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2010年8月の10件の記事

キャッチとスルー

今日はとりとめのない愚痴。
「タン・ビエットの唄」脳内リピートしつつ、油断すると「らーららー。らーららーららーららー」とか「はははははっはーはははははー」とか「あーあ あーあ」とかにスライドしてしまうのを抑えつつ(や、大好きだけどエンドレスすぎるので(笑))。思い起こすのはトアンとハインの対決の場面。

何十回もやってきっと前回同様「決めずに」ぶつかりあって、さまざまな瞬間が生まれてたんであろうかけあい。うずくまってるところをトアンにつっころがされて胸ぐら捕まれるくだり、芸劇初日の頃だと「俺たちの理想は美しかった!」って言われながら拒否するように強い勢いで首を横に振ってたのだけど。いまではその、動揺みたいだったものもなくなっていて、トアンの目をまっすぐ見つめて全身で全力で「美しいだけで何になる!」って否定する。透明な動かしがたい怒りっていうか、確信に落ちた絶望っていうか。それすらトアンは全部うけとめて打ち返してくれるわけだけども。

…なのでこのあたりから二人の対決を「見ない」で「そうやってお前は今も逃げ続けてる」あたりから自分の中の何かを見つけていくフェイの動線は、「あ、ティエンの言葉を取り戻していくんだな」って理解はできるけどやっぱり私は悲しいです。「みんなの傷ついた心を癒すために」ってだってフェイ、見てなかったじゃん(^^;)。…とかそんなこと考えてるから「ハン・ティン村へ行く」というフェイに対して、トアンのように表情に感動を湛えてフェイを見つめたい自分ですがどーーーしてもハインみたいな顔になってしまうんでした、毎回(苦笑)。

「私たちはいつも一緒よ」って言ってくれたティエンがいて、みんなの思いを全部受けとめてさらにフェイの背中を押してくれたトアンがいて、フェイに対して「あなたがこの唄を覚えていてくれる」って信じられる子にタオを育てたハインがいて、ってことを受け止められれば、それでいいんだけど。それに対してフェイにどう思って欲しいとか考えるのも不毛っちゃ不毛で、自分が観客としてどう思うかなので。
それでも「夢は人を裏切らない。ただ私たちがあきらめるだけ」の台詞に共感できりゃ最高なんだけどなあ…と思ってしまうんでした。初見からずっとこの台詞を(フェイがそれを言うってことを)考えてきたけど、やっぱり少し難しい。

…そんな夏でした(そんな締めなのか)

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残しておきたい

「タン・ビエットの唄」宇和島・兵庫公演を観てきました。

いろいろありましたが。
まとめると、とにかく汗かいた。
嬉しかった。見届けた。興奮した。
腑に落ちないけどそれでいいと思った(爆)。

なんか今日いろいろ感きわまったせいか偉い気持ちが盛り上がっちゃって、道行く知り合いの背中たたいたりシクロ歌いだしたりひとりで喋りまくったり、30過ぎたごろに卒業したと思ってたヤンチャ(ウソだ)をそうとう復活さした気がする。被害にあわれた方すんませんコンタクヤさんと同い年のくせにおおはしゃぎして(と書いて一応しらべてみたら一応わたしのほうが年下だった。なんかすいません今さん)。

