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2005年5月の7件の記事

シカネーダー伝

ふと検索してて見つけた「シカネーダー~『魔笛』を書いた興行師~」という史実に基づく評伝(著者・原研二/平凡社ライブラリー)。
「…こんなん2002年にあったら絶対読んでたはず…」と思いつつ(いえ単に見逃してたんでしょうけれども)amazonで購入。
ぱらぱらとめくり始め…止まらなくなってしまった。
今、半分くらいです。感想は読み終わってからと思ったのですがとりあえず。

転げまわるほど面白い。(今も回ってます)

・ミュージカル「Mozart!」のシカネーダーが好きな人
・ミュージカル「マドモアゼル・モーツァルト」のシカネーダーの名乗り口上『歌手兼俳優・劇場支配人兼興行主・台本作者兼…女ッたらし』に惚れて「そこんところをもうちょっと詳しく…」と思った人
・「友達甲斐」で縄田晋さんがやってた「ベネディクト」やら「金貸してくれよ!」の「ヨハン」やらの正体が知りたい人
・「コロレド猊下はザルツブルグでシカネーダー一座の芝居上演を延長含め許し、自らもしばしば劇場においでにになった」とか「レオポルト・モーツァルトパパはシカネーダーとけっこう仲良かった」とか「ヴォルフと母親がマンハイムに向かう途中で実はシカネーダーとすれ違っていた」とか、そういう話を聴いたら「ええぇ?」と叫んで本にフセンを挟んでしまいそうな人

上記の人にはもう本ッ気でお勧め。今年の「Mozart!」をこれから見て、「シカネーダーって何者?」と思うであろう人にもお勧め。

91年に新潮社から出ていて(その頃は「シカネーダー伝」、99年に平凡社から文庫版で発売…ということですから、自分的にはずいぶん長い間見逃してたことになります。
知ってた方には何を今更…てところもあるのかもしれませんが、今更「本人に」はまってしまったご報告でした(^^;)。いやー面白すぎるわこの人、舞台も史実も…。

さて後半を読もう…そろそろ「メイキング・オブ・魔笛」ですよ…血沸き肉踊るわ…。

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レ・ミゼラブル2000回記念キャスト

昨日、「レ・ミゼラブル」2000回記念キャストの公演を観てきました。

私は初演~2000年までは全部あわせて数回観たくらいで、主に聴きまくったCDも英国のコンプリート版だったりするので、岡幸二郎さんのアンジョルラスや石川禅さんのマリウスが活躍していた頃の公演は数えるほどしか観ていません(学生もグランテールしか把握してなかったし)。なので、アンサンブルの動きとか細かい動線とかは、2003年度のいわゆる新生版に通い倒した時の記憶がスタンダードになっています。
自分の頭の中では、アンジョルラスは赤いスカーフでなくて黒リボン(岸さんは赤でしたね)、ベガーシーンでマリウスとアンジョルラスが中央に立つ時は奥から登場でなく袖から移動(笑)、「カフェ・ソング」で学生たちは基本的に微笑む…etcetcなんで、今回は「へぇー!」とか「ああ、そうだったっけ…」の連続でした。考えてみると短縮化以外にも、ずいぶんと変わってたんだなあ2003年。

新旧とりまぜのキャスティングにはちょっと戸惑ったところもあったのですが、局田奈都子さんのガブローシュ(ああぁ本ッ当に好きだ!!)や今井さんのバルジャンにものすごく感動したので、ああ、このキャストで観られてよかったなあと。

