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2012年7月の9件の記事

韓国モーツァルト(ナンバー編)

韓国「モーツァルト!」印象に残ったナンバーについて、構成の話もまじえていくつか。
レポはとりあえずこれで一区切りですが長くなっちった(^^;)おひまな時にどうぞ。

■ウィーンへの道
猊下とアルコがザルツブルクからウィーンへ向かうところ。ここが実に面白く仕上がってて(笑)。
馬車がトランクの組み合わせでできてるのは同じ。けど、これって転換の都合というか、荷物をガー持って入ってきて組み合わせると馬車、ウィーンについたらそれをばらかして退場、という流れに向けたものだったと思うんです。ところが韓国版はその馬車が上手袖からじわーっと動いて出てくる。乗ってる人たちは例の「馬車揺れてます」アクション…これだけでもすばらしくおかしい(笑)。
しかも猊下のトイレネタが明らかに見せ場のひとつになってて…いや日本もある意味そうですけど韓国で強烈だった要素が3つ。

・馬車からトイレがすごい遠い(動いてく馬車が止まる位置が明らかに下手で、トイレがはっきり上手という長い長い道のり)
・ついたてがすげえ小さい(一貫して猊下のお顔が見える。もだえる様子もかなり楽に見えちゃう…まあ二階のせいもあるかも)
・従者たちが猊下の激しいお困りぶりに超笑う。(アルコは咳払いしながらくすくす笑いを含んでしゃべってるし、従者たちは背中を向けて一所懸命笑いをこらえるように震えてる…。)

いやこれ、日本でもやるといいと思った(ついたて以外(笑))。明らかに韓国のお客さんここ「笑う場面」とは思わずに面食らった感じの方が多かったんですが、くすくす笑いが徐々に広がってくのも楽しかったです。
前に書きましたが猊下がイケメンでしかも若くてなあ…なぜか馬車の椅子に立ち上がっちゃって「私の手の中にいるのだ~気が変わるまで~」のところ歌いあげながらカッコよく拳を振りあげて…そこから「うっ!」てなるっていう(笑)なかなか強烈でした。
そして猊下のソロが終わり、馬車に乗り込み…乗り込み?
曲が完全に終わってから、沈黙の中じわじわ動いて下手にはけていく馬車にはもう耐え切れなくてのけぞって笑ってしまった(笑)。

■仮面舞踏会
二幕の序盤でヴォルフとコンスタンツェが結婚して(舞台写真でもあったけど舞台中央に大きなベッド、そこに膝立ちするヴォルフとコンスタンツェ、という絵が可愛い)眠った直後の曲が仮面舞踏会→「誰が誰」。これがとても面白い。
舞台を広く使って、そこに仮面の面々が一列になったり二列になったり、縦だったり横だったりばらけたり、いろんな形を取る中を、戸惑ったようなヴォルフがさまよい歩く構成で。群衆はみんな仮面をかぶっているんだけど、その中でヴォルフにゆかりのある人がパッパッと現れては消えていく。
・5、6人のグループの中心から現れて消えるコロレド。
・舞台奥でふいに素顔を表して、すぐにいなくなるナンネール。
・袖の方に現れるコンスタンツェは、一瞬笑ってすぐ逃げる。
…やがて「私が与え…」のフレーズでレオポルトが登場する。去っていくパパを追おうとするヴォルフを止める男爵夫人…という流れは同じなんですが、パパの去りっぷりが違ってて。箱を持って現れたアマデが幻想のレオポルトに近づいていき、パパはそのアマデを見下ろして、笑って頭を撫でて二人で去っていくという…。なるほどぉ。

■友だち甲斐
「なんっじゃそりゃ」と笑ってしまったのがこの曲。ナンネールへ送ろうとしたお金を結局…っていう展開自体は同じだと思うんだけど、ここはなんか友人たちっぽい男性アンサンブルが入ってきて踊って、それからシカネーダーが加わるっていう構成が…台詞なしで歌ってるだけ、てなっただけでなんでこんなにシュールな仕上がりに(笑)なんか編曲がそもそもうさんくさい感じだったせいもあって怪しさ炸裂の謎場面でした。

■影を逃れて
アマデが純粋に「子供」っぽい、という話は前に書きましたが、それが一番強くでるのはやっぱり羽根ペンを刺すところ。一幕ラストでは「影を逃れて」が盛り上がっていく中、抵抗するヴォルフの腕をまくって羽根ペンを突き刺す…という流れ、日本みたいに、自分の行動の意味をある程度分かってるのではなくて、もう思いっきりよく行っちゃう感じ。真後ろに垂れた幕にビシャッ!と血しぶきが飛ぶ照明効果も凄かったです。たぶんヴォルフの腕のほうは血糊とか使ってないんだけど、これはこれでドキっとするしわかりやすい。
そしてラストの「僕の血はもうない…」のところもヴォルフでなくアマデが刺す。ぐったりしたヴォルフの腕を取り上げて羽根ペンを刺すけど血が出ない…という表現では、血が「ちょっとしか」出ない風の照明があって、アマデは「ダメだねえ」みたいにやれやれと首を振る。これも実に怖い(^^;)。
そうして最期はやっぱり心中ではない。アマデがヴォルフの心臓に向かって羽根ペンを降りあげる…。ハンガリー版でもやっぱりアマデが(音叉を)刺すんだけど、直前にヴォルフの頬にキスするところが違ったかな。

