シカネーダーとザルツブルク
■出会いの街
モーツァルトとシカネーダーが出会った街ザルツブルク。モーツァルト生誕250年フィーバーがまだ続いており…だったら冬季非公開のモーツァルテウムの魔笛の家も開けといてくださいよう(T_T)。
ミュージカル「Mozart!」好きとしては当然、例の居酒屋を探してしまいますね(笑)。「中世最古のレストラン」や「築500年の小さな館」とか「17世紀からあるオーストリア最大のビアホール」とか、それっぽい飲み処もあちこちにちらほら。
シカネーダーがここに巡業に来た1780年。ここで一座は「アグネス・ベルナウアリン」という作品を大ヒットさせます。タイトルロールのアグネス・ベルナウアーはバイエルンでは有名な悲劇のヒロインなんだそうで、平民の身でありながら大公と恋に落ちて結婚したけれど、別の娘との婚姻を望んでいた夫の父親の命令で、夫の留守中にドナウ川に落とされ処刑されてしまった…という15世紀の史実。この物語を元にして書かれた戯曲が「ベルナウアリン」。「大公に恨みを持つ副官の陰謀」というエンタテイメントに書き換えられてあちこちで上演され、シカネーダーも「これはいい」と思ったのか、初演から2週間経たないうちにザルツブルクでこれを打ったわけです…兵隊の衣装用に当地の御領主コロレド大司教から甲冑60着借りたという記録があるそうで(笑)。大公がシカネーダー、アグネスはエレオノーレが演じて大いに受け、悪役の副官役の人はザルツですっかり憎まれて街を歩けないくらいだったとか。
この公演はコロレド様も千秋楽まで足を運んだとのこと。もちろんシカネーダーからフリーパスをもらっていたモーツァルト一家もしばしば観劇したのではないかと…前にも書いたけど、絵的にめっちゃくちゃ楽しいですよね、このメンバーがシカネーダー一座の芝居を観てるとこ想像すると(笑)。ボックスまたがってヴォルフがコロレド挑発、猊下無視、パパ制止、アルコ怒り、姉隠れて笑い、座長が舞台から「うるせえよそこ!」と叫ぶ…みたいな(笑)。
■どこもかしこもモーツァルト
せっかくだからパパゲーノ像に挨拶して。


新レジデンツで行われていたビバ・モーツァルト(1月7日まで)→(旧)レジデンツ→モーツァルトの生家→モーツァルトの住居(川を渡ったほう)と回る。モーツァルトの銅像前はスケート真っ盛りです。
大司教の居城である旧レジデンツがすごい面白かったです。まさに「ナイフフォークスプーンぴかっ!!」て感じの壮麗たるお屋敷なんですが、「自らもヴァイオリンを嗜んだコロレド大司教が、モーツァルトと合奏した」部屋眺めたり(またスゴイ「絵」を思い浮かべてしまったり(笑))、謁見室でも「ここでどっかの座長が堂々と『甲冑貸してください。』とか『興行延ばしたいんで許可してください。甲冑も貸しといてください。』とか交渉してたんだろうな」と想像したり。
モーツァルトの生家の展示の中ではシカネーダーは「Singers」の扱い(笑)。モーツァルトは歌手の音域に合うように作曲したんですよ、との説明とともに沢山の歌い手の小さな肖像が並んでいて、カテリーナ・カヴァリエリなんかと一緒にシカネーダーもいました。チェックしきれなかったけどきっと「魔笛」のベネディクト・シャックやアンナ・ゴットリープもいたことでしょう。
ザルツにおいてはシカネーダーがベルナウアリンで興行を打ったことよりも、モーツァルト一家の友人として射的に興じたりしたことの方が鮮やかに語られてますね(笑)。「後に共に『魔笛』を作ることになるシカネーダーともよくゲームをしました」と音声ガイドにあったのは嬉しかったなあ。射的のマトも何枚か飾ってありました…いちばん強烈なのはコレですけどね(^^;)。…コレを撃つのか?空気銃で?レオポルトやナンネールが??(^^;)
なかなかにアレな絵柄の多い射的のマト、ガイドにいわく「しばしば友だちをからかう(ただし傷つけることはない)絵柄のものが使われました。」とのこと。今回は見つけられませんでしたがクルト・ホノルカのシカネーダー伝の中で出てきたマトには「俺は誰とも長続きしないのさ!」と女の子くどいてるシカネーダーの後ろで「彼はきっと帰ってくるわ!」と前の彼女がうそぶく…なんてのもあり。これを打つわけだ。空気銃でヴォルフが。…面白すぎます。こういうのを集めた博物館とかどこかにないものですかね。
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