特に印象に残った人々について。

■歌穂エポニーヌ
やろうと思えば何十年でもエポニーヌやれるんじゃないだろうか。小さくていちずで、惨めで、はすっぱに見えてかわいくて、マリウスを痛いほど愛していて。「ワン・デイ・モア」でマリウスを見おろして佇むとか、襲撃シーンでテナルディエにぶん殴られるとか(短縮版になっていてもちゃんとケリまで入るあたり(^^;))、手紙を届けてバルジャンに出くわした時のリアクションとか、うわーエポニーヌがいるよここに、と新鮮に感動。
押しつけない迫力とせつなさの「オン・マイ・オウン」CD含めればこの方の声で何百回と聞いてきた曲ですがこれも新しい気持ちで聞くことができました。
「恵みの雨」がまた最高。思い出しただけで涙が出てきます。「あなたが私を抱いて守ってくれているこの場所にやっとたどりつけた今、わたしが感じているのは痛み(pain)ではなく静かな雨(rain)なのだから、苦しくはないのです…」もともとの歌詞ってこういうニュアンスだと思うのですけど(日本語版の訳詞、基本的に好きなのですがこの曲の機微って変化してるかなと思うのです)、それがしっかり伝わってくるか弱さと静かさに感動しました。

■岡アンジョルラス
「こ……こうだったっけか?!」と思うことしきりのABCカフェ。悪い意味じゃなく、なんとなくこの方のアンジョルラスって2003年以降に交わされた思い出トーク上は「カリスマ性」を前面に出して取りざたされることが多かったので、冷徹さとか酷薄さとか上から見下ろす感じの指導者チックなイメージだったような気になってしまっていたのですが、昨日観てみたらすっごくほがらかでまっすぐで、仲間の行動への反応の表現のしかたもダイレクト(グランへの叱り方とか、マリウスへのたしなめ方とか)。気くばりもするし、弱い者(弱く在ってもいい、つまり女・子供)に優しく、グランテールには厳しく。
そして戦闘においては「誤算」とか「焦り」がちゃんと見える。完璧な指導者だったらああいう結果にはならないわけで。アンジョルラスとしての在り方にものすごく納得しました。三角行進でも、この大きなアンジョルラスが中心にいて、こぼれるような笑顔を周り中に振りまきながら進んでくることで、こういうナンバーに仕上がるんだなあ、と。
いろいろな点で…主に「正しく」て「大人」である点で、やっぱり自分の中でこの方がアンジョルラスとしてのスタンダードになることはないなと思いつつも(もちろんこれは全然いい悪いの話じゃなく、好みの問題)、たくさんのファンを引きつけてずっと「こうでなくちゃ!」と言わしめ続けているパワーとキャラクターを見せていただきました。

■禅マリウス
過去に1回か2回だけ観たことがあったはずなのですけど、最もインパクトが強烈だったのはレミコン初見の日。「だ…誰?!この素敵としか言いようのない甘い歌声のマリウスは誰?!…ぜぜぜ禅さん!!!」みたいな。だってここ1,2年で石川禅さんを観た経験といったら「PURE LOVE」の「魔王だな」っていう台詞がすごかった人(すいません名前覚えてません)と「砂の戦士たち」のペドロとあとは当然フランツ様でしたから…みんなびっくりしたと思うんだ、あれは。
そんなわけで今回も期待してましたがいやもう、ホント素敵でした…声とか歌の技量とかももちろんですが、「ふたつにひとつ」とか「なぜ、戻ってきた!」と歌うところの歯を食いしばるような感じとか、エポニーヌに対する他意のない、でも全開のやさしさとか、なんていうか「マリウスとしての美しさ」がビシビシ来まして…あぁそう言やあ某アンジョ役者にのめりこむまでは自分、マリウスが一番好きだったっけ…と思い出した(爆)次第で。