■二幕の構成について
ヴォルフとコンスタンツェの結婚後、すぐに「謎解きゲーム」なところが違いますが、その後はしばらく日本と同じ構成。「プリンスは出ていった」→「友だち甲斐」→「ダンスはやめられない」→「神よなぜ許される」と続きます。
猊下のフィニッシュ後のナンネールとベルヒトルトの語らいはなくて、場面はすぐにブルク劇場へ。ここからがずいぶん違う。
レオポルトとヴォルフの言い争いの後、日本だと「わかったよ!」っていったんヴォルフは走り出てっちゃいますが、こちらではヴォルフがとことんパパに追いすがります。
怒ったままのパパにすがりついてすすり泣くヴォルフ、袖で見ていたアマデに駆け寄って箱を奪って戻り、そろそろとレオポルトに手渡そうとする。(…!!)
レオポルトは受け取らない、箱が床に落ちる(…!!!)
パパが出ていく。ここで「なぜ愛せないの」

…で、歌いきって泣き崩れるヴォルフに寄ってくるアマデ。気づいて膝立ちのまま抱きついてくるヴォルフを両手で抱きしめて、背中をポンポンてしてやるアマデ。おぉ、優しい…と思ってたらそこでヴォルフをどーん突き倒す。

「哀ーれなー男!」(あの音楽)

ヴォルフにまたがって首を絞めるアマデ。で狂乱するヴォルフの「急げー急げー」に繋がって、コンスタンツェ飛び込んでくる…という。
ここの男爵夫人の出方も良かったなあ。舞台中央奥の高くなってるところから「大人になるということは…」美しかったー。
しかしそこへウェーバー一家が襲来して借金ソング(笑)、ナンネールが来て「パパが亡くなったわ」。
「なぜパパを…」の音楽の後ヴォルフを残して全員退場、中央に立ち尽くすヴォルフ。
…そこへ「フランス革命チェイサー」。ウィーンの群衆が少しずつ入ってきて、ヴォルフを巻き込んで盛り上がっていく…。

ウィーン版がこうなのか、韓国でこうなったのか分からないのですが、この構成すごいすっきりしてていいなあ!と目からウロコが落ちました。
なんせヴォルフの狂気の段階の踏み方がクリアー。「誰が誰」で兆しが見え、「友だち甲斐」でこいつ大丈夫か?となって、ブルク劇場でタガが外れて、呆然としたままパパが亡くなり、フランス革命、「魔笛」へ…。日本みたいに行ったり来たりするんでなく、狂気の度合いがずんずん上がって、アマデは支配力を増し、ヴォルフの理性はほとんどなくなってあっち側にスライドしていく…という、これはこれで分かりやすい。その分コンスタンツェとの絆の現れ方は激減してるわけですけども、一貫性はこのほうがあるかもなあと。

■魔笛
アトリエ場面のヴォルフはもういろいろと現世から離れちゃってる感じで、怒鳴り込んでくるコンスタンツェに対してもあんまり感情を向けてない。シカネーダーとのやりとりや「ちょっぴり」リプライズはあるけれども、コンスタンツェのソロも「愛は見せかけね!」のところまでで、ヴォルフがまったく注意をコンスタンツェに向けずに作曲に没頭してるので、そのまま怒って退場しちゃう。どんどん音楽にのめり込むヴォルフとアマデ。
…にかぶせて鳴り響く「魔笛」の序曲。
ふわりとヴォルフの前を横切るパパゲーナ。
それを追うパパゲーノ。
舞台奥の幕が開き、中央に夜の女王が登場してアリアを歌いあげる。顔は非常に高いところにあって、ドレスの裾が下にわーっと広がって、壁の巨大な絵の一部のようになってる。巨大な黒のドレス(ほぼ幕)にちりばめられた星がキラキラと…。
…綺麗だったあ。この辺の絵、特にパパゲーナが横切ってヴォルフが見つめるあたりはほとんど「モーツァルト!」より音楽座の「マドモアゼル・モーツァルト(96年)」にイメージが近い感じで(MMだと見つめるのはサリエリなわけですが)、自分としてはここでノスタルジー炸裂(笑)。まあ韓国版パパゲーノはシカネーダーじゃないんですけれども。
ヴォルフの狂気が増してる分、より幻想との境界線がなくなってる感じの、美しい「魔笛」でございました。

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ざ・らすと・きす2012

「ルドルフ・ザ・ラスト・キス」観てきました。
前楽だったのかな、すごい盛り上がり。ほかの公演だったらショーストップと呼んでいい反応のナンバーがいくつもあって。前楽だからなのかいつもこうなのか、すごいなーと思った。

いやあ…今回評判がいいのにつられて観に行ったのですけど、釣られとくもんだねえ。本当にいい作品でした。
亜門版も観たし面白かったけど、絵的な素晴らしさや情報量の多さに魅せられた反面、どーーーにもルドルフの行動に頷けなかったというか、感情移入できなかったのが記憶に残っており。