ハイまだ興奮冷めてない。

ひさびさに(ウソだ)正気じゃないので残しておきたいもの列挙のみ。
・シクロの肩組2ショ!
・「もしも自由を」を初めて通してオペラグラスなしで見た。ありゃりゃこんなにカッコ良かったっけ全体から見るとまた眩しいなあ!
・バンメトートを初めて通してオペラグラス以下略。すいません旗ふり直前の筋肉の動きがとかほざいててホントすいませんっした全体カッコいい!そして誰よりすいませんはじめさ(突然大砲鳴り響く)。
・「とんでもない。俺はただのチンピラ、使いっぱしりさ」の抑揚レスなのに歌ってるみたいなしゃべりかた。
・「あんたにも」の「微笑」(!)と「思ってもみなかった↑」の「語尾上げ」(!!)
・「なくすものなんかなにもない」の笑顔
・ピンクのスカーフを手に小さく叫ぶ「ティエン…!」
・トアンにぶんなぐられて袖に引っ込む勢いでたっぷり一回転多く転がった後の「…俺は育てた!」の歌いだし
・「どこへ行った、おい!」ってハインを思いっきり転がすトアンの泣き出しそうな顔
・「俺たちの理想は美しかった」で胸ぐら捕まれて「美しいだけでなんになる」の汗と涙ででろでろの黒っぽい顔と首と、そこからまっすぐトアンを睨みつける目。
・「走り続けるしかないんだ!」でつきとばされたトアンが奥側から低音で歌いながら挑みかかってくる力強さ
・ティエンが「フェイ、行くよ」と走り出したときの、暗がりの中の姿勢と目線と表情。おぼろだけど。
・最後に歩いてくる顔。幕が下りてくる時の顔。その希望がかつてのものでなく、これからのものでもありますように。
・元々まだらもようなのに汗でまだらにもう一色つけたされているカテコのときの服の色
・「たーんびえー」叫ぶみんなの元気な笑顔の前を降りていった幕。ここで終わってれば最高だったんだがそこで終われなかったファンたちのサガを許してくれ。

この話にはぜんぜん納得してないんだけど、その釈然としなさを受け止めることにした。「あなたにはもうひとり、家族がいるの」から始まるティエンの語りかけをハインのものとしても聞くことができれば、子供を抱きしめるハインや慟哭するハインを見て、ハインがタオを愛してたってことがわかればそれでいい。ハインが繋いだティエンの想いをタオが歌ってくれたからそれでいい。トアンが全部を受け止めてくれたからもういい。

やあ、未練はあるけどさ(ダメダメだ私)。

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足の向くまま気の向くまま

のびのびになっていたシャガール展ついに行くぞいざ上野!と満を持したつもりで出発した土曜の朝、芸大美術館の看板を眺めつつ「休館…」とつぶやきあうカップルだの独り言をつぶやく独り者だの(注:別に独り者とは限らない)の間に立ち混じって、ああ今日も下調べが甘いなあとため息。

私が無計画なのは思うに父の影響をハンパに受けてて、べつだん予定立てないでほっつき歩く散歩が大好きだった親父がタイトルの台詞をうそぶくのを、子供の頃なんとなくカッコイイなあと思ってそれを座右の銘にしちゃったのかなあと。しかし、たぶん父はそもそも地図と大まかな行程(その日は休日だとか旅行中だとか、帰りのバスは何時にどこだとか)が頭に入っており、全体としてのアウトラインを描いた上で、細部においてはまあ臨機応変でいいんじゃない?ということを言ってたわけで。一人でどこかに行くと確実に迷い、迷った末に行き当たりばったりでほっつき歩き、まあ結果いろいろ見られたしいいんじゃないのとうそぶく娘に、きっと「そうじゃねえだろう」とぼやいていることだろうお父さん。

そんなことを思いつつさて、今日も無計画にどうしようかな…と地図を見たら上野からかなり歩いて、もうほぼ谷中じゃん。じゃあちょうどいいかと(笑)そのまま足を伸ばして「すいませんお父さん長女は未だこんなです」と報告しに散歩続行。ああ雑巾もってくればよかったとお墓にたどり着けば、こないだ母たちが来たばっかりでこざっぱりした風情。クリスチャン区画(昔は入れてくれる墓地が限られてたから、十字架が自然と集まるのだ)でちょっとお祈りして、お茶して仕切りなおし。

上野に戻って、さっき通ったばっかりの西洋美術館へ。駅のポスターで見て気になっていたカポディモンテ美術館展を見て、そのまま常設展示を一周。

カポディモンテ展ではポスターになってる「貴婦人の肖像(アンテア)」が素晴らしく美しく、誰だかわからないこの人を何百年も超えて上野で私たちが見てるという事実にいっときほわんとした(笑)。マグダラのマリアの改悛ばっかり何枚もあった中では最後のやつがいちばん好きだった(作者名忘れてしまった(^^;)なんの参考にも)。聖アガタの絵は2枚あったけどどちらも物凄い。「羊飼いの礼拝」が優しくてすごく良かった。
あと印象的だったのは「アタランテとヒッポメネス」の絵の前で急に感極まって抱き合っていた西洋人のご夫婦。何があった。日本人なら絶対成立しないナチュラルさにしばし絶句(笑)。