■阿部グランテール、岡田ジョリ、上條コンブフェール
阿部グランのキャラクターってアンジョルラスを誰がやるかで全く違って見えてくるのですが(これ本気で語りだすと2000行越えちゃうので今日は自粛)、岡さんとの組み合せで見るとまた新鮮でした。ABCカフェでは「今が決断をする時だー」で迫り来るアンジョルラスに「ハイハイ先生」とばかりに新聞を顔の上に伏せて寝ちゃう(笑)とか、「共に飲もう」ではかなり長い間ビシバシに見おろし続けるアンジョルラスに「…でもな!」と食い下がってる(そして負ける)ように見えるところとか。そして陥落前に振り切られるところと、カフェソングでのアンジョルラスへの一方的な微笑みの投げかけと…この辺ってキャラの違いというより97年当時の演出と2000年以降の演出(グランテールが徹底してアンジョにこだわる飲んだくれで、ガブローシュとの関わりはプルベールの役割だった頃と、今)とのコラボレーションて感じで、新旧いずれと比べても違ったドラマに見えました。
マリウスとジョリの関係も素敵でしたです。見逃してましたが岡田ジョリは「市民は来ない…」の後、過日の岡田マリウス同様、禅さんマリウスに抱きしめられていたそうな(^^)。
2003年度に大ッ好きだった上條コンブフェール、今期ひさびさに観たのですけど…あ、明るい(^^;)。いや、それ言ったらあのフランクな岡さんのもとみんな明るかったですけども、特に民衆の歌のあたりとか、「『列に入れよ、我らの味方に。砦の向こうに世界がある』…ですよね?先生!」って聴こえた(^^;)。
…はっ!!これが上條コンブフェールとの最後のお別れ…大阪ではレーグルなのですね。司祭様ともども、来年4月の帝劇で観られるといいなあ。

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ここはウィーン

★★★日本および外国の「Mozart!」のネタバレ含みます。今年の「Mozart!」をまっさらに観たい、という方はご注意を!!!★★★

2005年「Mozart!」まであと2週間を切りました。
井上版・中川版・ウィーン版ハンガリー版といろいろなCD互い違いに聴きながら欲求不満と戦っております…ホントは初日まで封印しようと思ってたのにもう聴きたくて観たくてたまんない…そんな勢いで今宵は「曲」の話なぞ。

2幕冒頭の「ここはウィーン」。墓場のドクトル・メスマーの語りと共に明るくなる舞台、天井からピアノがぶら下がってて、コンサートを終えたヴォルフガングを囲む貴顕淑女のみなさん(別段、宮廷人でもなさそうなどっかの劇場支配人が混ざってたりしますが)がモーツァルトについて取りざたする…という構成は日本と同じです。

ハンガリー版のこの場面、観衆の中に黒髪の、やたら濃いデザインのカツラ(ボーボボに出てくる「軍艦」が近いっていうか、正面から見た宇宙戦艦ヤマトみたいなリーゼント(^^;))の目立つ人がいて「こっちにもKENTAROさんぽい人がいるな~」と思ったらやはりこれがサリエリ。ハンガリー版ではこのシーンの後でもモーツァルトを小ばかにする存在として登場してきます。…すいません、KENTAROさんが軍艦頭というわけではないです、でもカツラが濃かった(しかも日生→帝劇で100倍濃くなった)ことだけは確かでして(^^;)。
モーツァルト肯定派(男爵夫人&シカネーダー)と否定派(サリエリ)で2つのパートに別れて歌い踊る、という構図は日本版とそっくりで(2002年だと帝劇行ってからサリエリVSシカネーダーの嫌味ったらしい目まぜが追加されて、ここの二派の対比がわかりやすくなったのですけどそれに近い感じ)、ただハンガリーだとかなり長い間ヴォルフが舞台にいます。また、ヴァルトシュテッテン男爵夫人が中心になって練り歩いて、シカネーダーがそれをエスコートしていくみたいな動きになっていました…ちなみにあちらのシカネーダー、Tanz der Vampireのアブロンシウス教授みたいな(爆)うさんくささ大爆発の小柄な方なもんで、わりかし「お付き」感がしっくり来すぎてたとこがあるのですけれども。

今年の日本版のこの曲、どんな風に仕上がっているのかは観てのお楽しみ、ですが…あえて2002年モードで「これをぜひ!」というのを挙げるとすると、否定派の「モーツァルトの才能はすべて盗作だー」に肯定派が「彼は天才ー」と返す直前のシカネーダーが隅っこから否定派をひっそり睨みつけてるとことか、「背中にナイフ突き刺し手にはキスをする!(休符)」のこの「(休符)」のタイミングで片足を蹴ってウィンクするシカネーダーとか………、すいませんもう完全に日本版(ていうか贔屓)にスライドしてます、意識が…(^^;)。