今回はとにかくルドルフとマリーの物語を味わえた気がします。ルドルフはもともと期待してたけれど、とにかく今回は和音マリー・ヴェッツェラに惚れる惚れる。賢くて勇敢で正直で、可憐でいながらおっかなくもある。仕草がどこまでも自然で、スケートもうまくて(笑)、ハッとするくらい表情が綺麗。

芳雄くんにしろ和音さんにしろ「いいなあ…」と思うのはホントなんていうか「喜び」について表現するだけじゃなく共感させてくれるところで。一幕ラストでルドルフが「マリー!」と叫ぶところ、そして二幕の「マイヤーリンクに連れてって!」で号泣。

悲しい話なんだろうけど、ぜんぜん悲しくない。嬉しくて仕方がない。

「自由」という言葉がすごく重くて大事で、抽象的じゃないのもいいなー。欧米の作品ならいくらでも出てくる言葉だけど、それだけに軽く受け取ってしまいがちなんだけれど、ルドルフの慟哭が本当にドスンと来た。ごく個人的な、切実な、そりゃエゴイスティックでもあるけれどささやかで、絶対に手に入らない自由。
綺麗で前向きで、勝利は得られなかったけど勇敢な二人の人生、素敵でございました。

話題の雪ダルマ君はじめ(笑)アンサンブルの大活躍ぶりも観られて嬉しかったです。男性陣はわーいハラシンかっけー青山君おもしれー山名君働くわーと思ってへらへら観てたんですが、女性陣が歌声といい所作といいうつくしくてビックリした。

心残りとしては、いまいちターフェが掴めなかった(なんか企ててそうでそうでもなさそうだったりするのとか、怖そうで怖くないとかそういうのがキャラでやってんのか結果的にそうなのか)とか、ラリッシュの関わり方は分かるようで謎が残ったなあとか。お二人とも各ナンバーは大好きですが。あとステファニーも歌すばらしいんだけどもうちょっとルドルフへの思慕が見たいっていうか共感したかったなー。単にプライドや口惜しさで行動してるっていう芝居ならあれで正解なんでしょうが、そうじゃないと思うので。
あと芳雄くん「放蕩」は板についてるけどタバコはあんなにいらないと思う(^^;)特に序盤のパパとの言い争い。

ともあれ美しく細やかで、残酷で、だけど最後まで喜びが溢れてる作品。
思ってもみない意味で、笑顔で終われる物語でした。

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韓国モーツァルト(座長編)

韓国「モーツァルト!」キャスト語り、ファンタグレープの青年について。
「ピンクダークの少年」風に言ってみたかっただけで意味はない。

紫の全身の人。

日本だって基本、紫なのになんで今回「うわあ紫!なんか全体くっきり紫!紫ってかブドウ色!ワインカラー!」と思っちゃったのか未だに謎なんですが。なんでかなあ、紫のビロードの上着が異様に目立ってたからかなあ、ズボンもブーツもダークだから全身紫に見えたからかなあ、メイクが白くて(これは韓国キャスト全員ですが)紫が際立ったからかなあ、二幕まで統一して紫だったからかなあ。

ともあれ印象を言えばグレープでしたエマニュエル・シカネーダー(笑)。
…ちなみに日本では初演の頃「エマニュエル」って表記のほうがピンと来ましたが2005年あたりから「エマヌエル」で統一してます…って本当にどうでもいいですが、なんでちまちま蒸し返すかと言うとあちらの名乗りが「インマニュエ~ルッ!スィカネーダーッ!」って感じだったから(笑)。

演じるキム・ジェマンさんはミュージカルにドラマに多数出演されているベテランの方らしいんですが、とにかく大人気でした。出てきた瞬間ホント空気が変わったし、マジしばらくヴォルフを完全に見失った(笑)。
ステッキはちょっと不思議なつくりで、こっちの「ちょっぴり」の時のステッキより大きくて装飾がどっしりしてる、魔法使いの杖っぽい感じ。「ここはウィーン」でもずっと同じの持ってる。…ちなみに一応補足すると日本の座長は「ちょっぴり」で普通のステッキ(動きはバトンだが(笑))、プラター公園ではハンカチに化けるステッキ、「ここはウィーン」では他のみんなと同じキュー、「友だち甲斐」で最初のステッキ、ついでに「魔笛」アトリエでは魔法の笛…という棒道楽(笑)。
韓国でもやっぱり「ちょっぴり」でヴォルフと並んでステッキ持って踊る振付が入ってて嬉しかったです。
帰ってからいろいろ動画みてみたけど衣装・ステッキいずれも初演から変わってないみたいですね。(お陰さまで初演のカッコいい人もヒゲの人も見た(笑)似合うじゃん)。

第一声が「ブラボー!」なのは考えてみると日本と同じなんですが…考えないと「同じだ」と思い出さないくらい韓国版は「ブラボー」の比重が高かった(笑)。なんせ登場シーンだけで5回は「ブラボー」言ってるし魔笛アトリエまでブラボーブラボー言ってるし「ここはウィーン」だって「ブラボー」から入るし(そりゃ仕様)。…まあ韓国語わかんないから他に口癖があったとしても気がつかなかったって話もある。でもきっと初見の人は「ブラボーの人」って思って帰ってるだろう韓国版。

