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2014年3月の6件の記事

アンのゆりかご

「赤毛のアン」シリーズの翻訳で有名な村岡花子さんの評伝。
ちょっと前に読んで書きっぱになってた感想をサルベージ。

無人島に持ってくなら母は断固「モンテクリスト伯」だそうだが私はアン・シリーズ。さらにどうしても1冊に絞れと言われたら「アンの夢の家」。話が美しい風景が美しいドラマが美しいかつ凄い、登場人物の心根が美しい、アン・シリーズを読んで感じる幸福感の精髄が詰まってると思う。もう大好き。

この「好き」は作品自体の魅力ももちろんなんだけれど、日本語訳の美しさが心に刻まれてるってことも大きくて。魅力ありユーモアあり、情景が鮮やか、上品だけど辛辣でもある。作品の下敷きになってる世界観、聖書や詩や風景や環境そのものも伝えてくれる…子供の頃は単にお話を楽しんでたけど、何度も読み返すごとに「これ、ハンパなく上質な日本語の作品なんじゃないか?」と感じるようになりまして。

「アンのゆりかご」を読んでなるほどなあ…と思ったのは、根底に村岡さんには高い教育や教養もさることながら、キリスト教やイギリス文学や、さらにカナダの文化や考え方との深い縁もあったんだなというところ。それだからあんなに、もう数十年前の訳なのに、今も深くて豊かな味わいを保ってるんだなあと…「アン」を訳すことになった経緯、偶然や縁の積み重ねがこう、リアルでもあり、ドラマチックでもあり。

読み物や小説が「需要>>>>>>>>>>>>>供給」だった時代、特に十代の女の子が読んで楽しめる作品なんか絶無に近かった時代に、外国のわくわくするような物語を見つけてきて、美しい日本語に訳して広めていった。こういう人たちのお陰で我々オタクが精神的にすごく贅沢に暮らせてる、今のエンタメ日本があるんだよなあ。

一人の女性の物語としても、「翻訳」や「文学」や「仕事」に切り込んだ伝記としても面白かったです。学生時代の記述なんかワクワクしちゃって。時代は違うけど母の行ってた学校にそっくりだな、私より母の方が楽しめるかも…と思って貸したら意外と不評で、いわく「いまさら思い出したくない」そうな(笑)。大雑把で自由な公立共学出身者には、やっぱなんとなく昔のミッション系の上品で厳しくて迷いのない行き方への憧れがあるんだけど、出た人には出た人の言い分があるってことだ。

来週からのドラマがどんな雰囲気になるか、楽しみです。

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レディ4

「レディ・ベス」開幕前スペシャルイベントを観てきました。

帝劇前からお堀側→東京會舘の前を回ってどこまで行ったかな、という長蛇の列でしたが、サクサクはけて7分押しぐらいで始まったのはさすが。でも最後尾に係員さんがいなかったから列の伸びようは並んでる人の機転にかかってたぞ(「横断歩道出ちゃうね」「折り返す?」「曲がったほうがいいんじゃない?」←超GJ(^^;))。

■歌さまざま
劇中から四曲。
平野綾ちゃんでベスのソロ…歌声はよかったです。ナンバー自体は…ドラマで聞くまで感想は保留(^^;)お芝居のどの段階で歌われるのかで分かれるな。
花總ベス&加藤ロビンでデュエット…のっけの「歌えるの」「めちゃウマさ」で思考停止してその後の展開が記憶にない(笑)。
Wメアリー&女性アンサンブルで「悪魔と踊らないで」…これはすごくカッコ良かったです。もっとおどろおどろしいキャラを想像してたんですがそっち方面にはっちゃけてくれるなら楽しみだ。
育三郎ロビンのソロ…ベスソロに同じ。歌声はホント美しかった。