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東山義久さんのこと

今年のアンジョルラスを観つつ、いろいろ懐かしく思い出した話なぞを。
東山くん(以下、くんづけご容赦下さい)を初めて観た舞台は、1998年春のSTEPSの再演版「Shocking!Shopping!」(以下SS)でした。街の6人組「6bit」の一人だったのですけど、98年のSSはこの6人が街で退屈しながらダラダラと生きている…という場面から始まってるんですね。東山君は下手でダラーっと目を閉じて寝転がってて、初めて観た時は「あれ、この長髪君は初出だなあ…えっらい綺麗な人だなあ…」と思ったことをよく覚えています。
基本的に6bitは全員でロック調の曲(っていうかトレメローズ)を歌ったり踊ったりする役なので、個々の台詞はあまりなかったのですけども、考えてみると東山くんの声を単体で初めて聞いたのはこの作品、主人公がデパートで買い物するシーンでの「(服があなたに「買って」って言ってる、というネタでの)わたしを買ってぇぇ…」でしたね(笑)。98年はSS→「BORN」→「CLUB LAVELA」→「BROKEN ANGEL」と、ずっと吉野圭吾さんと共演が続いていたので、吉野さんと東山くんというタイプの違う二人のダンスを同時に堪能できてえらい贅沢してたんだなあと思います(あとこの二人の共演といえば吉野ファンにおなじみの「お月様ブラザース」っていう伝説のネタがありますが…これはこれで長くなるからまたの機会に(笑))。
今でも印象深いのが(「BORN」の蜥蜴人間やゲイは別格として!)「CLUB LAVELA98」の四大精霊の役。香瑠鼓さんを中心に踊る地水火風の中性的な衣装の4人がいるのですけども、これが、その前にやったときには女の子4人だったのが、地・水・火・風をそれぞれ山中陽子・徳垣友子・紀元由有・東山義久…という組み合わせでやってたあたり、まず配役からして実にハイセンスだったなあと。あと、先週、読売新聞の芸能欄にも載っていた森山開次君とのユニットでオリジナルダンスをやったのですけど、開次くんが「鉱石」で東山くんが「花」というこれまた印象的なナンバーもありまして…懐かしいなあ。

トートダンサーは初めて観た時、B席だったのでかなり遠目だったのですけど、「最後のダンス」の関節ないんじゃないかみたいな柔らかい動きで「あんなポーズができるのは東山義久だけだ」とか思うくらいにとっても発見しやすかった記憶があります(笑)。マイヤーリンクも初演ではこの人だけスカート履いて出てきてルドルフに実にアルカイックに微笑みかけるわけで。面白い出方が多いですね…ネタ系だと最近の大ヒットは「CLUB SEVEN 2nd Stage」の「赤井さんの奥さん」ですが…私、東山くんに関しては代表作に限って観てないのか?もしかして(^^;)。

ミュージカルにダンスパフォーマンスに、これからも活躍していってほしいと思います。…そして吉野ファン的に気になるのは………どうなんだろう今年の「Toy Box 4」のVTR出演、2002年に月に帰ったはずのあの兄弟で復活してくれるんだろうか??
(7年後にやっとまとめてみた「お月様ブラザース」についてはこちら。)

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功名が辻

来年、山内一豊(伊右衛門)を上川隆也さんが演じられるときき、ちょっと興味が出て読んでみました。
★以下ネタバレです★
織田→豊臣→徳川の時代、夫婦でのし上がっていく物語と聞いたらそれだけでワクワクするものですが、この話は伊右衛門の出世とか伸び悩みとか律儀一徹のかわいすぎる性格(笑)とか、千代のステキさとか人を操るセンスとかとてつもなくアレな性格(笑)とか、戦時なら戦時、平和時なら平和時の「へぇぇー」な話とかが実に面白く描かれていて、4冊明るく楽しくワクワクと読み進みました。…そしてラスト前の過酷な展開でめちゃくちゃ凹んだ(T_T)。いや読んでる間に史実の山内家の話を母に聞いたりして「へえ…想像がつかないなあ」と思ったのですが、読み終わってみると実にドラマチックな結末だったなあと。
長い長い道のりを歩いて遠い終わりにたどりつく。大河でやるに相応しい物語かも知れません。小説自体はそう長くはありませんから、これにエピソードがいろいろ追加されて一年分のドラマになるかと思うとわくわくして参ります…最初の方の伏線らしい部分で最終的には発展しなかった(よくあることですが)「伊右衛門の少年時代」とかが膨らむといいなあとか想像したり。序盤で消えたくのーの小りんとか、途中であまり前触れもなくいなくなった忍びの六平太とか(^^;)、活躍して欲しいキャラもたくさん。いや上川伊右衛門や仲間千代はむちゃくちゃリアルに頭に浮かぶのですけど、ふと「六平太は粟根まことさんでどうだろう」とか想像しだしたら楽しくて。
脚本は「ふたりっ子」の人なのですね。まだまだ先ですが、とても楽しみです。