常設展もたぶん初めて来たんじゃないかと思うんだけど、うわー豪華だなあ松方コレクション!!「本人の嗜好による美術品収集というのでなく、単に日本で美術を学ぶ若者に世界の美術品を見せてやろうという実業家らしい情熱(←うろ覚え)」によって集まった彫刻や絵がたぁくさん。これでもずいぶん失われてるそうだけども、モネたくさん印象派もたっぷりロダンの彫刻もどっさり。ボーっと歩いてたら脚が痛くなったけど堪能しましたです。「オール・ドーミエ版画展」というのもやってて、7月革命ごろの風刺画のリトグラフがいっぱいありました。ルイ・フィリップとか当時の政治家たちとかが大変なことになってて面白かった。これだけ絵が旨かったら自分いったい何を描いただろうなあ(笑)。

カポディモンテを含めて宗教画をたくさん見たけども、聖書や聖人の話をモチーフにした絵って「ああ、なるほどー」だったり「うわあ、美しいなあ」だったり「ほほう、そうきたか」だったり「当時もオタクっていたんだなあ」だったり(爆)いろいろ楽しいです。技巧や技量は「これだけ長いあいだ残ってるんだからきっと凄いんだろう」程度ですが(審美眼ゼロ)、洗礼者ヨハネの処刑をバックに「銀のお盆」を眺めているサロメの絵とか、「アブラハムとイサクのいる森林風景」(つまりこれからイサクを生贄に差し出そうとする前にてくてく歩いていく光景)とかすげえと思った。

そんなこんなで結果、楽しかったですがシャガールはいずれリベンジ(笑)。
帰ってからベトナム本一式を返しに図書館に行って、四国のガイドブックを借りてきた(爆)。計画しよう、めざせ計画性のあるわたし。

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反芻

「タン・ビエットの唄」思い出しネタの日々スタート…ふつう初日から3、4日目くらいってオタクとしては重箱ネタを浚って楽しみつつ「さて後半どうなりますか」とかまとめて過ごす時期なんですがもー終わってるしー(T_T)。いや3日間濃かったからいいんだけど本当に。あと14回もやってるかと思うといてもたっても。

■砂戦もシーソーも最高だったんですよ
蓮の花が自然に詰まれて次のシーンでは消えている、バリケード風に掲げた「盾」が「開店前の店に立てかけられたテーブル」になる、「ビックのために敷いたゴザ」に回想のティエンとフェイが座り、二人が雨よけにしながら走って出て行く、背景の草むらが立ち上がって兵士の背中になり、そのまま「小屋の前の草」になる…。
最高なんだよなあTSの転換は本来は!本当に!!!と再認識しました。…いや、ちょっと前に「どぉしたTSッ転換がモーツァルト並!!」とか叫んだ黒記憶が抜けなくて…あれはショックだった…(実は甘さも辛さもまだ言い足りてないジャポネスガランチード消えてしまった信頼)。

■そこから言い直すんだ…
最初マイク入ってなかったんで「じゃあ地声で(ほやほや度98)」と言ったら隣にいたはじめさんが自分の左頬をよせてピンマイクを近づけてくれ。構図的には完全に千秋楽カーテンコールにおけるヴォ●フとア●デ…結構ほほえましかったったんだけど、いかんせんヴォル●に10、●マデには30足してもおっつかないという年齢ギャップ、あとアマ●゛のほうがでかいから屈まなきゃいけないというギリギリアウトな光景でした。まあ、ある意味可愛かった(笑)。戸井さんの振りを合わせると計三回「たった一人の30代」を繰り返した計算になりますが(フレーズ違ったらすいません)使える期間は半年を切るけどもへっちゃら(笑)。

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「楽日」

「タン・ビエットの唄」東京終了。わかってましたが一瞬だった。

いい気になって帰ってビール飲んだらやっぱり朝になってしまったので(^^;)走り書きのみ。

・悪いモノ売ってんなー、あれ。
・スローモーションやらしたら世界一
・旗をあのスローペースでなびかせるあたり天才としか
・家に帰ってラストの「ふーるーさーとーでー(フィナーレ音)」の動きをやってみたらもちろんこけた
・GENJI(仮称)の設定年齢が実は謎
・可能性で輝いてた若造。その運命と戦うのか、勝てる自信はと言われて負けても死ぬだけさと目をまっすぐ見て笑った若造。フェイの、ティエンのスカーフをそして唄を、タオにつないだ若造。あーーーーもーーー(T_T)

