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「そっとおやすみ」総括

パロディ作品を楽しめるかどうかのポイントは、
A.元ネタを知っている(愛してれば尚可)
B.作りが高度なお陰で、パロった結果が普通に面白い
の二点にあると思うのだけど。

ダウンタウン・フォーリーズ番外編「そっとおやすみ」。「男・男・女」で紡がれる古今東西のミステリーを絡み合わせ、ひとつの作品に仕上げたミュージカル。

主な元ネタ映画で知っていたのは1作のみ。
なんせ芸達者な人たちだから上記のBの点だけでそりゃあ楽しめるのだけど、やっぱり原作だの演出意図だの深読みしたがりの自分としては「あぁ元ネタを知った上だったらもっと面白いんだろうな」感も強かったです。「パロディとしての粋」さが感じられるほど悔しいっつーか(笑)。

それでも前半は、「ここはとある映画をネタにした妻の妄想」とか「ここからネタが切り替わって夫の小説のプロット」とか、いっこいっこのストーリーの切れ目が分かる分、その場面場面の面白さやキャラクターの立ちっぷり(いやもう(^^;))、時々現実に戻る雰囲気の切り替わりを楽しめるのだけど、終盤に入っていろんな作品がわやくちゃになってくると、何をどう捻ってるから面白いのか、初見時はそのわからなさが大暴走。
「死と処女」で始まってゾンビで終わるあたりなんて、「面白くない」んじゃなくて、「たぶん100面白いであろうところを60ぐらいしか楽しめてないんだろうな、って感じる自分がツライ(^^;)。きっとあそこは縛られてる人の「ぜんぜんわからない」感にシンクロして楽しんじゃえばいいんだけど、自分みたくパロディをパロディとして楽しみたがる人間は何が「死と処女」でどの程度「変身」でイオネスコ=不条理劇は過去DTFのオマージュなのかそれとも独自に狙ってるものがあるのか(ホントうるっせー客(^^;))、やっぱり気にしてしまっているわけで。

贔屓ウォッチできるできないで言えばこんな贅沢な作品はなく(爆)、ファン的には心底楽しんだし「考え込んじゃダメ」なのもわかるんですが、ネタを知らないなら知らないで「ああ面白かった!」って無知に笑い飛ばさしてくれよぉ、というのが要望かなー。

とはいえ、思えばこういうふうに、けっこうな頻度で客が置いてかれるのはDTFの伝統とゆうものかも知れないなあ(笑)。ちょっと古風で不親切、説明はしないよ、ついてこれなきゃ端のギャグや役者の達者さを楽しんでね…みたいなところがある意味、粋なのかも。

全曲オリジナルで(パロディは別として)生演奏で円形フルに使って、「番外編」と銘打ちつつDTFの「空気」だけをもってきて、曲や場面の使いまわしはせずにあくまでこの作品を仕上げてる、そんな「作り」面での丁寧さはとても嬉しかったです。ミュージカルとしての曲の多重構造もけっこう緻密だったりして、「帰り道で曲を口ずさむ」頻度の高さっつったら昨今まれにみるほど。そしてそういう丁寧さの最たるものが役者さん方の作りこみっぷりで、自分はそれを観にいってるわけなんだからホントは何の文句もないんだけど(ダメ客)。

…やっぱり悔しいからそのうち「深夜の告白」だの「デストラップ」だの見まくるんだろうな自分。

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