そしてたった今、大河のサイトを見てきたのですけど。

「生き延びろ!妻の知恵と夫の愛で!」(明朝体)

(笑いすぎて3分経過)

(いえ、間違ってはいませんが)

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アマデのこと

★★★日本および外国の「Mozart!」のネタバレ含みます。今年の「Mozart!」をまっさらに観たい、という方はご注意を!!!★★★

2005年「Mozart!」まであと3週間切りました…わー。

断続的に興奮したり落ち着いたりしながら待つ、今日この頃でございます。アマデ役が誰になるかはまだわからないのですが、2002年の3人のようにそれぞれが天使で悪魔で芸達者な子役さんが登場してくるのを期待しております。

ハンガリー版「Mozart!」で観たアマデは、けっこう背の高い男の子でした。(2002年の内野明音ちゃんと同じくらいかな)。しかしヴォルフガング役者がめちゃくちゃでっかいので(Wキャストの両ヴォルフともこちらで言えばコロレド様くらいの身長(笑))、アマデがヴォルフに抱きつくシーンなんかもすごくちっちゃく見えました。

これはハンガリーというよりヨーロッパ仕様なのでしょうが、アマデは常に「音叉」を持っています。日本だとアマデは常に音楽の箱を大事に持っていて、曲を書くときには白い羽根ペンを使ってて(またヴォルフは二幕から意味深に赤の羽根ペンを傍らに置いていたりする)。ハンガリーだとこの2アイテムの役割は両方とも音叉が果たしていて、冒頭で拾う(男爵夫人に「それはアマデだけの物」と言われる)のも曲を書くのもヴォルフ刺すのも全部これで、時には某劇場支配人に取り上げられたりもするという(笑)。

あと、時折ものすごくアクロバティックな動きをするのも日本版と違う点でしょうか。ヴォルフに肩車してそのまま後ろにだらーんと上体を倒して逆立ち状態で着地しちゃったり、「謎解きゲーム」ではバク転かましながら舞台を縦横無尽に飛び回る。
それと笑えたのが「友達甲斐」の最後でヴォルフが友達(シカネーダー率いる悪友隊、めちゃくちゃ人数が多いのも笑えた)と夜の町に繰り出していくとこで、日本だと留守番して曲書いてるのに、あっちだと抱え上げられて連れてかれちゃう(笑)。

前半で子供子供してて、後半でだんだん悪魔化してくる…という基本ラインは同じなのですが、場面場面での表情や動きはやはり違いますね。
コンスタンツェに対しては日本では邪魔者に対する嫌悪(天才の潔癖さ)みたいなものが見えましたが、ハンガリー版の印象はも少し淡々としてて、舞い上がるヴォルフに「つきあっちゃいられないね」と肩をすくめて、あとは徹底無視。
ヴォルフ自身に対しては独特の感情表現があちこちに現れてて面白いです。パパとヴォルフの場面で「パパを愛している」というヴォルフに後ろからすがりつくところなんか印象的でした。そしてラストシーン。
(★★注:ラストのネタバレです!!★★)