日本と違ってプラター公園には出てこないし、「友だち甲斐」の手前にお金投げちゃったりする場面もない。パパゲーノも別の人…と、トータルの出番は少なめ。ただ、羨ましかったのが「影から逃れて」でアンサンブル全体を率いて動くところ。一幕、二幕とも、群集が入ってくると先頭にシカネーダーがいて、やがて舞台奥にコロレドやレオポルト、コンスタンツェ、ナンネールといった他のキーパーソンたちが現れる。

全体みわたすと「ちょっぴり」でバーンと盛り上げて、あとは「モーツァルトを取り囲む人々の代表」…という立ち立ち位置だと感じました。そういう意味で、役割的に日本のシカネーダーと微妙に違うかな。
ただ、「決める曲」一曲があって、後の出番はぱらぱら…という状況になってみると、モーツァルトを導く役割を男爵夫人と分担してるような見え方がくっきりして、これは面白いなあと思いました。

「Mozart!Mozart!」でも曲あたまから出てきて、男爵夫人とシカネーダーがペアで動くような流れになってて、これがたいそう羨ましい(笑)。前にも書きましたがここの「彼の音楽に潜む目には見えぬ真実」がコロレドと男爵夫人ふたりのパートになってるのは日本だけで、向こうだと男爵夫人のソロですから、その傍らにシカネーダー、という構図が面白かったです。「ここはウィーン」同様、この二人の役割っておんなじなんだよね…という物語全体の印象を裏付ける形になってるともとれるし。まあ、それには韓国版シカネーダーは出番的に「魔笛」に向かっていくような一貫性がつけづらいんだけど…両方ほしいなあ、両方。

あぁ色々観ちゃうとまた可能性を追いたくなるなあ(苦笑)。

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韓国モーツァルト(ちょっぴり編)

韓国シカネーダーについて語りだしたら長くなりすぎたのでまた二項に分ける(笑)。
とりあえず登場一発目アイン・ビッセルについて(これだけはドイツ語で歌えるよなあみんな)。

「残酷な人生」の後の居酒屋ソングはウィーン版にあった「ザルツブルクの冬」で、やってる内容は同じですけど日本とはメロディが違います。なのですっかり油断していた(この私が(爆))ところへ乗り込んできたシカネーダー一座に思いっきり不意打ち食らった。

だってさあ、居酒屋の客に混ざって喧嘩の様子をうかがってるわけじゃなくて、ヴォルフの喧嘩が始まってからいきなり入って来るんだよ?(笑)イメージとしては

「教会のオルガン弾きなどいかがでしょうか」
「へたくそが。弾けるのか?」
「弾けるとも!」→大喧嘩
…そこへ舞台奥から「ブラーボーッ!」て座長がギャルズ引き連れて人垣割って出てきたら「誰だ!」よりまず「何だーッ!」てなるよ日本のリピーターは(笑)。

ここばっかりは韓国語をわかりたかったなあ。察するにシカネーダーは最初っからヴォルフ口説こうと思って居酒屋に現れたんだと思うんだけど、「ちょっぴり」の前に二人の会話があって「一緒にオペラを作ろう」っていうやりとりがここでなされてる感じ。二幕のアトリエでは、この時のやりとりを再現してヴォルフとシカネーダーが手をパァンとやる、っていう場面もあったりして、伏線にもなってるっぽいのを把握しきれないのが口惜しかったです。

ともあれ「ちょっぴり」。
拍手アオリあるかな?手拍子あるかな?…乗れるかな?と思ってたんですが、あったし、乗れた。ていうか、気がついたら乗ってた(本能)。
ここまで固有名詞以外判別不能だった私もさすがに「パクス」が「拍手」なのはわかったよ(笑)。客の空気を掴んで乗せるのがホントにうまい。直前までエリザベートばりの「ママの死」「残酷な人生」で沈みきってた空気がヒャッハー!って吹き飛ばされて、笑いと拍手と溜め息を残す。いやー誰ぞといい勝負だ(笑)。ワクワクしたなあ。
曲中、貯めるところではヴォルフがステッキ持ってるんだけど、これを手振りで投げさす流れで笑わせたり、最後まで乗せまくる名ナンバーでした。

そしてフィニッシュ後。「俺も!」の後、暗転しないで、みんなで退場していくんですけど、ここで「ちょっぴり」の曲がBGMに入る。あれっ退場音楽ありなんだ羨ましいなあ、と思ってたら、全員袖に引っ込んだところで、手ぶらの座長が戻ってきて。

両ヒジを張って手を胸元に。
…これは。

と思ったら案の定脱いだ
えーと吉野ファンの方限定で説明するとあれです昔よくDTFのカテコでやってたあのポーズ。DTFだと脱ぐ直前で上手に制止されますが韓流シカネーダーさんはあの欧州風きっちり締まった襟を思いっきり開いてそのまま前身ごろ引きちぎる勢いでがっばあ。
この間たかだか「ちょっぴーりーおつむにうったーえてー」ぐらいの短時間ですから、もう最後にライトに照らされたMORO☆HADA(^^;)しか印象に残らないぐらいの早ワザなんですが、客席の爆笑ぶりハンパなかったです。