■トークさまざま
・最近やみくもなトークばっか見てきたので(黙れ)構成だけで拍手したくなりました。「まんべんなく、かつ段取りっぽくなく質問がいきわたるようにして聞く内容はキャラ重視、キラーパス打つならこことここ」みたいな(笑)。司会の九路さん素晴らしい。
・そんなわけで振られた禅さんキュルキュルしてた。
・吉沢さんの「オケピに飛び降りるぐらいの勢いで」ツィートといい今日の未来さんの「二人のある場面が面白くて!稽古場で見ててみんな爆笑で!ねえ!」(女性陣うんうん)といい、Wメアリーにめっさ推されている司教&大使の場面ホントどんなだ(笑)あー楽しみ。
・ぱじゃま王子の「(フェリペは)カッコいいんです!」主張に「あぁ?」リアクションかけている大使。
・「みなさんどうぞ自由にツッコミ入れてください(意訳)」を受けてW王子にマイクを押し付けようとする大使(帰ってきた)。
・ぱじゃま王子に無理やり(平方君越えて)マイクを押し付ける大使(帰ってきた)。
・(百歩譲って古川くんのあれがパジャマじゃないとして似合いすぎる赤い靴はなんだ、衣装か、そうか衣装だね(納得))。
・二人のロビンについて問われて「ぜんぜん、ちがいますね」「ちがいますねぇぇ…」とたっかい声で語り合うベスふたりのガールズトークにいろいろ砕けた(笑)。
・祐一郎さんのコメントでロジャー・アスカムがめっさイメージできたんだけど実際あってるか楽しみだ(今のイメージ:太陽)。
・「きつねです」「なまです」「いえ死んでます」帝劇を固有結界に包む大使。
・ダメ出しの内容と稽古着選択のタイミングを平方君から学ぶという王子の結界も凄い。
・でも↑こういう回答は風呂場で考えてこないとダメなんですいきなり振られると何も出ないんです(マイク高速リターン)。
・「こんな世の中でこいつ(きつね)にだけは心を許せる」とめっさ左肩とコミュニケーションとってた大使。宣伝写真と変わってなければきつねの居場所は右肩です。
・禅さんに「ねえ圭吾ちゃん!」振られて知らんぷり決め込もうとしたのに両側から同時にマイクを向けられた(奇跡のようにたまたま石丸さんと平方君がマイク持ってたんだよね(笑))
・抽選コーナーではちゃんとボケたのに「ここで絶対ボケるに違いない」と思っていた一部客席と上手側の禅さん(とおそらく和音さん)しか反応していなかった件。

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ちぬの誓い

TSミュージカル「ちぬの誓い」観てきました。

★★★ネタバレです★★★

直球っぽい雰囲気、ちょっと嬉しいメンバーが大勢、しかも男性ばっかり…ということで、TS流キャラクター入り乱れる群像劇になるのかな?と思ってたんですが、当たったような外れたような。
「客家」同様テーマ先行、言いたいことはよくわかる(「普請」て言葉にはちょっと説明が必要だなあと思ったけど)。んだけど大勢のキャラクターが雑多に織りなすエピソードがそれぞれ、あんまり絡まないせいか、テーマはシンプルなはずなのに全体にとりとめもないというか…隣の人が序盤でうつらうつらし始めて最後まで目を覚まさなかった(^^;)。むう、もったいない。

それでも役者さんそれぞれのいいところが役にはまってれば群像劇成立するんですが、おおむね「いや、ちょっと使い方が贅沢じゃね?(←材料の一部だけ使って残りを捨てるという意味での『贅沢』)」と思うことが多く。「客家」みたいにメインのストーリーで「なんっじゃそらー!」て思うことはなかったんだけど、「バランス度外視で全員に見せ場」っていういつもの弱点は見事に炸裂していたな。ここで締まるだろうと思った後に「あ、続くんだ…」と思ったり、肝心なところでみんなが平等に喋るから台詞が聞き取れなかったり。破綻はしてないんだけど雑然としてる感じ。勇壮なナンバーは良かったけど…。

…フワフワした感想しか出てこないので総括やめてキャラ語りする。

東山君。(不動丸)
「すげえ、この不憫さ、天祥みてえ」と思って観てたら後から後から天祥シチュに…似合いすぎる和装と似合わなすぎる中間管理職ポジ。重厚でまっすぐなキャラクターが不動丸っていう役柄としてとても良かった。けど、固定イメージ持ち過ぎかも知れないけど「ヨシ君 in TS」っていうものに期待があったっていうか。やっぱもっとペラペラちゃらちゃら、一見軽そうでハートは男だぜ、とかそういう役どころが観たかったなー(雪獅子がいかにどストライクだったかって話だ)。
なのでフィナーレの開放感がすさまじかったです(笑)。みんなより頭ひとつ早いフリとかはちきれそうな表情とか躍動感あふれるキラキラぶりを観てマジ癒された。