最後の最後、中央に円盤がまた伏せられていて、ヴォルフとアマデは下手前方にいます。レクイエムを書きながら「まだ途中なのに…」と悲嘆にくれるヴォルフが何とか曲の続きを書こうとしています。音叉を腕に刺してももう血は出ない。アマデに「心臓に刺すんだ…」と歌いかけるヴォルフ。座ってぼんやりと見上げるヴォルフの前にアマデが立って、最後にヴォルフの頬に音を立ててキスをして、それからおもむろに音叉を振り上げる。突き刺した瞬間に二人とも倒れるのだけれど、その後が日本版とはさらに異なる構成になっています。
中央の円盤(墓場)のむこうから、ドクトル・メスマーが「モーツァルトのされこうべだ!」コンスタンツェが「お金ちょうだい!」と叫ぶ声が響き、全員が登場して「モーツァルト!モーツァルト!」を歌います(日本だと「魔笛」の直後ですがあちらだとこの曲がラスト)。ウィーン版同様、かな?ソロの部分はすべてヴァルトシュテッテン男爵夫人。曲が中盤に差し掛かったとき、ゆっくりと起き上がるヴォルフとアマデ。アマデは立ち上がって墓の向こうへ歩いていき、それを追うように這い進むヴォルフは墓の前にぽっかり四角く開いた奈落に転がり落ちる…。
そうする間にも曲は進んで行き、最高潮に達する全員の「神がー!」のところで、舞台後方からさっと光が差し、(これはハンガリー版の冒頭と同じ絵づらなのですが)立って音叉を振るアマデが浮かび出ます。…もう思い出しただけで血がザワっと来る絵でした。そして本当に最後の最後、そのアマデの背後に、同じく白いカツラをつけたヴォルフが立っているのです。全員で歌う最後のフレーズ「モーツァルト!」で照明がパッと消えて、もう一度だけパッと点いて消える、その瞬間には後ろを向いたアマデがヴォルフと向かい合っている姿が一瞬だけ現れて…幕。

いやーブダペスト行きたくなってきた…
そして日本版もとっても懐かしくなってきた…
大阪初日、どんなアマデに逢えるか。そしてどんな最期を見せてくれるか。本当に本当に楽しみです。

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アンジョルラス雑感+α

2005年「レ・ミゼラブル」もあと2週間。
観劇数は少ないながら、縁あって4人のアンジョルラスを観ることができましたので、それぞれに感じたところなぞ。

■東山アンジョ
キャスト発表時点ではカズバル以来ひさびさに想像力の限界を超えたんですが(^^;)、観てみてなるほどなあと。とにかく必死で一所懸命で、どっちかというと周りをまとめ上げるよりはかき回す、みんなが支えてやりたくなる存在、そういうのもリーダーの資質だよなあと。嵐の中心というか。…ただミュージカルの「レ・ミゼラブル」だとそれってマリウスの役目じゃないかな、という個人的な違和感はあるのですけども。
3月に観た時は動きの大袈裟じゃなさ(よく言えば自然さ?)がちょっと勿体ないかなと思ったのですが、2ヶ月ぶりに観ましたところ特に二幕、あちこちの動きにすごい勢いがあって、うひゃー綺麗だなと感動しました。バリケード滑空降りするアンジョの動きって大好きだ(私情)。

■岸アンジョ
ゆるぎないリーダーで素敵でした。小鈴コンブとのコンビネーションとか(二人並ぶ立ち姿のカッコいいこと)、グランテールに対するスタンスのはっきりした大人の態度がツボ。そしてマリウスへの型どおりなフォローの仕方が別の意味でツボ(笑)。バルジャン来た瞬間に「捨てる」ぐらいの勢いでマリウス放り出すあたり、うわっ長男だなこの人、と…(いえ、岸さんがどうかは知りませんが)。リーダーとして弱っている者がいればフォローするのが当たり前!だから慰めるけど事態が変わるまでだからな!立ち直れ!みたいなキッパリ感がなんか好きだ。