日本でもやれとは決して心から言いませんが(笑)、なんだろう、なんだろう、なんか根本的に通じるものがあるなあ、と感じた納得のエンターテイナーさんでございました。

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韓国版モーツァルト(アマデ編)

ソウルで観たアマデについて。

ハンガリーやウィーン版のあらすじでも感じて来たことなんですけど、アマデがごくごく自然に「子供」なんですよね。日本のアマデは世界で起きてることの意味を分かった上で、ヴォルフの属する世界全体を操って、自分の意思に向かうよう「仕向ける」感じ。対して外国ではアマデは勝手気ままに、本能で動いているようで、それでいてヴォルフはそれに引っぱられて逃げられない。あえて大雑把にまとめちゃうと日本のアマデは「怖い」が、向こうのアマデは「強い」が前面に出てくる感じ。

アマデ役は韓国も、ヨーロッパもおそらく、日本より小さい子が演じるものなんだと思います。
日本のアマデは出ずっぱりですが、あちらではウェーバー家やプラター公園には出てこないし、「僕はウィーンに残る」でもナンバーの間はいなくて最後の「自由だー!」のところで登場してくるのみ。ポイントポイントで出てくる感じですね。足取りとか時々よろよろと危なっかしいんですが、それでいてヴォルフと箱を奪い合って勝っちゃったり、首絞めたり、っていうアマデの「小さいのに強い」っていう印象に綺麗に繋がっていく。日本でいうと2007年の田澤有里朱ちゃんが近いかなあ…印象「赤ちゃん」なのに絶対勝てない恐ろしさ。

コンスタンツェが部屋に来たときにヴォルフを止めようとする仕草とか、喋らないけど首をふるふるってしたり怒ったりと、総じて表現がダイレクト。日本みたいに「冷たい視線で見つめる」とか「暗い表情で見下ろす」とかそーゆー大人っぽい目の芝居はあんまりしない(笑)…こうして見てみると日本のアマデの動線って一貫して象徴的で比喩的で「察しさせる」流れが多いっていうか、日本らしい演出なのかもしれないなあ。その分アマデの演技力に思いっきりウエイトが置かれてるわけで。

男爵夫人が「それは彼だけのもの」と指すものは韓国でも「箱」。これは日本版の流れも汲んでるのかもですが(ハンガリーは音叉でウィーンは…羽ペンなのかな?)、こっちで違ったのは「箱」の中に羽根ペンがしまえる仕様だったこと。…その手があったか(笑)。
いや、松澤さんがいつぞやのカテコでアマデに「大変だよねえ、いつも三点セット持って…」って言ってたように、日本のアマデは常に「音楽の箱」と「大きなカバーに挟んだ楽譜」と「羽根ペン」を持ってて、移動の際は楽譜、箱、羽根ペンを脇の下に挟んで走ってかないといけない、というのが大変そうだったわけで。対して「羽根ペンを箱にしまって、楽譜を持って移動」ならずいぶん楽………だと思ったら韓国じゃ楽譜のカバーがないので、4,5枚の大きな紙がばさばさばさーっとばらけてこれはこれで大変そうだったという(^^;)。いや全くどこもアマデは大変だ。

なので、「箱」を開いたら音楽が聞こえてくる…という場面もあるものの、「箱を開く」ことにはそれほどの重大性はなく「最後にナンネールが箱を開ける」という場面もありません(その辺はヨーロッパ仕様)。いっぽうで、ブルク劇場でヴォルフがアマデから箱を取って、レオポルトに渡そうとするなんていう場面もあったりして(この場面については後述。いやもうビックリした)、音楽や才能、いろんなものの象徴としての「箱」の役割の重要さは同じですね。

そしてカテコでアイドルになってるのは万国共通(笑)。両手を頭の上で「M」の字にしてヴォルフと二人でじゃれてました…この辺の呼吸ではやっぱり治加来君を思い出した(笑)。

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韓国版モーツァルト(キャスト編)

韓国「モーツァルト!」まずはキャストネタから。

パンフによればこれまでの上演記録は

2010年1月~2月:ソウル
2010年2月~5月:韓国ツアー
2011年5月~7月:ソンナム
2012年7月(今回):ソウル

ということで、2010年のツアーをまとめて考えると今回が3演目なのかな?それだけ練ってきたせいなのか、もともとレベルが高いのか、音楽もお芝居も演出も、すごくしっかりした内容でした。キャストも連投の方が多いみたいで安定感もありつつ、なんせこっちは初見だから新鮮でもあり。たいそう楽しゅうございました(^^)。