相葉君。(松王丸)
おぉー相葉君だ、相変わらず色白いな頭小さいなー、役に合ってるなー……おいおい海に出ちゃ危ないよ君は浜辺で待ってなさいっ!←某場面。
淡路島では有名らしい松王丸の物語、知ってたら「あ、ここへ繋ぐんだー」となったと思ったかもだけど、知らなかったんでラストでえぇぇっと思ってしまいました…そういう物語なら他の人たちとの絆とか、彼の選択に至る一歩一歩をメインのストーリーにして欲しかったな。

今さん。(陰陽師)
陰陽師が可愛すぎて気が狂いそうでした。可愛いってか愛おしい。五芒星はいいとして九字きりなのか?あの一秒として落ち着かない指先ちまちまちまちまちまちまが逆にツボ。工事超せかすのに現場に遊びに来てめっさ普請の邪魔してるあたりとか…フィナーレでタカラブネ(仮称)に乗ってカラフルな祓い串(正式名称知らない)振りまくる様は「シュール」の一言じゃ語りきれない。
戸井さんもそうなんだけどこう、ゆるぎない実力でむしろ「浮くのが仕事」ってぐらい浮きまくっている大人チームほんっとたまんねえ(褒めてます、心の底から)。

上原君。
なんか、平野さんとか福永さんとかTSの重厚カッコいい中堅どころの仕事を一人で請け負ってたな(^^;)。ホントいい声だー。

戸井さん。
やっぱ流石うまーい。老けてないのに「大人」がにじみ出る、安心する。
本編のフワフワがまんまフィナーレのちゃらちゃらに移行できている今さんとは一線を画す、宝船の上でのハジケきれなさ加減もツボでした(たぶん別に宝船じゃない)。

藤岡君。
いい声だった。そしていい声だった。

らち君。(達若)
ホント何なんだろう、どこに居ても目立つっていうか、そっちを見てしまう良知マジック。竹ペンで描かれたキャラの真ん中にサインペンみたいな。観てて嬉しくなるんだよな。序盤くじけそうになったけど達若と鉄の牢屋のシーンから「おぉ?」と引き込まれました。

渡辺君。(錠前崩しの鉄→常世丸)
「志士ヤマガタがグレた」とか思っててすみません(その後「いやヤマガタはもともとグレている」と思いましたごめん)。キャラ立ってて良かった。でも、なんで彼だけそんなに設定が細かいんだ。あと荷物が崩れるところ絵的に、ホント、なんとか、なりませんか、すごくいい場面、なのに、もったい、ない…(気絶)。

汰斗君。
ほやほやキャラで癒されたー。たぶんすっごいいい動きしてたんだろうけど捕捉しきれず。リピートしたらわくわく追っかけただろうなあ。

千田君。
「こりゃあれだ後半、白い鹿だ」と思ってすいません。(合ってた)

芸劇がキレイになっててびっくりしました。噴水も五階行き長エスカレーターもなくなっててエントランスがガラス張りになってて客席もなんか世田パブみたいに(笑)…リニューアルって一昨年の夏なんですってね全然知らなかった。プレイハウスってどこだ、プレイハウスって(答え:中ホール)。そしてこんなに変わったのに一階前方席のフラットぶりだけは相変わらずだ(苦笑)芝居によってはホント何も見えないんだよね、あそこ…。

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レディ3

「レディ・ベス」の時代は16世紀。エリザベスの即位が1558年だそうで、それより少し前が中心になるんでしょうね。
レミもエリザも19世紀の話で、三銃士はかなり昔だけどそれでも17世紀だし、ベスはさらに前かー…というのを整理したくなって、思いつく作品の年代をざっと書き出してみました。

Mini

ジキハイみたく原作とミュージカルで年代が違うものもありますが、だいたいこんな感じ。やっぱり相当昔だなあ!
ゴシック炸裂の「ヴァンパイア」のほうがなんだかんだ一番現代に近いってとこが笑える…Vの正確な年代はわかりませんが、元ネタ映画が1967年なのでその辺かなと…多少、ずれるにしても20世紀なのは間違いない(ノーベル賞は1901年からなんだって)。伯爵はこの表の端から端まで生きてそうですが(笑)。

「ベス」は多分今までのクンツェ&リーヴァイ作品とは時代が違う、思想が違う、背景が違う…はずなので、そういう土台も丁寧に描かれたらいいなあと思います。市民革命とか政教分離とか出てくるずっと前の時代、王様の基盤もグラグラしてる、「教会」が恐ろしく強かった時代。キリスト教圏には常識でも、日本じゃ違うから、そこが心配でもあり楽しみでもあり。幕が開いたらまたいろいろ、知りたいネタが増えてくことと思います。