朝からトリップしそうになったので自制。仕事いってきます(^^;)

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「初日」

「タン・ビエットの唄」2010、東京芸術劇場の初日を観て参りました。
演鑑ばっかりの今夏、公演的には今年かれこれ20回以上やってるみたいですが都内の一般公開はこの3日間のみ。
上手後方で観劇。伺った話では芸劇のフラット前方席のデンジャラスっぷりは相変わらずのようですが(^^;)、それでもあの連中の掛け合いを近くで観たいなあという衝動も感じる、さまざまな表情を汗を涙を、とことん心に詰め込みたい3日間なんでした。

ティエン。土居さんの相変わらずの年齢自由自在っぷり、そして「客席の涙腺スイッチオンもオフも自由自在」っぷりをとことん堪能。隣の席の人が一幕中盤ぐらいから号泣していて後半どうなっちゃうんだろうと心配になった(笑)。

トアン。強くてゆるぎなくて、厳しくて優しくて、哀しい…あーもー本当にカッコいいなあ。シクロも「これがベトナム」の曲もカッコいいけど二幕あたまでフェイに詰め寄る曲で涙が出そうになりました。「それでも生きている」「それでも生きていく」っていう言葉の力強さに何度も救い上げられる。フェイに対するトアンの行動、そしてハインに対するトアンの行動、「行けー!!行ったれー!!!!ていうか言ってあげて!ください!!お願い!!!」という切望だけで手に汗が噴出す…基本「タン・ビエットの唄」でハンカチ持つ理由ってわたし涙より汗なんだよね(^^;)。

今回みちがえたのが安寿ミラさんのフェイ。フェイって自分にとってはミンの台詞(こんな脳天期な旅行を思いついて)がすべてを象徴してて、登場で「うぉぉぉいまたそんなドレス着てあんた本当に!」と今回も思ったのだけど。その後のトアンとの会話の天然っぷりにびっくり。「頭いいのに空気を読む努力をしない」んじゃなくて単に「気がつかない」だけなんだ、ってことで、長年フェイに感じてきた反感(すいません(^^;))がかなりこう中和されたなーと。彼女なりの20年の苦しみの表現や、逃げてきたものに向き合え!というトアンの叫びに追いつめられる場面もすごくよかった。
とはいえ、終盤になってくるとやっぱり釈然としないのですがフェイ。うーん、そこで目をそらしちゃうんだ?その段階で自分の中に入っていってしまうんだ?あなたがそれを言うんだ???そして貴方だけがタオに会えてしまうんだ…という。どうも心が狭くなっていかんな(^^;)。それでも以前の納得いかなさとは比べ物にならない清涼感ですけども。名前、呼んでくれるし(これは大きい)。

で、ハイン。…いろいろ渦巻きすぎて絶句しそうになりますが。
今回すごいインパクトだったのがダナンでの登場の静かっぷり。う…わ…っと思った。かったるそうな歩み(「たりーなー」って感じのシクロの人の明るいタルさじゃない、染みついた堕落っぷり)、感情を失ったみたいな表情、起伏のない語り口。それが回想の中、陰鬱な「語り手のハイン」から切迫した「あの頃のハイン」に切り替わって、彼を変えたものがだんだん明らかになっていく。
なんかそろそろ時間切れなんで(マチネ行くし(爆))度肝ポイントだけあげとくと
とりあえず「ゆめ?」が凄すぎる。
「俺は育てた」の歌い出しも凄すぎる。
トアンに胸倉捕まれての「俺たちの理想は美しかった!」「美しいだけでなんになる!」の絵は上手の最重要ポイント(爆)。
ティエンの「フェイ、行くよ」の後のハインの動きも必見。

では今夏唯一のマチソワしてきます。

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スイッチ

今ものすごくやりたいことが初演再演のDVDを見ることなんですけど、ふたつの理由でガマン中。

1.既に再々演みただけで油断すると職場で「おゝ宝塚」熱唱してたりする現状、これ以上集中力を失ったら手がつけられねえ。
2.明日からたった三日間の「タン・ビエットの唄」ですから。