■小鈴アンジョ
登場の瞬間「…インテリ!!!」と衝撃を受けました。なんて頭良さそうなアンジョルラス。(「みんな持ち場につけ恐れるな・待て!敵の情報が必要だ」という、他の人なら「落ち着けよあんた…」と思うような台詞ですら納得させられちゃう(笑))
この人、この革命の無謀さを最初からわかってて、負け戦を承知の上で挑んでるような印象を受けました。もうABC時点から既に「みんな、ごめんな」って内心に慙愧を抱えて自分と戦ってるように見える。これってかなりグッと来ました。
吉野アンジョもそうでしたけども、最初から破滅に向かって(みんなを巻き添えにして!)突き進んでくみたいなタイプのアンジョルラスには本当に惹きつけられます。小鈴さんは負けると分かってて葛藤しつつ進む確信犯リーダー、吉野さんは勝とうが負けようが迷わない自覚なし魔王系カリスマですから(私見)中身全然違いますけども(笑)。

■坂元アンジョ
いやいやいや凄かったです「群れとなりて」。
歌声ももちろんですが、この人は何がカッコいいって「撃てッ!」が凄いなあと。訓練された軍人チックなきびきび感というか、2003年にも観るたびに「うわ、勝てそー!」と内心喝采することしきりでございました。ホント言うとアンジョルラスは戦争に関しては「ど素人」だと思うのですけども、こういう力強さとかってサカケン氏の大事な持ち味だと思われ。グランテールの肩にポンと手を置くのも最初の頃「…そんな優しさはアンジョにありなのか…」とか感じてましたが今ではあれはあれで納得。


今年のアンジョルラスは対グランテール(そしてコンブフェール)で見るとすごく濃いというか、それぞれの組み合わせごとに深い絆や意識を感じるのですけども、対マリウスでは比較的みんな淡々として見えました…のは自分が吉野アンジョフリークだからだな(爆笑)あの人の「武器は用意できたか!弾薬は足りてるか!市民は援護に来ないか!…ところでマリウスは大丈夫か!!!」的な、(自覚なし)不公平スタンスが自分的にはデフォルトだったので(笑)。
で、そのマリウスについても少し。

■岡田マリウス
相も変わらずすばらしい…ほんッと好きだー。動きはかつてと比べるとずいぶん落ち着いた感じですが、油断してるとありえないタイミングで360度スピンしたりする予測のつかなさは健在(こないだは「どきなよ」と「でもきみ」の間に0.5秒で回った)。そしてエポにお金をあげるときに上着でゴシゴシこすって「…お願いします!」と頭下げる動きも健在…もうホームシックになってしまいますよ2003年懐かしくて…。
今年の初見からストーンとはまり込んでしまったのがベガーでスラムの惨状を見るこの人のすごく苦しそうな表情。女の子を抱きかかえて下ろしてあげたり、エポニーヌに対しても最初からかなり痛々しそうないたわりの表情を抱えているあたり。世界に対して深い憂いを抱えて、でも恋なんかしてしまったからにはもう大変…な岡田マリウスがぐるぐるしてると、この人の心の動きにいちいち振り回されてちくちくと反応を返していた某アンジョが懐かしくてですね…(まだ言うか)。「遅刻だぞ!」の後階段を降りきるまで睨みつけていた金髪とのコンビがまた観られたらなあ(涙)。

■泉見マリウス
初心に返って観てとても感動。ベガーでのエポニーヌのからかいっぷりとか、「自分の可愛さわかってるだろう、あんた(笑)」という余裕の学生さんだったのが、恋に落ちて世界がひっくり返ってむちゃくちゃになって、エポや仲間の死に衝撃を受けて、バルジャンという人を理解して…という過程でみるみる成長していく、その面構えがどんどん変わっていく姿にすごく納得。ラストの「若者たちの歌が聴こえるか…」という歌声に反応してだんだんに目を見開いていく表情が絶品ですね。

番外。

■小鈴工場長
今年のリピーターがぼたぼたと落ちていったらしい小鈴工場長、期待してましたがいや凄い凄い。ファクトリーガールの取っ組み合いを余裕で眺める姿とか、市長が入ってきてヤバイと思って動くリアクションとかがものすごいリアルで。ああいるよな、こういう姑息な管理職…とちょと感動しましたです。コンブもそうですがこの人は抑えた動きでも「らしさ」を出せる人ですね。
ああコンブの話もしたいのですが本日はタイムアップ。

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