■ヴォルフガング
トリプルキャストの一人、パク・ウンテさん。予備知識ほぼゼロですが絶対ヴォルフ相当こなしてるなこの方、と思ったらやっぱずっと出てらっしゃるみたいですね。芳雄くんに感じる「練られたヴォルフ」「熟成されたヴォルフ」「…の上でいろいろやってみちゃうヴォルフ」感に通じるものがある(笑)。
ちらっと書きましたが韓国版の演出って、ヨーロッパ同様「天才のいっちゃった感」全面でありつつ、日本にあるような「家族との絆と、葛藤」も大切にされてる感じで。かつ日本でやってるような周辺キャストの出番や描き方の強化(コンツタンツェとかアマデとかナンネールとか)も少ない分、思いっきりヴォルフガングに集中したつくりになってる気がします。後で書くけど特に二幕はもうどっしりと「ヴォルフ」中心にピシッと筋を通してるので、その分キャストの負担もハンパないと思うんですが、がっつり演じ切る表現力、すばらしかったです…それでもカテコのラストで「僕こそミュージック」を歌い上げる体力(笑)。いやーカッコよかった。

■アマデ
長くなったので別項(いきなりか(^^;))

■ナンネール
冒頭で天才アマデを囲んでみんなで褒め称える場面、曲はウィーン版の"Was fur ein Kind"で、ナンネールは子役。それで見てみると「そりゃそうだ」って気分になりますが(笑)何年観てても由美ちゃんの違和感のなさは凄いね(笑)(笑)。
変わって「赤いコート」からイム・ガンヒさん登場。ヴォルフとの身長差が井上・高橋コンビとちょうど同じくらいでなんか違和感がない(笑)アマデを挟んでヴォルフと三人で踊るんだけどこれが実に可愛かったです。
ナンネールの役割は日本と同じところと違うところがあり。ベルヒトルトとの場面や、最後に箱を開ける場面はなくて、日本のように「ナンネール視点で見ていく物語」という側面は薄い気がします。
一方で「おぉ?!」と思ったのが「星から降る金」の動線。前半、パパを気遣いながらヴォルフに一所懸命働きかけるところは同じなんだけど、中央後方で男爵夫人が高らかに歌い上げていくラスト、上手にヴォルフ、下手にナンネールが立って、二人それぞれが夢を追うように、前方に向かって笑顔を向けて立つ。最後に片手を伸ばして何かを掴むかのような動きもしちゃう…ナンネールが。
これは凄いなあと思いました。「奇跡の子」「奇跡の少女」であった二人、それぞれが「星から降る金」を探しに行くような「希望」の見え方。けれどヴォルフガングは成功を掴み、ナンネールは「プリンスは出て行った、残されたプリンセス」と歌う…これはこれで凄い。や、まあ共通してナンネールは切ないんですが(T_T)。「パパが亡くなったわ」の厳しさ悲しさったらなかった。
それにつけてもここは韓国なんだなあと思ったのは朝市の「あらナンネール」「アンニョンハセヨ!」のインパクトでした…これについてはきっと日本語もお互い様(笑)。

■コンスタンツェ
オ・ジンヨン嬢。可愛いけど芯が強い、暗いものも抱えたコンスタンツェよかったです。「ダンスはやめられない」は凄い迫力。ピアノの上のバラを拾い上げて髪に挿して歌う、昏い表情と美しさ。歌声にパンチがあるし表情に迫力があるし、来年レベッカやるならダンヴァースいけそう(^^)。
ウェーバー家で登場するけど特に最初からヴォルフが好き…っていう演出はなし。プラターでもヴォルフを家に誘うのはほぼセシリアの役割。でも「他の人と…」のくだりはすごい可愛い。魔女っ子コスプレしてるんだけど、最語にヴォルフと二人で箒に乗って出てっちゃうし(笑)。
二幕での可愛い恋人同士っぷりと、その後の「ダンスはやめられない」のギャップは日本同様。でも「乾杯ヴォルフガング」がなくて、アトリエでも「愛は見せかけね!」のキレソングの後はすぐに退場しちゃう。墓掘りの場面も一幕冒頭のみで、二幕あたまやラストで頭蓋骨が出てくるのもなし。
役としては日本のコンスタンツェよりシンプルなのかもしれないけど、これはこれで落ち着くなあ。日本版の演出ってなんていうか「オフィーリアぐらいの役を無理に目立たした」ようなとこがあって、やり方によってはコンスタンツェが思いっきりバランスを崩しかねないと………この話題は濃いのでまたの機会に(爆)。

■ヴァルトシュテッテン男爵夫人
喝采・喝采・ほぼショーストップ。カテコでも大人気の男爵夫人シン・ヨンスクさん、とにかく歌が素晴らしい。「星から降る金」の迫力もハンパなかったですがもう涙が出てきたのが「Mozart!Mozart!」。ウィーンCDで「こらすげえ」と思った男爵夫人の終盤ソロ、こんな音のいい大きな劇場で生で聞けたことだけでも感動…。
うーんやっぱCD買うんだったなー。「OST」ってなんなのか分からなくて買い損ねた。(韓国ではサウンドトラックのことをOSTと言うんだそうですね)