心を整理して整頓してキレイにスペース空けて、そこはハインで埋めるのだ(笑)。あとシクロの人とか光GENJI(仮称)とかバンメトートの旗振りの人とか。うん。芸劇三日終わったらあのパーマのダンサーも見ていいから。うん。
いやまあ、小細工しなくたってどうってことないのは分かってるんだけども(^^;)。

ああ嬉しい。長かったよー。
明日~は~。初日だー!!!!!(なぜか42nd STREETモードで熱唱)

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もすこし新星トーク

今宵も「宝塚BOYS」ばなし。もう一回は観にいくだろうなあ。この先何回上演されてもきっと観にいくだろうなあ…ああなんなんだろうこの衝動。そら2007年から2008年であれだけ変わったことで印象の変化に耐性はできてる、それにしたって贔屓が出てると出てないとじゃ自分にとっちゃえらい違いなのに、心がこの作品に向かって止まらない。出てなきゃまず観にいかない作品(ラブが時間を越えちゃうあれとか)、出てないことが寂しくて素直に楽しめない作品たくさんありますが、そんな中「宝塚BOYS」はなんかもう、舞台やってなくても思い出しネタだけでごはん3倍つねにいけるというか(^^;)ましてや上演されてるとなれば、燻ってた気持ちが燃え上がっちゃってどうも。

★★★ネタバレです★★★

■リーダー考2010
今回は役者さんの個性に合わせた脚本の改変は少なかったのですけども、前半の浦井リーダーの印象を見るにつけ、これ今年は終盤ももうちょっとリーダーが中心にいく流れでもよかったんじゃないかなあ…と思いました。星野が出て行く!っていう場面で「俺たちの場所なんかどこにもない、そうだろう!」って言われて「…はい」って答えるのが、今年のキャラだったら上原でもよかったなあ…と。
今年の雰囲気だと、上原の空回り感は薄れてたと思うんですよね。以前あった星野の「もう関係ないよ、ご苦労様、リーダー」は考えてみれば凄いセリフでしたが、今回これもカットになったし、いっぽうで竹内も「自然体でリーダー」というより「単体で鋭い人」に見えましたし。「星野さん、男子部をやめないでください!」がなくていきなり「星野さんにやめられては」になったもんでこう、星野が「竹内が頭を下げてきた」に一瞬おののく流れがなくなったなーと…重箱百も承知ですがこういうことの積み重ね(^^;)。

■黒板の地位は出世か転落か
ネタ的にも時間的にも思いっきり膨らんだ「パリーの公園」の再現場面(笑)。やー「エッ・フェル・塔!」かわいいわー。「凱旋門!」からジャンを追い払う今代星野カントクもいい感じだ…「きっと、昔は、少女だ」の台詞でも新しい感動をくれたし。しかしハセ簡単に笑いすぎだぞー(小言)。
それにしても一幕の伏線(「あんたは女に興味なさそうやなー」らへん)ぜんぶカットされてそれでも「そっちの世界の人?」と言われちゃう藤岡竹内は実に気の毒だ(笑)。あの「ぼくぼくぼくぼく!」でさーっとドン引く他メンバー(特に東山君)の表情が実に無情でおかしい(笑)。なお顔を洗うネコは最高でした。

■ショータイム?
ここからちょっと辛口。
フィナーレの振付が大きく変わって、初見の時はとにかくびっくりしまして。二回目でやっと全体が把握でき。カッコイイなあ動くなあ凄いなあ楽しいなあ、と思いつつ、「あ、そうかここが一番、再々演で印象が変わった部分なのかも知れないなあ」と。
自分の場合かつてここで何を感じてたかというと、それは楽しさとか美しさもそりゃあったんだけど何より「喜び」だったわけで。立てなかった幻の舞台の上で、歌いたかった踊りたかった演じたかったステージを繰り広げる男子部とおばちゃん。演出はきっと池田さん。ボレロを踊るあの人たちの表情を見ているうちに、あの人たちの嬉しさとか輝きとかそういうものが客席にわーっと届いてきて、気がつけば嬉しくて涙している。胸がいっぱいになって泣いたり笑ったりしている。そして羽根しょって居並んだ瞬間に客席全体がキターッ(来たーもしくは着たーと(笑))のどよめきに包まれる。
さて今回のフィナーレが自分にとって「宝塚BOYS」という芝居の「ショータイム」に見えてしまったのは、初演再演にとらわれてるせいもあるだろうし、いろいろ染み付いたこだわりや思い込みが素地にあるのだと思います。でもはっきりいってあのジャンプとハイキックに彩られたボレロで「夢の大劇場」を感じているヒマはなかった、自分は(^^;)。
今年この作品を楽しむ人たちが、男子部のステージを楽しめればいい。けれど、自分のウザさは承知であえて書いちゃうけど、もう少し、あと少し、あれは彼らの夢の実現なんだ…ってところが客席に届いてくるような何かがあって欲しい、それが願いです。

