭吾さんはどう答えようかって逡巡するうちに話が漂っていく(爆)、結果、共通して「最初の質問に答えない」二人を上手に導いて、グイグイと本題に引き戻して下さる山内さんの進行ぶり、流石でした。…けっこう暴言吐いてないか私。いいや可愛かったし。

禅さんとの初共演は砂戦なんだけど、あれ何しろ2003年だしその後ガランチードやってるし覚えてないんじゃないかな(^^;。
やはり盛り上がるレベッカ楽屋ばなし。狭いとこで机に足突っ込んで並んで仮眠とってた話とか…「先輩が寝るなら俺も寝ます」って実に圭吾さんらしい。「どっちかというと幕間に寝ないタイプ」だったと今日知った禅さんであった(笑)。
「レベッカ」じゃフランクもファヴェルも出番の量やタイミングは似通ってると思うので、楽屋で過ごす時間てすごく長かったんじゃないかなと思います。その時間をたっぷり使って「ヴァンパイア」の対決構想を練ったっていう話ありましたね当時。同じく、当時の会報誌だったかトークだったかで言ってた「禅さんはさっくり派、俺はもっちり派だからお菓子の缶とか分け合いやすい」って話も懐かしい(笑)。

抽選会+質問コーナーが駆け足に(文字通り)なったのは禅さんの「圭吾ちゃん俺もう次引いちゃうよ」的なセリフがホイッスル的な何かになったと記憶している。なぜか、一方が舞台を降りる前に他方は戻らねばならん、みたいな空気になって、つきあいのいい同士・二人の疾走がどんどん加速していくという(笑)。そしてこういう時、ホントに魔法のように後方席を引き当てる、K吾さんの例のスキルね…。
質問コーナーで質問者の目の前まで来て答えるっていうあれは素晴らしいと思います。初めて見たけど、誰かが始めたのかなあ。質問者も嬉しいし、同じテーブルの人もわくわくするし。
二人のフットワークの軽さを存分に活かした構成でした。

歌のプレゼント。
「Forget-me-not」はホントに嬉しかった。数ある尾崎の中でも圭吾さんに似合う気がする…というか98年にディナーショーで聴いた時に刷り込まれたんだな、思えば。帰りに当時もいたファンの人に逢ったんだけど(私なんか古参に入らないよ(笑))、なんかさあ、あの頃の何も失ってないよね、とか話しつつ笑いがこみ上げて来た。
「少年時代」by禅さん。…「秋なので」っていう枕詞はフォーゲットミーノットじゃなくてこっちですよね、どう考えても(^^;)。禅さんは語り口調も好きだけど歌いだした時の、流れ出す綺麗な声に胸がしゅわーーーっとなるあの感覚がたまんない(語彙)。

そしてエンディングもこだわるよねそりゃ(笑)。
さよならトークにかぶせて「晴れやかな日」が流れ出した時には、あまりのシミジミ演出に内心大笑いしてたんですが、そのままBGが続いて退場の音楽になっていった時には、笑いを超えて穏やかな感動が湧き起こってきた…両手を広げて客席を縫って歩いていく、シュールにして、荘厳でもある、Wベス(^^;)なんだこれ。当然、曲終わりのちゃんちゃんちゃん…でサテライトに佇んで振り返るよね!ライトの引きにもこだわるよね!
…大千秋楽から一週間足らずでよー仕込まれましたね、また、この人達は。

ごはんも楽しかったし。
ファンサイトで「後夜祭」と言った人がいましたが、まさに。
素敵なエピローグでございました。

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