余談ですがこの辺の時代を舞台にした創作物で、シェイクスピアを除いて唯一、馴染み深いのが河惣真澄の「サラディナーサ」だったりする。1580年前後の話だからベスより若干後の時代ですが、エリザベス女王はともかくフェリペII世というとあのイメージしか出てこない(笑)。あれこそミュージカル化すりゃいいのになあ。昔、大浦みずきさんが何かの企画でレオンのコスプレしたって話にはわくわくしたっけ。

さらに余談ですがケイト・ブランシェットの「エリザベス」に出てくるスペイン大使アルヴァロ・デ・クアドラをイメージして想像を膨らませていた私の中の「シモン・ルナール」像が、先日のステージスクエアでの贔屓の「スペイン人っぽく明るく」発言で音を立てて崩れ去ったんですけどどうしてくれる(笑)。ああぜんぜん予測できない。楽しみだぁぁ。

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AOTとーく5

進撃55話。

★★★ネタバレです★★★

楽しそうなんて言ってごめん(T_T)。

わりと前回のヒキにビビッていた自分、1%ぐらい完全にリヴァイとハンジの「脅し」どまりを期待してて、せめて爪一枚で済むとかそういう展開を予想してて、あるいは話が飛んでサネスが吐いたっていう結果だけ描かれるんじゃないかとか……甘かった甘かった大甘だよこれ「進撃の巨人」だよ?兵長やハンジさんの覚悟を甘く見積もりすぎたよ(T_T)。「サネスに結構根性あった」っていう展開だったらすごい怖いなあキツイなあ、と思ってたらまさにそこを突いてきました、ブレない美しい残酷な世界。

なお拷問が表現されることにビビッていたわけではなく、そこを踏み越えてしまったらもう「戻れない」だろうなあこの人たち、というところに怯えてたっていうか。ハンジが人間に対して、おそらく初めて完全に自覚して手を汚す、リヴァイに任せる選択もしなかった、ってところが腹にズンと来て震えが止まらない。巨人の解剖とかとは違う次元なのに、同じことみたいなフリをして相手も、もしかしたら自分も騙して、あくまで当たり前みたいにこなす人たち。もう、この人たちは帰れないんだなあ、っていう確信(T_T)。8巻のハンジの、今思えば純粋で黒いものがなかった怒りや、ニックが殺された時の凄烈な決意の表情、その先にはドロッドロの汚い仕事が待っているけどまだその「手前」にいた日々は終わったんだなと。覚悟してるつもりだったけどもうボコボコな気分だ今回(T_T)そしてハンジさんが前にも増して大好きだ(T_T)(T_T)。

表情も自由さもリラックスぶりも全く変わりないいつもの変人ハンジさん、その「尋常」さがとんでもなく異様で、そして苦しい。変人、奇行種、マッドサイエンティスト、そして「怒ると一番怖いのはハンジ」、確かにそうなんだろうけど、51話でコニーの母ちゃんの肖像画を、逆さのままじゃなく上下を戻して返す仕草とか、ニックが殺されたときの凹みっぷりとか、実際には人並以上に相手の痛みが分かる人だと思うので。今回のサブタイがまた「痛み」だもんなあ(T_T)(T_T)(T_T)。
リヴァイはリヴァイでたぶん汚れ仕事の経験ありありで、安定の無表情と潔癖症装備、なんだけど、このいつものリヴァイの「無表情」とハンジさんの「いつも通りっぽさ」のシンクロぶりが今回、すげえなあと…サネスの毒吐きに向ける表情の下の感情を、二人とも全く見せないところとか(あの「ありがとう」の顔は夢に出るわ)、ラスト手前、サネスのところに戻ってくる二人のカットがもう凄くて。

「進撃」は綺麗な話じゃない、共感を得ようとしたりメッセージを発したりましてや啓蒙する類いの話でもない、これはホントの意味で寓意を持たない物語、下手すると「歴史」なんだけど、それだけにどこに行ってしまうのか、怖いわ惹かれるわ、たまんねえなあもう(T_T)。エルヴィンの父親もクリスタの母親も第一憲兵に殺されてて、さらに「空を飛ぼうとしたバカな夫婦」が誰かの身内だったらしんどいなあ…(と思って軽くググったらドンピシャっぽい(T_T)思えば104期残留組で彼だけだったもんなあ、両親の描写がないのは(T_T)(T_T))銃のおじさんもどこかに繋がるんだろうな…サネスにも妻子がいたりするのかも(果てしなく落ち込む)。
そしてここ数ヶ月すっかり人間サイドでドロドロしてるけど、壁外は壁外で時間の経過が何をもたらしてるか何も分かんないのがまた果てしなく怖い(T_T)ユミルはどうなった、ユミルは…。