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キャスト雑感2010

「宝塚BOYS」マチネみてきました。
なんか視界のほぼ真ん中の客席に、大きい人と大きい人とお話の上手な人がみっちり詰まっていたとかいないとかでいろいろ気もそぞろでしたが、そちらのコメントは公式を楽しみにするとして…ちょっとだけ書くとすると挨拶の字面よりもあの芝居やってない時にときどき発動する微妙な舌っ足らずがツボだった(笑)もー…かんどーしましたー。ありがとーございましたー(ぺこり)…あと客席の一部はけっこう素で「どの人がどの役をやっていたのかしら?」モードに入ってた感じがするので役名を紹介すべきだったのかも知れない。時は流れたなー。「ヘルベルトの人なんだよー」「うっそー」と聞こえてきたのには超和んだ。

今日は再々演のキャラ雑感。…長い上に半分以上思い出話ですが、ご容赦(^^;)。
★★★ネタバレです★★★

上原金蔵(浦井健治)
スリッパダッシュといい金切り声といいパンツ姿といい「どてらを巻いた何かの生き物」ぶりといいなんなんじゃそのチャームはー!!動線にしても台詞にしても性格づけにしても、今回いちばんまじめに前作を踏襲してる(^^;)気がするんですが本人のキャラがあまりにも違うので全てが新鮮に映るという…今回どーしても見ちゃう、リーダーを見てしまう(笑)。
新生・上原はなんだかんだと結構メンバーの中心に立ってた気がします。空回りして空回りして限界に至っちゃった「と自分では思ってる」リーダーに見えました。これがすごく新鮮で。
そして踊ると誰よりも脚がキレイなんだ(笑)「宝塚BOYS」のレビューの魅力って「ついに舞台に立てた男子部の喜び(そしてそれが幻であることの切なさ)」だと思ってて、今回、ちょっと自分はまだそれを感じることができないのですが、浦井リーダーの全開笑顔には癒された。

竹内重雄(藤岡正明)
しょっぱなの「めぇぇぇずらしーきー外つ国のーーーー」で拍手しそうになった(笑)。美声!誰!とか思っちゃってすいませんヒトカ以来なんで最初認識できなかった(爆)(おぉっとさらに違った「この森で天使は」だったごめんなさいごめんなさい)
初演では「天然」裏リーダー、再演では「天然じゃない」裏リーダーだった竹内BY葛山さんの場合、自然体で完全に上原のリーダーとしての役割を浚ってしまっていた(本人意図せずとも)のと比べて、藤岡さんの竹内はなんかしっかりしたセカンドポジションという感じがします。今回この上原と竹内の拮抗ぶりがすごく新鮮でした…(なので、太田川が病院にいるってみんなが走ってった後の浦井リーダーの挫折感がちょっと腑に落ちない。花緑さんの上原の場合「竹内には分かった」ってことでドスンと落ち込んだ印象だったんだけども。逆にもっと深刻なものにも見えたりして、あーリピートしたならその辺も強化したいところだけども)。
しかし昨日「朱塗りの反り橋長い廊下」のところ「長い猟師」って歌ってなかったか(^^;)さんにんりょーし。

長谷川好弥(杉浦太陽)
ランニング似合う。肩キレイ。若い。ナナメのジト目が可愛い(笑)。
ハセって初演と再演で一番変わったキャラだと思うのですけど、初演の佐藤重幸さん(当時)の「旅役者の息子!!」という設定が体を現していたのに比べて再演の瀬川君はこう、全身から染み出すこう、食物連鎖ピラミッドのすごい下のほうな感じが印象の大きな部分を占めてたんですよね。馬の脚指導や「ご新造さん、おかみさん」はシゲさんが永遠に不滅な感じしますが(笑)、瀬川君の「全身の不幸さで客席を笑わしちゃうオーラ」にもものすごいものがあって…劇場中の笑いをさらった「大目に見るんですかー!!」といいフィナーレのすさまじいリズム感の欠如といい(すいません)あれはあれで忘れがたい存在感。
杉浦ハセはどっちかといえば再演版のキャラを踏襲してる感じですが、うーん、それにしてはあんまり不幸じゃないのと、あと最後まで10代なところが課題かなー(^^;)。明るく振舞っていながら小さな不安を何年も何年も重ねていったハセが「夢が見たい」って崩れる、あれ本当に難しい台詞だと思うんで。