■コロレド大司教
若い。綺麗。カッコいい。繊細そう。カッコつけて失敗する(トイレのインパクトすげえ)。ヴォルフにコケにされて本気で口惜しそう。余裕ありそげなのになんかかわいそう。
ユン・ヒョンリョルさん、前回「モーツァルト!」出演後に兵役に行って、今回が復帰作なのだそうですが、これはファンの人嬉しいだろうなあ…うーん惜しいなあ、この美形ヘタレ猊下でハンガリー版のヴォルフとのとっくみあいナンバー(Az egyszeru ut)やってくれたらさぞや絵になっただろうに(笑)…若造ヴォルフに若造猊下、という構図はハンガリーで「いいじゃん!!」と思ったんですが、今回またその思いを新たにした。こら楽しいわー。

■アルコ伯爵
ころころっと可愛いおじさんで実にいい味出てました(笑)。猊下がキーってなってるのに対して、オロオロするわけでもなくマイペース。ヴォルフの曲を猊下が「オーケストラにあたらせるように」って言う直前、楽譜をくしゃくしゃっと丸め…そうになって慌ててガサガサ戻すとことか、ウィーンのコロレド邸でヴォルフを蹴っ飛ばす時、従僕二人にヴォルフを押さえさせて、一旦5メートル後ろに退がって助走付けてキーック!とか可愛くて仕方がない。
ところで、プラター公園でアルコをやっつけるって作りになってないんですね。これは日本でもハンガリーでもやってたので万国共通かと思ってたんですが、ウィーン版CDの曲と今回の曲、全く同じだったので、どっちがオリジナルかは分からないけれど。

■シカネーダー
すごく長くなったので別項(まあ仕方がない)。

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韓国モーツァルト観てきました

ソウルにて韓国版「モーツァルト!」を観てきました。

おっもしろかったー!
海外版の「モーツァルト!」は、ずいぶん前にハンガリー版を観たぐらいなのですけど、そのときも今回も、構成・演出や振付、舞台美術、日本と違うところ、同じだけど味わいが異なるところ、それぞれとても新鮮でワクワクしました。

いやこれマジで、とっとと観に来ればよかった(^^;)…羽田から2時間半だもんなあ。今回マイル貯まっててサーチャージ9000円だけで来れたもんで余計にお徳感が増してます。所用時間も必要マイル数も福岡行くのと同じとは。

感想いろいろ、いろーいろありますが、まずは総括ネタ。

ウィーン版はCDの知識しかないのですが、たぶん察するにそれがベースになってて、細部の演出では日本版も取り入れ、プラス韓国オリジナル…という感じなんだと思います。
例えばしょっぱなのアマデを囲んで「天才だ!」いうナンバーは日本の「Mozart!Mozart!」ベースの曲ではなくウィーン版のCD2曲目にあるじゃじゃじゃじゃっていうあれ(すいませんネタがあやふやなところは帰ってから補足します(^^;))、「並の男じゃない」の流れもたぶんウィーン版、二幕の「乾杯ヴォルフガング」みたいな日本追加ナンバーはなし、「Mozart!Mozart!」の「彼の音楽に潜む」のあたりのソロは男爵夫人オンリー、といった感じ。

いっぽうで「星から降る金」の、男爵夫人が歌う間の家族間の気持ちの流れの表し方や、シカネーダーやウェーバー夫人の客わかせるポイントの選びかたなんかはかなり日本版も参考にされてるんじゃないかなあと感じました。「ちょっぴり」なんかもう周りの反応がホームとしか言いようがなくて笑った笑った(^^;)。

各キャラクターのイメージも日本に近いんじゃないかなあ。アマデだけちょっと違うけれど。特にヴォルフの心情の描かれ方とかこれ、ぜひ日本のモーツァルト好きな方は観ていただきたい…繊細かつ分かりやすいっていうか、やってることは違うんだけどすごく「ヴォルフ」として日本で観てきた彼らと似ている。世の中とズレた悲劇的な天才ぶりが芳雄くんと、家族への思いと悲しみがアッキーと重なる。キャストの印象もあるかもですが、演出面も大きいと思いました。

会場がすっごい広いとこで、舞台も大きく広ーーーく使って、セットや映像も上手に使われてて素敵でした。これはそろそろ羨ましい(^^;)ハンガリーは劇場がちっちゃかったし、日本は劇場をちっちゃく使ってたので(言い過ぎ)、今回はもうセットやキャストの動きが気持ちよくて気持ちよくて。
またアンサンブルがみなさん大きくて(男子が全員野沢くんか縄ちゃんになった感じ…今もうこれわかりにくいか)、これが舞台前面使ってわーっ!と踊るもんだからコロレド邸とかザルツの居酒屋とかすっげー楽しい。
セットや照明についてはまた改めて。場面ごとにいっぱいあるんだー。

おいおいテーマ別に語っていきたいと思いますので、興味あるかたはおつきあいください(^^)/

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ソウルに行ってきます

明日から三日間、韓国のソウルに行ってきます。

目的は韓国版「MOZART!」。以前から興味があったのだけどタイミング合わず、今回はじめての観劇です。
キャストの方もぜんぜん知らないし、そもそも韓国はじめてだし、言葉わからないしドラマも知らないし、外国で芝居みるの何ぶりだか思い出せないくらい久しぶりだし……でも「M!」だから何とかなるだろう(なあみんな)。