ふぅぅ。
凹みすぎたので和み要素を並べて終わる。
・アルミンの下衆顔にはまだ先があった(戦慄)←和みか?(^^;)
・「いやアルミンが陰湿で姑息なこと考えるのが得意なのは昔からだ」そこまで言うかエレン(笑)。
・「私はそんな子に育てた覚えはない」姐さんは母さんだった。
・アルミンの「僕らはもう良い人じゃないよ」が切ない(T_T)次にアニに逢えるのはいつかな…。
・ハンジ班のおかっぱちゃん日に日に可愛くなるな。
・51話のエルヴィンの笑いの意味が裏返った。あそこでいろんな仮説が繋がったってことなのかな。凄いなあ…。
・巨人中。本編読んで、もんもんと考えながらちょっと仕事して、時間を置いてから読んだらなんかもう、ほとんど物理的な勢いで癒された(T_T)なんて幸せなんだろうねこっちの世界は。

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ホビットみてきた。2014

「ホビット~竜に奪われた王国~」を観てきました。

三部作の二作目。実質「後編の前半」。

★★★ネタバレです★★★

後編の前半。(2回言いました)

や分かってた、っていうか、もちろんそうなるはずだったんだけど、見事すぎる「伏線・全部・持ち越すね!」っぷりに頭上で手を叩きたくなりました(笑)。最後の台詞がビルボの"WHAT HAVE WE DONE?"ってそれスタッフの自問じゃねえのかと客席のポカーンぶりを見て思ったり。いやあ………待ったわ、エンディング後、どうにかして予告編やってくれないかって……。

というわけで締めくくり感は皆無なんだけど(レミで言えば二幕セカンドアタックで話ぶち切られたようなもんだ)、映画単体としてはすっごく楽しめる作りで面白かったです。一作目みたいな「歴史」っぽい壮大さとかキャラクターの成長みたいな要素はあんまりないけど、エンタメの勢いというか、話がポンポンポンポン転がってく(文字通り)ところが楽しくて。つぶやきでも叫んだけど樽での川下りシーンだけでマジ満たされたー。

以下、印象に残ったヒトとかコトとかランダムに。

■冒険冒険また冒険
ビヨルンさん家の手前からスタート。古森で迷って蜘蛛に捕まってエルフに捕まって樽で脱出してオークに襲われてエスガロスに潜入して…たぁのしぃぃー(笑)。ビルボがすっかり頼れる存在になっちゃって、何かとドワーフたちにマスタバギンズ!と肩叩かれる雰囲気なのも嬉しかったです。
特にワクワクしまくったのがエルフ城脱出。原作だとドワーフ全員、樽に詰められてふた閉められた状態でどんぶらこ、川下に着いた頃には半死半生、っていう展開で気の毒すぎたのですけど。「あ、顔出せるんだ、これなら耐えられるむしろ楽しい…いや、酔うかこれ…酔うわ…どころかオーク襲ってきたわ、わー…うぇぇ?おぉぉ?あぁぁぁ?!!!」
…い や も う 楽 し いッ(笑) 流れる樽、水門、滝、武器リレー、斧で順番に丸太ガンガン、乱入エルフ絶好調、転がる凶器ボンブール(最後にすぽーん)、レゴラスのドワーフ渡り…けっこう音の大きい場面なのに客席の笑い声響いてたもんなあ。

■いい人すぎて
颯爽と登場したカッコいい弓手に「バルドかな?…もしかしてバルドかな?…おおバルドだー!!!」とか感動。案の定いい人すぎて涙がちょちょぎれた。原作では出番ちょこっとでしたけど、話にガンガン食い込んでくる役割になってて嬉しいです。三部楽しみだ三部。
ビヨルンもマジいい人だった…勝手に家に入って家主を締め出してぐうぐう寝てる連中、そもそも嫌いなドワーフたちによくゴハン出してくれたなーと(^^;)。