山田浩二(黄川田将也)
つくしんぼうのすけ。とりあえず初演再演リピーターはいずれも馬の身長で度肝を抜かれたハズだ(笑)。
今回最大の発見は「山田の可愛さって実は汎用性があった」ということで………猪野さんとはそら違う、ぜんぜん違う、違うんだけど山田というキャラはそれ自体がどんだけ可愛いかということを黄川田氏が証明したなと…ねえ両星野さん(笑)。
発見もいろいろ。「あのタッパならば登場から10秒でビビリだとバレてもいいんだ」とか「今回星野より山田のがよっぽど正統派マザコンじゃん」とか「星野を見下ろす山田って!星野を見下ろしちゃうのにそれでも弱い山田って!!!」とかとか。

太田川(瀧川英次)
今回いちばん完成度が高かったなーと思うのがこの方。笑わすところではとことん笑わすのに、どっか悲しい。この話で太田川がどんなに大事か思い出した(爆)…や、山内さん大好きです。大好きだけどこう、再演版ではよくも悪くも太田川の悲壮さはトーンダウンしていたと思うので。戦争の話題になるたびに実は暗い顔をしてるとこも大事だし…しかし今回竹内の「徴兵を免除されたことを気にしてた」の台詞とみんなのリアクションが軽くなってるのが惜しいよなあ。
パンフをいくら探してもどの人が太田川か写真じゃ掴めない、すばらしい役作り(笑)。でもダンスレッスンで瀬川君ばりの「そんきょ」の姿勢でさらに脇の下までケアしてさらに二回たたみかけるのは目のやり場に困る(^^;)。あと長谷川への「成績順や!」は山内さんのアドリブから派生した名台詞ですが(笑)、「俺の後ろ、山田のだいぶ前や」には大爆笑しました。

竹田幹夫(石井一彰)
タケちゃん(BY須賀君)→ミキちゃん(BY森本君)→ミキオ。…どんどん本性を隠せなくなる感じだ(笑)。山田の秘密をバラす時の機微がいまいちわからんとか生徒とちゃっかり付き合ってる割にちゃっかり感が足りないなあとかいろいろありましたが、パリーの公園の「木ー!!!!」で全てを許す気になった(笑)。
しかし今日のマチネで馬の腹に「ミキオ」と大きく書いたのは君か。それとも山田か。

星野丈治(東山義久)
うめぼし嫌いなんだね(笑)。
身のこなしといい笑うとこのセンスといい期待以上の軽快さ。登場してすぐのスパーンパサーンよろしくーといい、おばちゃんとの会話のクネクネモードといいテイスト出まくりでたーのしぃ……しかし「単純だな君たちは」で完全に出オチが成立しているあの服装はいいのか。
キャラクター的には山田や長谷川、ミキオといった年少組から明らかに一回りオトナな感じで、あーなるほどなーと思いました。「(芸名が)この手紙よりも恥ずかしい!!!」でちょっと「確かに…」と思っちゃってる顔が新鮮だ(笑)(いやホタルの場合本気でムッとしてたから(笑))。
山田との関係も「にらみ合い」じゃなくどっか子ども扱いしてるとこがあって、身長差も相まって場面場面「うわーこーなるかー!!」て感じで面白くてしょーがない。一番強烈なのがパリーの公園再現にあたって「噴水ー!!」をかました山田のアタマを超ニコニコ笑顔で両手でひっぱり下ろしてかいぐり回してよーしよしよしと…(いや決してシャレのつもりは)…まああれだ、山田の小動物モード(背が高かろうと低かろうと)を内心愛でてんのはは星野のプロパティだからして(爆笑)、今回は「子リスを眺めて楽しむ」が「グレイハウンドをかまって楽しむ」になったということで了解しました(誰に言ってる)。なお完全に私見ですがヨシノホシノの場合「可愛がってた」のは初演で竹田・再演では結局ハセ、「実は可愛いと思ってた」のが山田、しっかり「認めてた」のが竹内、「認めてなんかやらないからな!」と思ってたのが池田さん(爆笑)、本気で少女だと思ってたのがおばちゃん、という…………そーなんだよなー実は大人な東山君より遥かに青いんだよなーあの人(遠い目)。
しまったほとんど違うひとのことを書いている。あと星野としてどうだったのかぜんぜん書いてない気がする。うーん、また追って。