むこうでレポかけるか分かりませんが、なんせ「モーツァルト!」だし観たらいろいろ吹き出すと思いますので、よかったらお付き合い下さい(^^)/

いざ、髭ネーダー。←決め付けるのはどうか。

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ろっくとーく

超人ロックの「アストロレース」を久しぶりに読みたくなって古本屋を探索。

ロックは昔、少年画報社版(商業誌ではいちばん古いやつ)を一通り持ってて、中学高校の頃何度も何度も何度も何度も読んだのだけどずいぶん前に手放しちゃってそれっきり。
久々に読みたいなあ、と何年も思ってたんだけどこの度ひさびさにブックオフで何冊か見つけ。96年ごろに出た文庫版で、アストロレースないなあ、と思いつつ他のエピソードをぱらぱらめくってった…ら。

…あのさあ。あのさあ。いつのまに こんなに 加筆 ……(絶句)

いや、量は多くないんだけど、話のキーになるところがさらっふわっさくっと1、2ページずつさしかわってて、それがまた、その内容がまた、

★★いちおうネタバレ警報★★

シャトレーズのラストでロックがミルバに一緒に暮らそうって言うとか!!
ロックがテオに「お前たちは家族」とかしっかり父親ヅラしてるとか!!
「魔術師の鏡」でフランがロックに「さようなら愛しい人」って言うとか!!!!!!!

なにそれ。ななななななにそれ。少年画報社版で「あぁぁそっけない。なんてあっけない。このそっけなさがロックなのは分かってるけどそれにしたってあまりにも名残惜しい!!」と歯軋りしていた場面、その全てに優しいオチがついている………。トレスの「セテの結婚式があるのよ!!」にゃ笑った笑った…。そして加筆してさえ悲惨なほどあっけなかったラグとレマの最期(T_T)。

そんなこんなで、うちに帰ってユーズド全巻大人買い(A席一回分以下だけですけどね。本は安いね…)ここしばらく浸ってます。ああロックはホント楽しい。

加筆場面たぁくさんについてはまたいずれ。本来の目的だった「アストロレース」について。

今でもあちこちで新シリーズが出てるロック、骨太の硬派未来史っぽい部分も大好きなんだけれど、その中で「一息入れようか?」って感じでたまに挿入される単行本一巻分のエピソードが大好きで。「シャトレーズ」とか「神童」とか「ソリティア」とか好きな話いっぱいあるけど、中でも別格なのが「アストロレース」。

ときは銀河帝国がそろそろヤバくなってきてSOEが胎動し始めたころ(オタクならこれで特定できる(^^;))、星間耐久レースで活躍するベテランチーム、デイブとヒルは、ポッと出の凄腕レーサー、イライザ・シムノンに出会う。彼女の正体は、ある任務を帯びたロックがレースに紛れ込むため変身した姿だった…。
ロックの女性化自体はこのシリーズ全然珍しくはないんだけど(笑)、どっちかというと若くて可憐な「ライザ」の流れが多い中、このイライザ・シムノンは珍しい「キュートな大人の女性」。有能で愛嬌もあって、抜群のセンスでレースを進めつつイカサマも相当にこなす彼女に、ちょっとよろめくデイブ。このへんの機微やレースの成り行きだけでも楽しいんだけど、繰り返し読んでしまうのがイライザの台詞

「テクノロジーは常に進歩するとは限らないわ。時にはすばらしい技術やアイデアを、過去においてくることもある。人類の一方的な都合で…ね」

もうこれ至言としか言いようがない。読んだ当時はイライザが、連邦末期のUAIの機体に乗ってるからこそこの台詞…ってところでグッと来たものなのだけど、今では仕事に重ねて胸の深いところにささる(笑)。はじっことはいえここ10数年の業界の変遷を見てきて、技術的ないったりきたりやら、ン10年前のアイデアの凄さやら、進化する技術やら、優れていても廃れていってしまう技術やらを目にしてきてる、そういう今では、「ホンッ……とだよねえ」ともうなんか泣くほど感動する。

…単純な話として「なんっであんた自分のアイデアをたかが2年で忘れるかな!」という優秀かつ忘れっぽい男性陣へのぼやきも混ざってますが(笑)。いわゆるIT業界って、よく言えば切り替えが早い、悪く言えば短絡的、過去に固執しない(しなさすぎる)人が多いというか。だからしつこく昔のことを覚えてる女子は、そういう過去の財産を彼らに思い出さすだけで食ってける面もある(笑)。まあ贔屓といい、さくさくと終わったことを忘れていくから「今」にあれだけ集中できるんだろう(いきなり話とんだ)。

レースネタとしては最近完結した「嗤う男」も面白かった…ロックが奴隷にされて(されたふりをして)辺境のエアバイクレースに潜り込む話。奴隷ネタのがんばった感はともかく(爆)、最初サドだけどレーサーとして開花するヒロインとか、レーサーたちのキャラが実によかったです。セテ・マイノックがロックの変身レパートリーとして定着してんのにもワクワクしたなー。
そしてこれ、イライザで出ても面白かったんじゃない?と今更思った(笑)。

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