■ぶれないリーダー
そんないい人たちに一貫して無礼だな本ッ当にトーリンは(笑)(笑)。ビヨルンにもバルドにも常に感じ悪いところが実に彼らしくて好きですけども。
冒頭、ブリー村でのガンダルフとトーリンの邂逅が描かれたのも嬉しかったです。ちょっとその位置にはどっかの野伏の王様に座って欲しいんだけどな、という椅子にならず者しかいませんでしたが(苦笑)。
むっつりしながらもビルボにはすっかり信頼を置くようになってるトーリン、三部の展開にドキドキします…今回、終盤でアーケン石を巡って不穏な雰囲気になるところのフラグ感ハンパない(T_T)あの時点でビルボは石、持ってるよなあ。

■つかめない父
「闇の森のエルフは上(かみ)のエルフに比べて、ちょっと乱暴で融通きかなくて、ぶっちゃけ頭悪い」ってがっつり原作準拠な設定ですが、あらためて映像化されるといろいろミもフタもないな、とスランデュイルを見ながら思った(^^;)タウリエルへの嫌味の言い方とか、オークへの尋問の流れとか、喋り口調が米語っぽいあたりとかも絡んで、こう全体的に………俗っぽいなと(笑)。これはこれで楽しいけど「違うエルフは違う!」と思わないでもないので第三部で浮上して欲しい(息子は息子でネタ満載なので別項)。あ、でもトーリンとの会話での「竜怖い」流れはちょっと面白かった。
あくまでビジュアルに限って言うとトランシルバニアのほうの某父上に似てなくもない(大きさと髪型が)

■もっとつかめない息子
垂直疾走、ドワーフ渡り、早射ち高飛び回転斬り、敵まで距離50センチでも弓で射る(笑)、や、もう、レゴラスは動かしてナンボですね!!!ギミック的なインパクトはスマウグを遥かに越えてたなと(私は)…ホンット見とれた。
そしてキャラの方は一向につかめない(笑)(笑)(笑)あれだな、レゴラスは「スランデュイルの息子」っていうホビット独自のオリキャラだと思えば大層しっくり来るんだな…よくいる、こう、イヤな領主とかの跡取りでヒロインの婚約者で当初やなやつだけどラストでちょっとだけいいとこ見せる後味のいいバカ息子(好きですよレゴラス)。次作でどう転ぶかなー。
最後のボルグとのどつきあいもなんなんでしょう…あれ「僕に血を流させたな」っていうレベル感の伏線なの?^_^;

■ラブストーリーは突然に
なんかオリジナル恋愛展開あると聞いてかなり警戒してたんですが(警戒は言いすぎ、生温かいぐらい(^^;))キーリとタウリエルのお互いに惹かれていく雰囲気よかったです。
ドワーフとエルフの心の繋がりっていうのはギムリのガラドリエル様への想いが究極だと思うけど、突然現れたタウリエルに目を見開くキーリの表情とか、石のやりとりでタウリエルが語る言葉の一つ一つとか、お互いの心の動きが見えてとても素敵だったなーと。
一方でレゴラスとタウリエルのほうは自分的には何もかも謎で終わりました(笑)本当に恋愛要素はな、ピータージャクソンさんな、なんでだろうな。

■ぷちぷち
・今回3Dで観ましたが面白かったです。樽とか剣とかオークの首とかいろいろ避けた…でもいちばん体全体で引いたのはビヨルンの大蜜蜂(あるある)。
・ビヨルンの変身でおおぉ。
・原作ではドワーフ嫌いのビヨルンをどうだまくらかして宿を得るかが面白かったのでちょっと残念。ハチミツの朝ごはんも再現してほしかったー。
・ラダガスト再登場に手を振った。うさぎ橇今回は一瞬だけかー。
・グローインの奥さんと息子のミニアチュールにも手を振った。誰か一回ぐらい"Nobody tosses a dwarf"って言って欲しい。
・なんでドワーフがアセラスの効能知ってるんだろう。
・のたうちすぎじゃないか、スマウグいくらなんでも。

「ロード・オブ・ザ・リング」の場合、膨大な原作のどこをかいつまんでストーリーを構成していくか、っていう世界で、組み込まれるオリジナルエピソードがたまに浮いちゃうことがありましたけども、「ホビット」の場合は原作を膨らましていくわけなのでオリジナル要素に開き直れるというか、融合しやすい感じがします。原作準拠の「大筋」がこうも楽しく味付けされてる今回を経てみると、第三部がどう展開していくかすごく楽しみ。かつ、不安…もうすっかり情が移ってるから某キャラとか某キャラとかの行く末を想像すると切ない(T_T)何とか生き残って欲しいけどなー。

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