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おるたーなてぃぶ

新星「宝塚BOYS」を観てまいりました。

★★★ネタバレです★★★

一幕の感想。
「うわあ、あの人もこの人も面白い面白いな!こんだけ別モノならもう役名とかどうでもいいや!見え方が全部違うし!!でも脚本思った以上に変わってないなあ」

二幕の感想。
「あ…あれ…なんかみんなの印象が揃ってきちゃったな…こうなってくると旧作リピーターはマズイんだよな亡霊が出ちゃうんだけどな脚本変わってないからな…………いや、同じことやったらやったでまた違うもんだね、これ。」

レビューの感想。
あっはっはっはっ初演の初日が蘇るなー!!←(^^;)

…上手に淹れた紅茶の葉っぱのようにホップする男子部に度肝を抜かれてレビューではややいろいろ見失ってた気がしますがその辺はまた明日ちょっと後ろにさがって見ることにして(いやあの振付にはびっくりした)、やーもう何から書いたらいいかわからないくらいプラスもマイナスもいろんなことを思ったマチネでした。

冒頭からメンバーが揃っていき、それぞれの性格が分かっていく過程ではワクワクしました。いっぱいいっぱいぶりがこうもキュートになってしまうか!の浦井リーダー、いきなり美声+しっかりしたお芝居の藤岡竹内、筋肉キレイでサワヤカで何故フラれるのかわからん杉浦ハセ、絶対コレパンフで見つけられないよの眼鏡キャラがいい感じの瀧川おーたがわ、ひゃくはちじゅうさんせんちの山田BY黄川田君(いや革命的だよこの山田ビジュアルがもたらした変化は)、普通に生意気な(笑)後輩ミキオBY石井君、そして名前を呼ばれるたびに「ああそういえばこの人星野だったっけ」と思い出すくらい本人カラー全開の東山ジョージ。

も、星野の登場大ステップとか山田との身長差逆転とか、あまりの違いに癒された(笑)。今までモヤモヤしててごめん!新作!新作なんだコレ!と心に響いたものです。

ただこの強烈キャラクターズが仲良くなってから、なんとなく印象がひとかたまりに見えてきてしまったのがちょっと残念でした。多分これは自分の見方も影響してて、初演再演で某ホタルにロックオンしつつ他の人を見ていたのとでは、今回あっちこっち見ちゃうから単に気が散ってるのかも知れないのですけど。

脚本は今回、ほぼ再演版+マイナーチェンジという感じで、2008年ほどじゃないけどいろんな場面がまた小さくつままれていたなあ。あともっと、キャラに合わせて再度あてがきしなおし…とか期待した部分もあるんですが、さすがにそこまでは行かなかったですね。「ヤマコーさん」「ミキオ」とか呼び名が変わったり、細かい変化はいろいろありましたけども…ところで自分「ぜったい関西の人間やない」の台詞いっぱつであのオチを期待したクチですけど、ラストまでひっぱるのはさすがにちぐはぐだった気がする(^^;)かえり舟あたりでいいと思うんだが。

いっぽう印象的だったのは池田さんとおばちゃん。それぞれのキャラクターが今回かなり深く掘り込まれた感じがするなあと感じました。冒頭の「芸事には門外漢だが」でちょっと顔が翳るところとか「女の現実ってのは怖いよ君」で浦井くんがちょっと怪訝そうに「…ハイ」と答えるところとかかなりツボ。おばちゃんは少女度三割増しでうわあ可愛いぃと思った。

ああなんて雑多な感想。しゃべりたいことがありすぎて。
明日はもっと落ちついて、それぞれの場面をしっかり観てこよう………と思ったら落ち着きようがない情報キター(爆)

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